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プレスリリース配信元:日本電気株式会社

日本電気株式会社(以下NEC)は、社会的価値が求められる製品や空間(環境製品など)を対象に、そこに内在する文脈をひも解き、生活者から選ばれる機会をつくる活動を行っています。データの活用や価値の証明方法に着目し、NECはお客さまの実務現場に根ざした課題整理と仮説検証を行い、学術的な視点からの検証および妥当性の研究を、明治大学商学部 加藤拓巳准教授と共同で進めてきました。
今回は、資源循環や気候変動といった社会課題に直面する都市にフォーカスし、「環境にも生活者にもよい空間づくり」につながる施策の導出を目的として、都市公園におけるナイトタイム・エコノミーの実現に向けた検証を行いました。本検証では、持続的な公園利用者の増加に向けた魅力向上と照明デザインとの関係に焦点を当てています。

※本プレスリリースにおけるナイトタイム・エコノミーとは、主に日没から日の出までの夜間に行われる経済活動全般を指す。




ナイトタイム・エコノミーは、消費の時間的分散によるオーバーツーリズムの解消、気候変動による猛暑の回避、職・住・遊が近接したコンパクトシティの実現という理由から、持続可能な都市開発において重要な役割を果たすことが期待されています。安全性と快適性が重視される夜間の都市づくりを成功させるための1つの要因は、都市照明のデザインです。
本研究では、温かみや情緒を生み出す照明として「暖色の灯篭」に着目し、都市公園の魅力に与える影響を検証しました。ランダム化比較試験の結果、白色よりも暖色の灯篭は有意に高い魅力を生み出すことが示されました。特に20~44歳の若年女性において、灯篭の評価が最も高い傾向が見られました。大規模な投資を伴う都市開発が多いなかで、照明(光)という比較的低コストの資源で都市公園の魅力を高められることは重要な示唆を与えています。ますます膨張する建設コストの観点に加えて、環境面での持続可能な都市開発の観点から、少ない資源で効果を上げるアプローチは今後の重要な課題です。本研究成果は、NECと明治大学商学部加藤拓巳准教授の共同研究として、2026年3月16日から2026年3月18日に、The 12th International Symposium on Affective Science and Engineeringで発表されました。

出典: Kato, T., Hattori, A., Tamura, C., Kajihara, F., Takatsuka, K., Chiba, Y. (2026). Emotional value from warm colors and lanterns - Evidence of the effect of light color on attractiveness in parks-. Proceedings of the 12th International Symposium on Affective Science and Engineering, 1-4.
本研究のポイント
- ナイトタイム・エコノミーは、持続可能な都市開発において重要な役割を果たすと期待されています。その理由は主に3つあります。第1に、消費の時間的分散によるオーバーツーリズムの解消です。第2に、気候変動による猛暑を回避し、経済活動を涼しい夜間にシフトできることです。第3に、職・住・遊が近接したコンパクトシティの実現により、移動量を削減し環境負荷を軽減できることです。

- しかし、ナイトタイム・エコノミーを活性化させる施策としては、夜間の商業施設や公共交通の増加に議論が集中する傾向があります。それだけではなく、夜間だからこそ出向きたくなるような安全かつ快適な都市のデザインを検討する必要があり、その1つの要素として照明(光)があります。

- 本研究は、富山県の富岩運河環水公園を運営する株式会社ホクタテおよび有限会社金岡造園にご協力いただき、当該公園を対象に光の違いによる都市公園の魅力の差異をランダム化比較試験で検証しました。白色、暖色、暖色の灯篭を用いて、無作為に割り当てた3群にそれぞれの写真を提示し(図1~3)、この都市公園の魅力を聴取しました。その結果、白色<暖色<暖色の灯篭の順に高い評価を獲得し、白色と暖色の灯篭で有意差が検出されました(図4)。特に、この効果は特に20~44歳の若年女性において、灯篭の評価が最も高い傾向が見られました。温かみや情緒、さらには安心感を生み出す暖色の灯篭は、都市公園の資産となる可能性があります。

- 大規模な投資を伴う都市開発が多くの場所で進む中、光という比較的低コストの資源で都市公園の魅力を高められることは重要な示唆を与えています。ますます膨張する建設コストの観点に加えて、環境面での持続可能な都市開発の観点から、少ない資源で効果を上げるアプローチは今後の重要な課題です。


図1. 実験に用いたライトが白色のデザイン


図2. 実験に用いたライトが暖色のデザイン


図3. 実験に用いたライトが暖色の灯篭のデザイン



図4. ランダム化比較試験の結果

今後の取り組み
NECは今後も、データと科学的検証を通じて、環境と生活者の双方にとって価値ある製品・空間づくりに取り組んでいきます。社会課題の解決と経済性の両立を見据え、企業・地域・研究機関との共創を通じて、生活者に届く表現や意思決定につながる具体的な示唆の導出に挑戦していきます。


この記事に関連するページ
加藤拓巳准教授Webサイト:https://takumi-kato.com/
NEC GX(グリーントランスフォーメーション):https://jpn.nec.com/energy/gx-solution/index.html

本件のお問い合せ
NEC GX事業開発統括部
E-Mail:gx-pj@ptg.jp.nec.com

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