空港業界の“ミシュラン”。時にそう称される世界的な格付けがある。空港内の案内表示はもちろん、物販の充実度にまで、その評価項目は700にも及ぶ。大規模開発を終えた福岡空港が、今回『ファイブスター』初獲得へ4度目の挑戦。果たして結果は…。

過去3回の挑戦も“4スター”止まり

過去最大の旅客数を見込んでいる福岡空港。産声をあげたのは、今から50年以上前のこと。現在では、国内線28路線、国際線23路線で就航し、年間の利用者数は2850万人を超えている。

福岡空港
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今回、福岡空港が挑戦する監査は、イギリスの調査会社、スカイトラックス社が行っている5段階の国際的な空港の格付け。世界で僅か19、国内では、成田、羽田、中部の3か所のみにしか認められていない最上級のファイブスターだ。

ファイブスターには、ハード面、ソフト面、いずれも高い水準が求められていて、福岡空港では、過去3回に渡り監査に挑むも評価は、いずれも“星4つ”だった。

「いよいよ来週、スカイトラックスの監査になりますので、改善した内容を確認しつつスケジュールを確認できれば」と館内を見回る空港連携推進部の西園知哉さん。来る監査に準備を進めてきた。今回は、秘めたる自信がある。

その根拠となるのが、整備が完了した国際線ターミナルだ。約3年かけて進められてきた大規模工事は、2025年に完了した。

前回、監査の改善点として指摘された国際線の混雑は、最新のスマートレーンで充電設備の少なさも大幅な増設で解消。

そして最大のポイントが、保安検査場通過後に楽しめるフードコートだ。改善点として、飲食店の少なさも指摘されてきたが、この場所こそ、空港ならではの鬼門だったのだ。

西園さんは「保安検査場内、出国検査場を抜けたところは持ち込み制限があります。店舗によっては、事前に材料を切ったりすることもあるのかなと思ってます。保安上の理由です」と話す。

検査場通過後のエリアは持ち込める器具の規制が厳しく、さらには1年365日、営業を続ける人材の確保が求められることなど、各店舗との綿密な交渉で実現にこぎつけた。

欧・米・豪への就航を目指して

現在、アジア圏の8つの地域に就航する福岡空港。ファイブスター獲得は、目標に掲げる欧米方面への路線拡大に一役を担うと期待されている。

福岡国際空港の田川真司・社長は「『ファイブスターのエアポートになりました』って言えるだけでも『福岡ってそんなすごいの。だったら飛ばしてみようか』っていう動機付けになると思うんです。我々としては、いま就航していない欧・米・豪については、積極的に飛ばして行きたいなと思っていますし、そういう国のエアラインの方々にも認知してもらうという可能性が増すんじゃないか」と期待を寄せる。

西園さんの部署が築き上げてきたソフト面での強みは『チーム福岡空港』の存在。2020年に発足し、空港に関わる約200の事業者で組織されている。

西園さんは「空港にはいろんな人が関わって下さっていますので、チーム福岡空港となって監査を乗り越えたい受けに行きたい」と話す。

そして監査当日。このために来日した監査員2人が、2日間の日程で実施。

監査は完全非公開のかたちで、秘密裏に行われた。

そして監査は終了した。

ジリジリしながらも、吉報を信じて待つスタッフ一同。スカイトラック社からメールが来たと連絡が入る。

スカイトラック社から来たメールを開く瞬間
スカイトラック社から来たメールを開く瞬間

「メールを開きます」と届いたメールを開く西園さん。スタッフ全員に緊張が走る。

念願のファイブスター獲得

果たして…。開いたメールには、吉報が! 沸き起こる歓声。全員でハイタッチ!念願のファイブスター初獲得の瞬間だった。

特に評価されたのは、国際線ターミナルの開発と空港の清潔さ。ファイブスターを獲得した空港は、監査を受けている世界の空港、約400のうち僅か20という狭き門だった。

受賞式を無事に終えて福岡空港は悲願達成を正式に発表した。

西園さんは「これがゴールじゃなくてきちんと定着させる。そして評価だけでなく、ご利用頂くお客さまに利便性の高い空港だなと喜んで頂けることが大事だと思っているので、監査レポートの内容を振り返りながらよりよい空港にしていきたい」と話す。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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