ご飯のお供にも、お酒のアテにも、お寿司にも、栄養価も高く人気のサバ!

過去には「今年の一皿」にも選ばれ一大ブームにもなりました。

しかし、そんなサバにいま危機が…漁獲量が減っていることからサバの価格が上がり、“庶民の味方”とは言えない時代になってきているのです。

サバは高級魚になってしまうのでしょうか。その実態を緊急取材しました。

■サバと関西には深い歴史「鯖街道」

大阪・梅田の阪神百貨店・催事場では、23日まで「鯖街道フェア」が実施されています。定番の鯖寿司のほかに、塩サバから洋風にアレンジした料理まで!サバを存分に味わうことができます。

(Q.みんなサバは好き?)
【鯖街道プロジェクト 中東篤志さん】「大好きでしょ。日本人の文化として鯖なくしてなかなか語れへんのちゃいますか。京都人なんかは完全に鯖寿司がないと生きていけませんから」

実はサバと関西には深い歴史が。

昔、昔、“御食国(みけつくに)”と呼ばれた福井の若狭地方から京の朝廷に多くのサバが運ばれそのルートはいつしか「鯖街道」と呼ばれるようにもなりました。

■サバの漁獲量は10年で半減

しかし今、大きな異変が起きているというのです。

【鯖街道プロジェクト中東篤志さん】「もともと小浜もいっぱいサバ取れていたけど、なかなか今はもうとれないですしね。僕らも市場行って少ないですからね。昔より」

(Q.値段は?)
【鯖街道プロジェクト中東篤志さん】「高くなっていますね」

なんと庶民の味方サバが今、ピンチだというのです。

農林水産省の調査によると、2015年には約53万トンあったサバの漁獲量が、おととしには25万トン余りと10年で半減していました。

■私たちの食卓に並ぶサバはどうなっているのか

私たちの食卓に並ぶサバはどうなっているのでしょうか。

大阪市阿倍野区にある昭和8年創業の阪田鮮魚店。79歳の昌史さん筆頭に家族で切り盛りしています。

この日は和歌山県産の天然サバが1本1300円で売られていました。脂のりも見事なサバの塩焼き。お惣菜などと並べて買いやすくなる工夫をしています。

【常連客】「脂乗ってて、ここの煮つけも甘辛くて好きなのでごはんと合いますよね」

【飲食店店主】「めっちゃ上がってるこの1年で…(サバは)庶民的な魚で知られてるから高く感じるかもしれへんけど…」

【常連客】「子供が男の子なんで、ほぼお肉なんで。お魚高いので、魚がパーティーとかお祝いものになっている気がします。“まず肉”です。すみません、魚屋の前で」

■サバの仕入れ値は1本400~500円→1000円を超えるように

やはりサバは高級魚になってしまったのか…大阪市中央卸売市場に仕入れにいく息子・喜彦さん(45)に同行させてもらいました。

【阪田鮮魚店・阪田喜彦さん】「社長、サバこっちもらいます。(サバは)取れているのですか?」
【仲買人】「きょうは、ね」

喜彦さんによると、市場ので仕入れ値は、これまでサバ1本400~500円でしたが、去年9月ころから1000円を超えるようになったといいます。

(Q:サバは高いと感じる?)
【阪田鮮魚店・阪田喜彦さん】「高いなと思います。石油も上がる、人件費も上がる、漁師さんも大変やと思うし、現場もいろんなもん底上げなってるから…」

有名産地だった北海道や青森でサバの水揚げが減っていることもあり、値段が上がっていると仲買人は話します。

【仲買人・井内水産 井内正幸代表取締役】「取れる海域もだんだん変わってきて、昔は北海道とか青森で脂のった乗ったサバが取れてたのに、今まったくとれなくなってるんですよね。なぜかっていうと理由はちょっと僕らもわかんないですけど…」

■「大衆魚がだんだん高級魚になっていくのは心苦しい」

阪田鮮魚店では、仕入れてきたサバを切り身でお得に買えるようにしてお客さんに届けます。そこには「おいしい魚を食べて欲しい」という思いがあります。

【阪田鮮魚店・阪田喜彦さん】「サバって日本の人みんなで好きやから、いつまでも美味しくあって欲しい。大衆魚がだんだん高級魚になっていくのは心苦しいかなと思います」

(Q.魚屋さんが好きな魚ってある?)
【阪田鮮魚店・阪田昌史さん】「あるよ。やっぱりやっぱりアジ・サバかな。脂のってるし、大衆魚やし。焼いたらやっぱり美味しいかな」

■成長前の「“取りすぎ”」が原因だと専門家

なぜこんな事態になってしまったのでしょうか。水産資源の管理に詳しい専門家に取材すると、とてもシンプルな答えが返ってきました。

【Fisk Japan代表 片野歩さん】「簡単に言うとですね、取り過ぎなんですよ。サバがいなくなったのは海水温が上昇してるとか、それっていうのはマイナーな要因で、主には“取りすぎ”」

環境の変化などではなく、漁の仕方に問題があると片野さんは訴えます。

【Fisk Japan代表 片野歩さん】「大きくなる前に取ってしまうんです。『成長乱獲』っていうんですが、ほとんど小さいうちに取ってしまうので、親になって卵を産むサバが少ないので、余計にその資源量が増えないという環境になってるんですよ」

■水産庁は太平洋側のマサバ・ゴマサバの漁獲枠減らすも近年の漁獲量上回る

こうした事態をうけて水産庁は、ことし6月までの1年間で太平洋側のマサバ・ゴマサバの漁獲枠を前年のおよそ4割に減らしましたが、その漁獲枠は近年の漁獲量を上回っているのです。

【Fisk Japan代表 片野歩さん】「日本の場合は、漁獲枠が大きすぎて取りすぎてしまって(サバの)資源が減ってしまっている。

クロマグロについては国際的に関係国が話し合って科学的根拠に基づいて、漁獲枠を決めたんです。

(クロマグロは)手遅れになる前だったので資源が増えているんですね。サバの場合は、今ぎりぎりですけど、特に太平洋側は。ただやれば、(回復)できます」

私たちの食卓の当たり前を守るため、本気の取り組みが、今求められています。

(関西テレビ「newsランナー」 2026年3月20日放送)

関西テレビ
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