熊本地震からまもなく10年です。地震で大きな被害を受けた益城町。創造的復興をめざして、県が4車線化を進めていた県道熊本高森線が20日、全線で開通しました。益城町から中継です。
益城町を東西に走る県道熊本高森線の木山(きやま)交差点です。地震前は2車線で道幅およそ10メートルだった道路は4車線化で27メートルに広げられ自転車道・歩道も整備され生まれ変わった印象です。熊本地震から10年となるのを前にきょう4車線化区間の全線が開通しました。
【木村 知事】
「県道熊本高森線、供用を開始する」
「せーの」
「開始!」
木村 知事と益城町立広安(ひろやす)小学校の3年生の児童たちの掛け声に合わせて益城町を東西に走る県道熊本高森線の供用が20日、開始されました。
2016年4月に発生した熊本地震で観測史上初めて震度7の揺れに短時間に2度襲われた益城町では道幅が狭く、倒壊した建物で緊急車両が通れないなど、課題がありました。
熊本県は熊本地震からの創造的復興に向けて、町を東西に走る県道熊本高森線の4車線化の事業を開始。これまで開通していた一部区間と合わせて熊本地震から10年を前に20日、約3.8キロの全線供用がスタートしました。
【住民】
「きれいになって、子どもたちの通学路も広くなっていい」
「広すぎて戸惑うこともあるけれども、緊急車両が通りやすくなったのはいいことだと思う」
【木村 知事】
「沿線の店の再建なども支援しながらやってきた。丁寧な手続きを益城町の皆さんの協力を得て進められたことで、時間はかかったが、しっかりしたいいものが出来上がったことをうれしく思う」
県道熊本高森線の4車線化事業ではこれまで道幅10メートルほどだった道路を約27メートルに広げました。事業には沿線の地権者270人の協力の下、県が用地買収を行い、4車線化に伴う総事業費は約269億円です。
全線が開通した益城町の県道熊本高森線。災害に強いまちづくりを掲げた道路整備の一方で、影響を受けた沿線の住民がいることを忘れてはいけません。
木山の交差点から100メートルほど南の益城町役場前の木山横町通りには商店が並び、周辺では土地区画整理事業が進められています。
再整備が進むこの地に店を再建したのが、『益城プリン』で知られる岡本商店です。
地震前までは約2キロ離れた益城町福富(ふくどみ)の県道熊本高森線沿いにありました。その土地は4車線化にかかり、店のあった場所は現在、バス停になっています。
明治時代から続く岡本商店は熊本地震で全壊。店内の冷蔵庫は全て倒れ、使えない状態になってしまいました。
店主の矢野 好治さんは仮設商店街の店を拠点に移動販売車で『益城プリン』を販売しながら、元の場所での再建を目指しましたが、店の土地は県道の4車線化にかかり移転を余儀なくされました。
移転交渉が難航し、益城町木山に店を再建できたのは地震から4年半がたった2020年9月。地震からの創造的復興の陰で翻弄されながらも地元で愛される店として再建を果たしました。
地震10年に合わせて、『ほうじ茶プリン』を試作中で、4月2日に発売予定です。
苦難を乗り越えた益城プリンはさらにあたたかく優しい味になり、人々をひきつけています。
熊本地震からまもなく10年、4車線化は完了しましたが、町中心部の土地区画整理は続き、事業完了は再来年度の予定で、復興の歩みは続きます。