アメリカのトランプ大統領が日本にホルムズ海峡での船舶の護衛を求める中、高市首相はどのような判断を下していくのか、フジテレビ・高田圭太政治部長と見ていきます。

宮司愛海キャスター:
まず、トランプ大統領ですが、自身のSNSで日本や中国など5カ国に対して船舶の派遣を求めました。そして、15日には船舶の護衛に向けて7カ国と協議中だと明らかにしました。その中で、イギリスメディアによると、中国に対しては、船舶の派遣に協力しなければ3月31日から予定されている中国訪問を延期する可能性があるということです。

青井実キャスター:
中国には脅しともとれる要請ですが、トランプ大統領の狙いはどうみますか?

SPキャスター・岩田明子さん:
やはりトランプ大統領特有の駆け引きだと思いますが、踏み絵ですよね。イランをとるのかアメリカをとるのか、どちらをとるんだという踏み絵のように見えますね。

宮司愛海キャスター:
そして、16日の国会でも高市首相はこの件について聞かれています。まだアメリカから求められておらず、過程のことにはお答えしにくいとした上で、「日本の法律の範囲内でどのように日本関係船舶および乗員の命を守っていくか、何ができるかを検討中」と答えました。

青井実キャスター:
過程だから言えないということで、もちろん色々考えられていると思うのですが、日米首脳会談でも艦船の協力を求められることも考えられるわけですが、日本は立ち位置をどのようにしていくんでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
高市さんが言っている日本関係船舶と乗員の安全、そして、原油の安定供給というのは日本にとって生命線ですので、それを守るためには日本もできることはしますよというのが基本姿勢で、その上で艦艇というアメリカのトランプ大統領が目指すところまでいうかの是非は別として、基本はそこですね。

宮司愛海キャスター:
もし、日本が協力するとなった場合にどのような可能性が考えられるのか、まとめてみました。
1つ目は、平和安全法制に基づく存立危機事態に認定するということ。こうなりますと集団的自衛権を行使でき、停戦前の状態での機雷の掃海などで除去することも可能だということです。
2つ目は、平和安全法制に基づく重要影響事態に認定をするということ。これはアメリカ軍などの後方支援でタンカーの護衛や、アメリカ軍の艦船への給油などが行えるということです。
3つ目は、自衛隊法に基づく海上警備行動です。これは日本関連の船舶の護衛や警備で、この海上警備行動は威嚇射撃も行えるということです。

青井実キャスター:
これはあくまで3つの可能性の話で状況がそれぞれ違うわけです。まず、存立危機事態についてどうでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
機雷の掃海というと、かつて湾岸戦争後にもやったことがありますし、それほど軍事力の行使にはつながらないように見えるんですが、停戦前の機雷の掃海というのは軍事の世界では事実上の武力行使に等しいんですね。ですので、そこまで踏み込むのは政府内でもさすがにちょっと無理だろうと、そこはないという見方が大きいですね。

宮司愛海キャスター:
そうなると憲法9条では武力行使に関して厳しい制限もありますが、そういったところも歯止めになるということなのでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
そうですね。平和安全法制というのは憲法9条の許す本当にギリギリのところで整合性を持たせたというものですので、その限定というのは一定程度、歯止めにはつながっているというのは、今回の議論の中でもいえるとは思います。

青井実キャスター:
まず存立危機事態の認定についてはハードルが高いと、そして2つ目、重要影響事態の認定の可能性はどうでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
重要影響事態については政府関係者によると、本当にそれニーズがあるのかということですね。理論上はもちろん可能ではあるんですが、米軍が現時点で後方支援などでの給油を求めていませんし、安全性的にも海域より離れた場所といいますが、どこまでなのか。攻撃を受けた時に重要影響事態という中でどうするのかという課題もあるので、これも簡単ではないし、ニーズがない段階で本格検討するのはどうかというところです。

青井実キャスター:
では3つ目、海上警備行動ですが日本の艦船を守る警備行動はどうでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
当初、一番可能ではないかという見方もあったんですが、16日に高市首相が国会の答弁の中で、相手国として国に準ずる組織がある場合にはこれは無理だという見方を示していまして、政府内でも、今回も自衛隊法の中では厳しいんじゃないかということで、現時点で3つとも政府内では慎重論がありますね。

宮司愛海キャスター:
そうなると気になってくるのが、各国がどうするのかです。まず、中国メディアによりますと、多くの国に呼びかけているものの支持する反応を得られていないと報じていると。そして、海外メディアによると、イギリスは様々な選択肢について協議をするという報道があります。韓国も慎重に判断するという姿勢。そんな中、イタリアのメローニ首相ですが「イラン攻撃は国際法の範囲外」と、加わらないということを言っています。
こう見ていくと、日本としてはアメリカとの同盟関係を保ちつつ、念頭に置きつつ、どういう立場をとるかという難しい岐路に立たされているということなんでしょうね。

フジテレビ・高田圭太政治部長:
これも政府関係者に聞くと、各国がこれだけ慎重な中で、いくら同盟国とはいえイランとも日本悪くない中で、日本だけが踏み込むのがいいのかどうかという議論があると思うので、今後はギリギリまで各国の動向を見極めた上で判断をするということになるんだと思います。

青井実キャスター:
トランプ大統領が協力を求める一方で、イランのアラグチ外相はアメリカメディアのインタビューで「船舶の安全な航行について我々と話し合いたい国には門戸を開いている」と述べ、協議を望む声との対話に前向きな姿勢を示しているわけですが、日本がイランと話し合う可能性はどうでしょうか?

SPキャスター・岩田明子さん:
日本はイランと非常に伝統的な友好国で、2019年にアメリカとイランが対立した時も41年ぶりに首相が行って仲介外交をやっているわけです。その時にアラグチ外相は担当者でしたし、当時のロウハニ大統領というのも今いるわけですから、日本側はこういったパイプを生かしながら、例えば核の保持であるとか、高濃度ウランの希釈カードを持っているかというのを引き出していく役割はあるかと思います。

青井実キャスター:
ただ、3月19日に日米首脳会談がありますが、高市首相とトランプ大統領はどういうふうに話し合いを進めていくのかですね。

SPキャスター・岩田明子さん:
トランプ大統領の要求にどう応えるかが問題だと思うんですが、各国の国際社会での役割というのが何となく見えてきたところで、日本の立ち位置で何ができるかにフォーカスして考える必要があると思います。

青井実キャスター:
日本の中東エネルギーの恩恵もあるし、日米同盟もあるし、日本の平和国家としての立場もあるし、その辺りどういう立ち位置で行くべきなんでしょうか?

フジテレビ・高田圭太政治部長:
最悪はトランプさんを怒らせることだ、というのが日本政府の中でもあり、トランプさんを納得させる中で、日本の法律ではここまでが限界ですがこういったことはできますよ、というのをどんな言い方で言うかについては、今まさに検討中で悩んでいるところだと思われます。