雪景色が広がる石川県小松市の田園地帯にいるのは、石川テレビのHUBEATアンバサダーの彦摩呂さん。石川県民がいとおしいと思う「食」を訪ねる人気コーナー。今回は、視聴者から寄せられた一通のお便りがきっかけとなった。

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『私は甘党なので、県外の人が石川県に来たら食べてほしいのは和菓子です。たくさんありますが、『河田ふたば』さんの豆大福をぜひ食べてほしい』
「大福大好きなんですよ」と語る彦摩呂さんの期待を胸に、一行は小松市にある和菓子店へと向かった。

幻の餅米「しわもち」と名水が生む絶品豆大福

河田ふたばは創業から70年以上の歴史を持つ和菓子店だ。店内には、さまざまな和菓子が並んでいる。

「うわー、お邪魔しまーす」と店に入った彦摩呂さんの目に飛び込んできたのは、まさにお目当ての豆大福だった。「もう目の前に豆大福が!」と興奮する彦摩呂さんだったが…「今日は、せっかくここに来たということで、河田ふたばのお菓子作り見学ツアーを開催しまーす!」都言うことで、大福を味わうのはのちほど…。

「幻のもち米」が生み出す唯一無二の食感

普段は見ることのできない製造現場へ。河田ふたば三代目の宮向健也さんが笑顔で案内してくれた。製造現場では、四代目の智哉さんがあんこ作りの真っ最中だった。

まず見せてもらうのはお餅の方だという。「先にあの、お餅のほう、蒸し上がったお米、ご覧いただきたいと思います。」

三代目が紹介したのは「しわもち」という特別な餅米。「日本でもうちだけのお米と言われている餅米です」という説明に、彦摩呂さんも注目する。

蒸し器から取り出された餅米は、ふっくらと美しく蒸し上がっていた。「うわー、ふっくらだー!」と感嘆の声を上げる彦摩呂さん。

「食べてもらったら分かると思うんですけれども、とにかくきめが細かくて、伸びが素晴らしい」

「一般のお餅屋さんは、こういう餅つき機でついてお餅出来上がりっていうのが多いんですけれども、うちはこのあと、私自ら自分の手の感触で最後仕上げます」
二度づきと呼ばれるこの工程こそが、河田ふたばの豆大福を特別なものにする秘密だった。

最初に機械でついた状態のお餅を試食した彦摩呂さんは「あ、もっちり!」と良い弾力を感じた。しかし、三代目の手による二度目の餅つきを経たお餅は、まったく別物だった。

「えー、あ、もう触った感じがちょっと違うかも、きめが細かくなった感じ」

実際に口に入れてみると、その違いは歴然だった。「全然ちゃう、この歯触りがなめらか。全然切れない。」

お餅はどこまででも伸びていく。「引っ張ってもらったら、もう切れません。どこまででも伸びてきます」

この柔らかさの秘密は、日本でも河田ふたばしか使っていない「しわもち」という餅米と、三代目の熟練した技術の融合にあった。唯一無二の柔らかさを生み出すこの技術こそが、70年の歴史を持つ老舗の真骨頂なのだ。

名水で炊き上げるこだわりのあんこ

お餅の秘密を知った次は、あんこ作りの現場へ。四代目の智哉さんがじっくりと仕込んでいるあんこに、もう一つの秘密があった。

「地元に、平成の名水100選になっている『桜生水』という湧き水がありまして、その水を使って炊き上げることで、仕上がりの色がきれいで、キレいのいいあんこになることが分かって、それを使用してます」

「湧き水を使ってるのわざわざ?」という彦摩呂さんの問いに、四代目は「はい、そうです」と答える。

使用している小豆は北海道産、この地元の名水と組み合わせることで、河田ふたば独特の美しい色合いと上品な味わいのあんこが生まれる。

四代目がじっくりと炊き上げたあんこが完成すると、その美しさに一同感嘆の声を上げた。「うわー、すごーい!」「炊きたてですよー!」「もう美しいね」

できたてのあんこ。彦摩呂さんが味見をする。「うわー、なめらかさが見るだけで分かるね。」

「うん、程よい甘さ。小豆とこの砂糖のなんとも言えないバランス。このあんと、あのお餅が合わさったらどうなんの、これー」という彦摩呂さんの期待は最高潮に達していた。

親子で作り上げる手包みの豆大福

いよいよ豆大福の包み作業が始まった。三代目と四代目の親子が並んで、一つ一つ手包みで仕上げていく。

「もう二人で親子で作業されてるんですね」と感慨深げに見つめる彦摩呂さん。
「手包みですよ、手包みで。うわー」

三代目は言う。「もう一つ一つ、限られた数しか作れませんので、まあそこは、思い込めて作ってます。」

できたてほやほやの豆大福を手渡される彦摩呂さん。「え、いいんですか」「うわー、できたてですよー、あったかーい」

手に取ってみると、ずっしりとした重みがある。「まんまる、ずっしり重いですね。ほんとずっしりですよ。」

入城の言葉と共に…口に入れる彦摩呂さん。

一口食べた彦摩呂さんの表情が一変した。「おいしっ、滑らか!あんこもほどよい甘さ。めっちゃ美味しいこれ。いやぁ」

「この程よい塩加減が、このあんこの甘さをふーっと引き上げて、なんとも言えない、ほっくほくだよ」

「わー、おいしいー」という彦摩呂さんの満面の笑顔が、その美味しさを物語っていた。

特大サイズのホワイトマウンテン大福

豆大福の美味しさに感動した一行だったが、この日はさらに特別なお菓子が用意されていた。それが「ホワイトマウンテン大福」だ。

「これあのー、特大の四十グラム以上のいちごを使ったホワイトマウンテン大福っていいます」

通常でも28グラムという大きな4Lサイズのいちごを使用しているが、この日は滅多に手に入らない40グラム以上の特大いちごが入荷していた。

手に取った彦摩呂さんの驚きは尋常ではなかった。「うわー、ちょっとー、うわー、ソフトボール大会やん。でっかい」入荷があったときしかお店に並ばない幻の一品だった。

「え、かぶりついていいの?」という彦摩呂さんに「どうぞ」と答える三代目。
一口食べた瞬間、いちごの果汁があふれ出した。「洪水に気をつけてください」という三代目の警告通りの状況だった。

「いちごがみずみずしい、うんま!、うわ、おいしい!これ」

「この甘酸っぱいいちごジュースと、この上品なあんこの甘みがもう寄り添うように、めちゃめちゃおいしい。幸せ」

特大いちごの爆発的な果汁と、河田ふたば自慢のあんこが織りなすハーモニーに、彦摩呂さんは完全に魅了されていた。

親子で紡ぐ和菓子の伝統

取材の締めくくりとして、彦摩呂さんは感動を語った。
「もう何よりも感動したのは今日は、作る工程を見せていただいて。こだわりとこの親子鷹が、もうほんとにこのおいしさに結びついてるのがすごくうれしかったです。」

三代目、四代目、そして奥さんも含めた家族ぐるみでの和菓子作り。70年以上続く伝統の技術と、新しい世代のアイデアが融合することで、河田ふたばの和菓子は進化し続けている。

「いやいやいや、これからも末永くおいしいあのー、和菓子を提供してください」

多いときには一日800個も販売される、まさにお店の看板商品。四代目が修行に行って戻ってきたことで、あんこが自家製になったという河田ふたば。店では不定期で自家製あんこの量り売りをしているとのこと。

(石川テレビ)

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