加齢とともに訪れる目の機能の衰え。小さい文字が読みづらい…夕方になると見えにくい…など多くの人が経験することだが「日常生活は送れるから大丈夫」と考えているうちに、取り返しのつかない事態に至ることも。手遅れになる前に、その症状を知って予防につなげよう。
「病気の一歩手前」がアイフレイル
アイフレイルとは、加齢に伴い目の機能が衰え始めた健康な状態と、視覚障害の中間にあたる状態。夕方になると見えにくい、まぶしく感じるなど…日常生活は送れているものの“見え方”に違和感が出始めているのが特徴だ。
福井県済生会病院・新田耕治眼科部長は「アイフレイルは病気ではなく、病気の一歩手前の状態です。放置しておくとくと目が見えにくくなる病気になる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
視覚障害へと進む手前の、この段階で気づき適切に対処できれば、進行を防いだり遅らせたりすることが可能だという。
しかし、そのままにしておくとさまざまな目の病気につながる恐れが。
視力が良くても進行する緑内障
アイフレイルからつながる代表的な病気の一つが、視野が少しずつ欠けていく緑内障だ。
特に近視の人は緑内障になりやすく「20代から30代の若い世代でも発症する可能性がある」と新田医師。
福井県済生会病院・新田耕治眼科部長:
「目に栄養を与える水が自然に湧いていますが、年齢とともにこの網目が目詰まりしてきます。そうすると流れが悪くなるので、中に水がたまることで眼圧が高くなって、視神経をギュッ、ギュッと圧迫して神経が傷んでくる。これが緑内障です」

緑内障の最大の特徴は、その“気づきにくさ”にある。
初期のうちは、ほとんど自覚症状がない。
しかし進行してくると、視野の一部が霧がかったように少しずつ白っぽくなっていく。さらに進むと、全体的に見えにくさを感じるようになる。

怖いのは、視力が良くても症状が進行していることがある点だ。
また、急に眼圧が上がるタイプの緑内障では、激しい目の痛みや頭痛、吐き気、急な視力低下といった症状が出ることも。
この場合は、迷わず眼科を受診する必要がある。
早期発見のために…目に違和感なくても検診やセルフチェックを
自分では気づきにくい緑内障を早期に発見するために新田医師は「リスクに応じた定期的な検診を」推奨している。
新田医師は「近視が強い人は、20代からでも5年か10年に1回は眼科で緑内障の検査を受けるて欲しい」とする。

また、両親や祖父母、兄弟に緑内障の人がいる場合は、特に注意が必要だ。
「目が健康な人でも40代、50代で人間ドックや健康診断を受けてもらって、そのときに緑内障がないかどうかをチェックしするのだ大事」(新田医師)
“見えている今”こそ、確認しておきたい、病気の一歩手前の状態、アイフレイルのセルフチェック方法がある。
<アイフレイル チェック項目>
■目が疲れやすくなった
■夕方になると見えにくい
■新聞や本を長時間見ることが少なくなった
■食事の時にテーブルを汚すことがたまにある
■眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
■まぶしく感じやすくなった
以上の5項目のうち、当てはまるのが1つの人は直ちに問題があるわけではない。2つ以上の人はアイフレイルの可能性があるため、一度、眼科医に相談しよう。
