これまでTSSライクのコメンテーターを務めて頂いた保井さんのご出演が6日の放送をもって最後となります。

ーー印象に残っている場面などありますか。

【武蔵野大学・叡啓大学 保井俊之教授】
やはり2023年5月のG7サミット。各国首脳が並んで献花されたのが一番の思い出に残るシーンですね。

ーー保井さんには、幸せを追求していくウェルビーイングの視点など多くのことを学ばせていただきましたが、その原点には、2001年の同時多発テロに遭遇をした経験があったということですが。

■アメリカ同時多発テロに遭遇

【保井俊之教授】
私は自分では一度死んだと思っているんですけれども、2001年9月11日、ニューヨークのワールドトレードセンターの中で、実はその同時多発テロに遭いまして、周りで3000人ぐらいの方が亡くなっていったんですが、なぜか私は生き残ってしまったということですね。

ーー安井さんは当時、国際協力銀行開発金融研究所のワシントン駐在員として赴任をしていて、出張でたまたまニューヨークに行っていたということなんですね。

【保井俊之教授】
出張でたまたまエコノミストの大会に出ていて、そうしたら1機目が突っ込んできた。で、逃げて行ったら2機目が突っ込むのを見た、ということですね。

ーー想像を絶する体験ですね。その後、どのような日々を過ごされたのですか。

【保井俊之教授】
その後に 2年間ぐらい脳が凍った状態、 PTSD の状態だった。でもだんだんだんだんそれが解けてくると、なんでこんな目にあったのかなって。別にテロリストが憎いという感じじゃなくて、どうして、どういう因果でこうなっちゃったんだろうかって知りたいと思いました。

ーーそこから、現在のウェルビーイング研究につながっていくのですね。

【保井俊之教授】
いろいろ調べていくと、貧しさと暴力と復讐の連鎖が回っていて、この 9.11が 起こったんですね。じゃあそれを逆回しして、愛と感謝と平和という、そういうループにできないかなと思っていた時に、システム思考とかデザイン思考という、そういう考え方でそれが回せるよっていう風に学んだので。じゃあ世の中を幸せにするため、2度目の人生、後の人生はそれに使いたいなと思ったのがきっかけでした。

完全に私は変わりましたね。世の中の幸せを実現したい、そのための研究をしたい、皆さんと一緒に立ち合いたいって、そういう人生になってきました。

ーーウェルビーイングに近づく鍵として、「自己決定」と「学び続けること」をあげていらっしゃいますね。

■自分で選んだことが自分の幸せの原動力に

【保井俊之教授】
私の好きな広島の言葉で、「わしが選んだ道の果てじゃけえ」という言葉があるのですが、自分が選んだことこそ自分で進んでいける、やらされてるんじゃなくて、自分で選んだことが自分の幸せの原動力になるという考え方なんですね。そういうふうにして自分で選ぶ。そして生涯学び続け、成長し続ける。これが一番幸せの鍵になるんだと思います。

ーーアメリカとイスラエルのイランへの攻撃やロシアとウクライナの戦争、この辺りも踏まえて、今の国際情勢の中でウェルビーイング、幸せという考え方、ますます重要でしょうか。

【保井俊之教授】
人としての幸せ、それから国と国が戦争しないこと、同じウェルビーイングなんですね。そして、このウェルビーイングは自分で作ることができます。スキルなんです。ですので、幸せになりたいとか平和だったらいいなではなくて、自分たちで幸せをつくる、平和をつくる、というのをスキルを元にして作っていく。

そのために、広島から皆さんが立ち上がって、みんなで平和を作りましょう、ウェルビーイングを作りましょうっていう風にしていただけるといいと思いますし、私もそれを全力で一緒に歩んでいきたい。こんなふうに思っています。

少しずつ歩いていくこと。みんなと歩くと道は早いですよね。ウェルビーイングの道をみんなと歩きたい。そんなふうに思っています。

ーー保井さん、これまでご出演で本当にたくさんのことを教えていただきました。改めてありがとうございました。

※「ウェルビーイング」とは
ウェルビーイング(Well-being)とは、心身ともに満たされた「幸せ」な状態を指す概念です。単に病気や怪我をしていないだけでなく、生きがいや社会とのつながり、人間関係なども含めた包括的な「豊かさ」を意味し、SDGsの根幹やビジネス現場でも注目されています。

テレビ新広島
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