アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃から7日で1週間を迎えます。

次のリーダーに有力視されていたハメネイ師の次男に、トランプ大統領が「No!」を突き付けました。

後継者選びや今後の戦況について、国際取材部の佐々木亮デスクと見ていきます。

トランプ大統領が具体的にどのような発言をしたのか。
5日、アメリカメディアのインタビューの中での発言です。

ハメネイ師の後継者の有力者の1人、次男のモジタバ師に関して「私には受け入れられない」「調和と平和をもたらす人物が必要だ」と主張しています。

また「私が任命に関与する必要がある」との見解も示しています。

青井実キャスター:
なぜトランプ大統領は「No」なんでしょうか?

佐々木亮デスク:
まずトランプ大統領は、そもそも一番最初は体制の転換を目標に掲げていたんですが、その後、次の政権は今の体制の中から選ばれる人物が望ましいと方針が変わり始めています。ただ今の体制から選ぶといっても、強硬派だったハメネイ師の方針とは異なる考えを持つ人物が適格者だと考えています。その意味で、ハメネイ師の次男は不適格だと宣言したという形になります。

青井実キャスター:
トランプさん、いろいろリクエストしてきますね。

SPキャスター・中村竜太郎氏:
世界の世論からみんなそう思っていると思いますけど、内政干渉じゃないですかという話ですよね。やっぱり国のシステムを外部の国が強制的に変えようとするのは、首をかしげる話じゃないですか。やっぱりトランプ発言は今回イランの国民に相当な反発を招くと思いますね。

トランプ大統領が「No!」と突き付けているモジタバ師はどんな人物なのかといいますと、現在、年齢は56歳です。

父親がハメネイ師なわけですが、政府の公職経験はありません。

ただ最高指導者の次男ということで、大きな影響力があり、イラン革命防衛隊との関係も非常に深い人物です。

青井実キャスター:
トランプ大統領が何を言おうが、モジタバ師が就任する可能性は高いんですか。

佐々木亮デスク:
モジタバ師はターバンがありますように聖職者ですので、その資格があります。その上で、37年間トップにいたハメネイ師の側近ですので権力の基盤もあります。ただ普通は、血縁者や世襲というのはそもそも今のイランイスラム革命体制は世襲であった王制を倒してできた政権ですので、こうした世襲というのは本来は歓迎されないんです。実際にそういった批判を避けるためか、モジタバ師は金曜礼拝や政治的な演説はほとんど公の場ではしていないんです。それでも彼の名前が有力な候補として挙がってきたのは、ハメネイ師を支えてきた革命防衛隊などの強硬な勢力が今も国内で非常に強い力を持っている証しなんだろうと思います。

青井実キャスター:
有力候補として挙がっているけれども、トランプ大統領は「私が任命に関与する必要がある」というコメントですが、どうしても口を出したいということなんですね。

佐々木亮デスク:
トランプ氏の頭の中には、ベネズエラというモデルを目指しているところがあるんだと思います。ベネズエラでは、アメリカに拘束されたマドゥロ氏に代わって就任したロドリゲス氏が今アメリカに協力する姿勢を示して外交関係が回復するまでに両国関係が良くなっています。ただ、トランプ氏が今回最高指導者の任命に関与する、もしくは影響力を与える余地はないんですが、一方でベネズエラと同じようにイランに対して反米路線を変えるリーダーを選べということを促しているというところが狙いになると思います。

では、イラン側はどうなのか。
アメリカの介入についてイランのアラグチ外相は5日、アメリカメディアのインタビューの中で「誰が選ばれるかは誰も知らない」「これはイラン国民の問題で誰も干渉することはできない」と述べており、つまりはトランプ大統領も干渉できないということを言っています。

青井実キャスター:
後継者が選ばれれば事態は収束するんだというわけではないですよね。

佐々木亮デスク:
後継者が今後どういうふうに選ばれていくかですが、最高指導者は聖職者88人の専門家会議での投票で決まります。ただ、その専門家会議がつい先日も攻撃を受けて、さらにイスラエルが次期最高指導者をすぐターゲットにすると言っていますので、選ばれたらすぐに暗殺の対象になるリスクがあります。したがって、イランとしては当然早くリーダーを決めたいところはありますが、一方でその決定を先送りして、それまでは今の暫定的な臨時評議会や亡くなったハメネイ師が信頼していた人物による集団的な指導体制でまずは政権を運営していく可能性が出ている感じですね。