旧統一教会への高額献金を巡り、教団が去年10月に設置した補償委員会に対し、334件の請求があり、これまで11件、あわせておよそ1億6000万円が返金されたことが分かりました。

(※先月24日時点。委員会側はさらに1件の返金が近日中に決定する予定と説明。)

しかし、このうちおよそ1億円は関西に住む1家族に対しての返金だということで、専門家は対応の遅さや返金額の少なさを批判しています。

教団を巡っては、東京高裁が解散命令請求に関する判断を示すのがあす=4日に迫っています。

■旧統一教会の「補償委員会」11件・およそ1億6000万円を返金

旧統一教会を巡っては、2022年の安倍元総理銃撃事件以降、高額献金被害などの問題が改めて注目され、被害を訴える元信者らによる「集団調停」が東京地裁で進んでいます。

一方、教団はこれとは別に去年10月、外部の弁護士で構成され、献金被害者の補償の可否などを判断する「補償委員会」を設置。

その後、この委員会には先月24日までに334件の申告があり、このうち11件で返金が決定したことが補償委員会への取材で分かりました。

返金が決まった11件のほかに10件が「本審査」を受けている最中だということで、補償委員会は「主張の具体性や、裏付ける証拠の有無、家庭連合への献金記録の調査などに基づき補償を決めた」としています。

■「いまだに11件しか成立していないのは驚き」被害対策弁護団の弁護士は批判

この状況について、被害救済のために活動してきた「全国統一教会被害対策弁護団」は、厳しく批判しています。

【全国統一教会被害対策弁護団 阿部克臣弁護士】「非常に金額・人数ともに少なくてびっくりした。『春には解散命令の高裁の決定が出る』というスケジュールもある程度出ていた中で、補償委員会としても審査をスピーディーにやって、支払いをしていると思っていたが、いまだに11件しか成立していないのは驚きだ」

その中でも阿部弁護士が懸念しているのが「補償金額の少なさ」です。

1億6000万円の返金の内、1件は関西に住む1家族へのおよそ1億円であることが関西テレビの取材でわかりました。

つまり、残り10件であわせて6000万円あまりの返金と考えられます。

阿部弁護士は、元信者が弁護士を介さずに補償委員会とやりとりすることで、請求金額そのものが被害の実態よりも少なくなってしまった可能性があるといいます。

【全国統一教会被害対策弁護団 阿部克臣弁護士】「いきなり請求すると手元にある購入品だけに限られてしまうことにもつながりかねない。旧統一教会は、現金で払わせて領収書を出さず、『払ったものは忘れなさい』という教え込みをするため、(本人には)記憶すらない場合もある。弁護士が被害の聞き取りをして整理すると、請求金額は本人の記憶の何倍にもなるケースもある」

■補償委員会を設立した旧統一教会の狙いは

さらに、「旧統一教会の狙いは、あす=4日に判断される解散命令を前にした改革姿勢をアピールにあることにある」と指摘します。

【全国統一教会被害対策弁護団 阿部克臣弁護士】「補償委員会が設置されたのは去年10月下旬。去年11月21日が、国と統一教会側の最後の証拠の提出期限で、統一教会が最後の主張・立証をするチャンスだった。補償委員会を立ち上げ、体質改善をアピールする狙いが大きかったのだと思う」

■4日には東京高裁が解散判断

旧統一教会は、補償委員会を「法を超えた救済」を掲げ、設置しました。

東京地裁は去年、教団に対し解散を命じていて、東京高裁も解散命令を支持すれば、宗教法人としての教団は解散し清算手続きが始まります。

補償委員会は4日に解散命令が出れば教団との委任契約のため、裁判所が選任する「清算人の判断に従うことになる」とし、解散命令が出なければ、今月末まで申請を受け付けるとしています。

【全国統一教会被害対策弁護団 阿部克臣弁護士】「解散命令が出てもすぐに法人が無くなるわけではなく、解散までのプロセスが必要になる。清算手続きが始まり、清算人の弁護士が選任され、裁判所の監督のもと手続きを行い、長いと10年近くかかり、それがすべて終わって初めて法人が消滅する。

たくさんの人に被害を与えてきた法人は、被害者に財産を分配することがもっとも大きな仕事になるので、支払いを受けられるチャンスはまだまだ十分にある」

(関西テレビ 3月3日)

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