いまや大学生の3人に1人が利用している奨学金。一方、金融政策の見直しで金利が上昇するなど返済への不安を抱える学生もいる中、企業や自治体の支援制度が拡充しています。その背景とは?
子供たちにとって大きな挑戦とも言える大学入試。
国公立では2月27日までに前期日程が終わり、受験シーズンもいよいよ大詰めです。
都内の大学に進学予定:
都会にあるキャンパスなので、大学の空き時間に都心に行って友達と遊ぶのが楽しみ
県内の大学に進学予定:
保育士になりたいので保育の勉強を頑張りたい
県内の大学を志望:
楽しいサークルに入るなど、1人暮らし楽しみたい
県内の大学を志望:
バイトをしてみたい(Q.どんなバイト?)塾講師とか
受験生は春からの新生活に心を躍らせる一方、ある懸念も…
県内の大学を志望:
僕は1人っ子ではなく下に妹がいるので、そっち(妹)にもお金がかかるため、少しでも僕にかかるお金の負担を少なくしようと奨学金を借りたい
県内の大学に進学予定:
できたら返さなくてもいい奨学金の方がいいが…返せるのか不安
県内の大学に進学予定:
早めに返さないと利息がついてしまう。早めに返せるように貯金していきたい
いまや大学生の3人にひとりが利用していると言われる奨学金。
日本学生支援機構が運営する奨学金は現在3種類。
返済が不要な給付型、利子のない貸与型、そして利子のある貸与型です。
2024年度の利用者は全体で143万人。
中でも利子が必要な奨学金を利用している学生は62万人に上っています。
一方、国内における金融政策の見直しは奨学金にも影響を及ぼしていて、返済期間中の金利が変わらない固定方式の場合、2022年の3月には約0.4%だった利率が2026年1月の時点で2.512%にまで跳ね上がりました。
返還利率は貸与を終えた時点の金利が適用されることになっていて、大学生が借りる奨学金の平均額である336万円で試算すると、4年前の卒業生と比べて返済額に80万円近い差が生じる状況となっています。
アルミ建材の開発や製造・販売などを手掛ける静岡県静岡市駿河区の理研軽金属工業。
この会社では2024年から奨学金返済の支援制度を導入していて、図面やデータの作成を担当している8年目の村山建至さんも利用者のひとりです。
理研軽金属工業・村山建至さん:
制度を読み負担額を考えたら、ほとんど会社が払ってくれるなと。登録する以外は選択肢がないと、うれしいという心境だった
理研軽金属工業では250万円を上限に従業員の奨学金の返済を肩代わりしていて、総務人事課の海野有紀さんは社員が安心して働くことができる環境を作るため、制度の設立を社長に提案しました。
理研軽金属工業 総務人事課・海野有紀さん:
20年など返済期間が本当に長く、毎月1万5000円くらいを返し続けるという借金のようなものなので、そこに関しては漠然とした不安がある。それを支援制度で解消してくれるところが社員の安心にもつながるのではないかと思い、始めた
理研軽金属工業・村山建至さん:
経済的にはすごく楽になり、経済的に楽になると精神的にも楽になったので、だいぶ余裕を持って生活できるようになった
今のところ応募者数の増加など目に見える成果は出てはいないものの、就活生の反応は良いと話します。
理研軽金属工業 総務人事課・海野有紀さん:
製造業という部分、会社名を知らないという部分で学生がスルーしてしまうが、奨学金返済制度があるとアピールすることによって学生が着座してくれたり、声をかけてくれたりする機会が結構増えたので反響としては結構大きいと思う
県も企業の魅力向上や人材確保に向けてこうした支援制度を後押ししていて、採用した従業員の奨学金を代理で返済した場合、負担額の3分の2を助成する制度を2025年新設。
すでに牧之原市と菊川市では運用が始まっていて、上限額は1人あたり年間8万円、最長で5年間となっています。
また、静岡市では中小企業だけでなく、大企業も対象とする独自の制度を取り入れました。
静岡市商業労政課・岡村萌香さん:
静岡市は大きな企業も小さな企業もあるが、どこの企業も規模にかかわらず人手不足が課題と聞いている。こうした中で静岡市と市内企業が一緒に協力して、静岡市で働きたい若者を応援するということを通じて、市内企業の採用力の向上や人材不足の解消につなげていきたいと考えた
理研軽金属工業も静岡市の制度を活用する予定で、助成によって“浮いた”資金を住宅手当など福利厚生の充実や採用活動のさらなる強化に回していきたい考えです。
理研軽金属工業 総務人事課・海野有紀さん:
県外の学生、東京の方が学生数も多いし、奨学金を借りている人も多いので、静岡市の制度もあるというところもアピールすることができるので、差別化というか「静岡に来るといいことあるよ」とアピールすることができると思う
学生が将来を考えるにあたって不安要素の1つとなっている奨学金。
若者から選ばれる企業や自治体を目指して負担軽減の動きが今後も広がっていくのか注目されています。