静岡県内で農業について専門に学ぶことができる高校は現在6校。そのうちの1つが南伊豆町にある下田高校南伊豆分校だ。ただ、県教育委員会が突如として閉校の方針を示し、いま揺れている。
突然の方針転換に怒り
伊豆半島の最南端に位置する南伊豆町。
この地域で唯一、農業を専門に学ぶことができるのが下田高校南伊豆分校だ。

ただ、いま“ある問題”で揺れている。
これまで、静岡県教育委員会は2年続けて志願者数が“一定のライン”を下回った場合に再編を検討するとしていたが、県の財政難を理由に2029年度末をもって閉校することを決めたからだ。

これには南伊豆町の岡部克仁 町長も「(県内には)他にも分校があり、生徒数が南伊豆分校よりも少ない学校はあるのに、そこが“標的”にならず、南伊豆分校が対象になったことは理解が出来ない」と憤りを隠せない。
農業の担い手育成と地域貢献の場
農業に携わる担い手を育成する場であるとともに、地元の小中学校などと連携しながら 子供たちの農業体験にも貢献してきた南伊豆分校。
生徒たちは年間10種類以上の野菜を育てながら農業に関する基礎的な知識を身につけ、杉浦将平 先生は「この学校に来ることができて救われている子供もいる」と話す。

開校から約80年ということで地域にも根ざしていて、毎年多くの人が楽しみにしているのが年明けに行われる農芸祭。
生徒たちが育てた自慢の野菜は大人気だ。

閉校の方針が発表されたことを受け、会場では存続に向けた署名活動も行われた。
これまでに8000筆以上が集まっていて、署名したひとりが「農業を勉強するということはすごく素敵なこと」と話せば、自身もOBという男性は「農業をやりたいという子供たちにとっても、こういう学校が無くなるというのはとても苦しいことだと思うので、存続してほしい」と口にする。
少子化と学校再編 適切なバランスは?
2025年12月には岡部町長などが県庁を訪れ、教育長に対し方針を見直すよう直談判した。
伊豆半島の南部は人口減少が著しく、地元に高校が無くなれば、若者の流出に拍車がかかるおそれがあるからだ。

岡部町長は「今回の進め方、県の進め方は納得できない。是非、もう一度、住民やみなさんの意見を聞いてほしい」と力を込める。
少子化によって全国で進む学校の再編。
一方で、地域特有の事情や住民感情がある中で統合や閉校のバランスをどのように取っていくのか…県には重い課題が突き付けられている。
(テレビ静岡)
