滋賀県大津市で担当の保護司の男性を殺害した罪などに問われた男の裁判員裁判で、大津地方裁判所が「無期懲役」の判決を言い渡しました。
飯塚紘平被告は保護観察中だった2024年5月24日、滋賀・大津市で担当の保護司だった新庄博志さん(当時60)の胸や首などをナイフと斧で、複数回突き刺して殺害した罪などに問われています。
8年前の強盗事件で執行猶予の判決を受け、その更生支援中に保護司を殺害するという凶行に走った飯塚被告。
被告人質問では…
【飯塚被告】「血を見てパニック『ハーーッ』って。どこを刺しているかもわからない」「止まりませんでした」
新庄さんは、切り付けられる中、「やめとけ、なんでこんなことするんや、社会に戻るんやろ」と最後まで説得しようとしたといいます。
■保護司とのやりとりは「茶番」
飯塚被告は、起訴内容を認めましたが「守護神様の声に従ってやりました」
飯塚被告の責任能力と量刑も争点となった裁判。飯塚被告は、新庄さんに恨みは一切なかったとした一方で、保護司制度への不満を口にしました。
【飯塚被告】「保護司とのやり取り、面談も茶番と感じていてやり過ごすもの。(保護司との)面談の場で殺害することによって世間から保護観察とか面談が良くないと思われる」
飯塚被告に対し、被害者参加制度を利用した新庄さんの妻がこう呼びかけました。
【新庄さんの妻】「飯塚くん、あなたと笑いながら食事をしたり話した時間を思い出してください。夫もあなたとの時間を楽しんでいたと思います。あなたにとっては、そんな時間も意味のない”茶番”だったというのでしょうか」
■「被害者を国への八つ当たりの道具として利用した」
そして迎えた、きょう=2日の判決。
【谷口真紀裁判長】「主文。被告人を無期懲役に処する」
大津地裁は「凶器を持ち帰る、首を切り落とそうとしたなど、冷静さも持ち合わせていた」と飯塚被告に完全に責任能力があったと認めました。
その上で、新庄さんを殺害した経緯について、「落ち度がないばかりか、個人的に恨みのない被害者を国への八つ当たりの道具として利用した」などとして求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。
判決の言い渡しを飯塚被告は、前を見つめたまま、小さくうなずく仕草をして、聞いていました。
■かつて新庄さんの支援を受けた男性「社会で結果を残すことが僕のやるべきこと」
かつて新庄さんから更生の支援を受け、きょうの判決を傍聴していた谷山真心人さん(28)は「罪と向き合ってほしいなと思います。僕が、新庄さんしかり、いろんな人が喜んでもらえるような生き方をして、社会で結果を残すことが僕のやるべきこと。かく見守っててほしいなと思って、新庄さんに手を合わせに行きたい」と話しました。
制度そのものが見直されるきっかけになった今回の事件。罪を犯した人たちを更生する立場にある保護司の安全をどう守るか、今も問われています。
(関西テレビ「newsランナー」2026年3月2日放送)