北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が核兵器の数を増やすと宣言。
その脅威や思惑について、27日はフジテレビ・中本智代子解説副委員長と見ていきます。

遠藤玲子キャスター:
核兵器の数を増やすという金総書記の発言は、5年に一度開催される北朝鮮の最高意思決定機関である「朝鮮労働党大会」での発言でした。
その中で、核戦力を中心とする抑止力が飛躍的に強化されたなどの理由で、総書記に金総書記が再任されたわけなんですが、北朝鮮メディアによりますと、「核保有の地位を徹底的に行使することは我が党の揺るぎない意思だ」と強調したうえで、核兵器の数を増やす、海軍の核武装化を進めるなど、新たな「5カ年計画」を発表しています。

青井実キャスター:
中本さん、核をどんどん増やしていくぞということでいいんですね?

中本智代子解説副委員長:
そうですね、この大会というのは5年に一度しか開かれないもので、これまでの5年こんなことをやったぞ、それから今後5年間こんなことをやるぞとアピールするとても大事な場なんです。
日本にとってみれば、自民党大会プラス総理の国会の所信表明演説プラス防衛大綱ぐらいのすごいところでこれをアピールした。
アメリカなどはもちろん核放棄を望んでいるんですけど、核を放棄するどころか増やすぞと言ったわけです。これは、数ももちろんですが、使い方もいろいろ工夫してくる、増やしてくるということを指しているのかもしれないですね。

青井実キャスター:
25日に行われた軍事パレードにはジュエ氏とされる娘も出席していたわけですけれども、映像から分かることはどういったことでしょうか?

中本智代子解説副委員長:
ジュエ氏なんですが、これまでも最近、貴重な大事なシーンに登場するので、この党大会で何らかの肩書が与えられたり、党大会そのものに参加するのではないかと注目されていたんですが、党大会には出席せず、肩書きも増えなかったんですが、閲兵式に出てきたんです。
この時に映像からも分かるんですけど、黒い革のジャケットとコート。
お父さんとおそろいのようなものを着ていて、後ろにいるのがお母さんのリ・ソルジュさんなんですけど、彼女とは違う装いっていうので、立ち位置ですね、お母さんが一歩引いているのに娘と父親が前に立つ。
閲兵式の時にも最前列にいたのはお父さんの金総書記と娘だったんですね。これが彼女の立場を表しているのではないかなと思います。

青井実キャスター:
あと、もう一度戻りますが、核を増やしていくという思惑はどう分析されますか?

中本智代子解説副委員長:
もちろんカードなんですね、北朝鮮内に対して我々はこんな武器を持ってるぞというカードでもありますし、対アメリカのカードでもあるんです。
交渉の上位に立つためのカードでもありますし、まず主導権を握りたいっていうアピールでもあると思います。
ただ、トランプ大統領が3月の末に中国を訪問するので、それまではあまり具体的な手の内も明かさず様子見と、お互いに出方を見ている状態だと思います。

遠藤玲子キャスター:
ただ、金総書記はアメリカについて「侵略者」と呼んで対決姿勢を示す一方で、今回、「対朝鮮敵視政策を撤回するならアメリカと仲良く過ごせない理由はない」という発言もありました。
関係改善の余地があるとして、非核化を求めるアメリカ側に方針転換を迫っているという状況です。

青井実キャスター:
中本さん、仲良くできないわけではないということですかね?

中本智代子解説副委員長:
仲良くしてあげるよ、でも、できなくはないよと何なら上から目線的なんですけど、アメリカはもちろん非核化を求めているんですが、北朝鮮は手放す気は毛頭ないです。一度手にしたものを手放すということはあり得ないんです。ただ北朝鮮としてみれば、今、経済制裁でとても厳しい状況なのでその手は緩めてほしいと。ただ、核は譲りたくない。だから、対話には応じてもいいよ、仲良くしなくもないよという、主導権アピールのこういう言葉遣いになっていると思うんですね。
あと、もちろん北朝鮮は体制を保証してほしい。
3代続いた体制を保証してほしいというので、この党大会で新しい人事を見せたり、後継者をチラ見せ的なことをしてアピールをしているんですが、ベネズエラで起きたことがかなり衝撃だったと思うんですね。
別の国の大統領の誘拐というか拉致してしまうということが衝撃だったので、だからちょっとまた歩み寄りの姿勢も見せて、でもアメリカの思いどおりにはいかないよというバランスを見せています。

青井実キャスター:
柳澤さん、どうでしょう北朝鮮とアメリカ。

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
北朝鮮は核保有国としてアメリカと対等に対話したいということをメッセージで送ってきていると思うんですよね。かつてトランプ政権の第1期目に米朝の首脳会談がありましたけど、そういったことを念頭に置いたうえで、しっかりこっちを見てくれよと。トランプ大統領の頭の中には、アジアというのは今、中国以外目にないと思うんですよ。そこで何とか自分のことを見てほしいというメッセージが込められているような気がしますね。

青井実キャスター:
そういう意味では中本さん、トランプ大統領は北朝鮮と対話する気はあるんでしょうか?

中本智代子解説副委員長:
アメリカのトランプ大統領は昨日、一般教書演説で108分という最長の演説をしたんですけど、中国、北朝鮮、韓国には一切触れなかったんですね。これはもちろん、訪中を前に触れないというのもあったんですけれども、そもそもアメリカの大手メディアもいわゆる“べた記事”でしか報じていないんですね、解説とかしてなくて。アメリカ国民にとってそんな重要視されていない、あまり興味がないことなので、そうすると、トランプさんの中間選挙に向けた意味でもメリットがない。つまり、イランを優先して、もちろん北朝鮮と対話をしたいんですが優先事項ではない。

青井実キャスター:
柳澤さんどうでしょう、訪中するわけで、そのあとにあったりとか可能性も。

SPキャスター・柳澤秀夫氏:
そのあと11月3日の中間選挙に向けて、トランプ大統領にとって北朝鮮のカードを使ったほうが自分に追い風になる、支持が上がるというふうなことを判断すれば、これはこのカードを切ってくると思います。

青井実キャスター:
日本としての立場ですが、中本さん、北朝鮮の核保有をやめさせて拉致問題の解決もあるわけで、その辺りはどう見ていきますか。

中本智代子解説副委員長:
そういう意味ではトランプさんにぜひ、金正恩氏と会談してもらって、日本の立場をトランプさん経由で伝えられると一番いいんですね。日本は今、そんなに強いパイプが北朝鮮とないので。ぜひトランプさんとの会談を実現させてほしいと思っていると思います。