東京の目黒駅から2駅の人気エリア、「武蔵小山」で起きたのは“地上げ”をめぐる放火事件でした。
立ち退きに応じなかった住宅を放火しようとしたなどの疑いで、不動産会社の社員・内藤寛己容疑者(31)ら6人の男が逮捕されました。
東京・品川区の武蔵小山は、タワーマンションの建設など再開発が進む一方で、昔ながらの商店街も残る人気の地域です。
地元住民からも「目黒駅まですぐ。アクセスがいい。横浜方面も一本」「近所付き合いもあったり、町会とのつながりが強かったりするので住みやすい」という声が聞かれました。
現場となったのは東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩5分の好立地。
内藤容疑者らは2025年10月、一軒家を放火しようとした他、翌月にはすぐ近くにある、人が住んでいないアパートにガソリンをまいて放火した疑いが持たれています。
その目的は、何だったのか。
内藤容疑者は、このエリアの土地買収“地上げ”を担当。
立ち退きに応じない一軒家の男性を脅すことにより、立ち退かせる目的で実行役に近隣アパートへの放火を指示したとみられています。
再開発が進む武蔵小山では土地の価格が急上昇。
地元の人は「60平米でも1億円は超えますし、3DKとかだと1億5000万円。(都内でも)トップクラスで単価が高いエリア」と話します。
地元の不動産会社によると、武蔵小山周辺の坪単価は400万円から500万円で、この10年で2倍になったといいます。
中でも、事件現場のエリアは“駅チカ”の1等地です。
近隣で働く人からは「この間、この裏の土地が坪660万円で売れていたのを見てすごいなと思った」という声が聞かれました。
地元の不動産会社も「あそこ場所がいいので、地価が上がるのは絶対分かっていた。みんな欲しいんですよ。交渉しても、どいてくれないから嫌がらせ的に火をつけたのでしょう」と話します。
実際、マンションの建設計画を聞き、立ち退き交渉に応じた人もいます。
立ち退いた住人は「6階建てのマンションを建てるという話があって出て行きました」と話します。
一方で、今回の放火事件について近隣住民からは「『地上げ屋によって放火されたんじゃないか』みたいなことがうわさであった。『早く出て行ってくれ』とプレッシャーをかけたんじゃないかと」という声も。
警視庁は20日朝、内藤容疑者が勤務する不動産会社を家宅捜索。
動機の解明を進めています。