連日熱戦が続くミラノ・コルティナオリンピック。日本時間の20日、現役最後のオリンピックに挑んだ女子フィギュアスケート・坂本花織選手が銀メダルを獲得しました。
坂本選手の足元を長年にわたって支えてきたスケート靴のメンテナンス職人・田山裕士さんにスケート靴のメンテナンスの裏側や坂本選手とのエピソードを聞きました。
田山さんは48年間にわたってスケート靴のメンテナンスに携わってきた大ベテラン。
坂本選手とは小学生のころから15年近い付き合いがあり、今回のオリンピックでも彼女の足元を支えたといいます。
■坂本選手について「テレビで見るそのまんまの子。元気な子」
田山さんは坂本選手について「テレビで見るそのまんまの子で、『ワハハ、ガハハ』と笑ってるし、すごくうるさい。うるさいというとあれですね…元気な子です」と話します。
坂本選手を「やかましい太陽」と表現した“りくりゅう”ペアについて聞かれると、「いやもうほんとそうですね。うまいこと言うな。本当に『やかましい太陽』ですね」と田山さんは笑顔で頷きます。
■坂本選手の銀メダル獲得を支えたメンテナンス作業とは
田山さんのメンテナンスは、「シャープニング」と呼ばれるブレードのエッジを研ぐ作業と、靴とブレードを取り付ける作業があり、田山さんによると、靴とブレードを取り付ける作業は「難しい作業」だと説明します。
【田山裕士さん】「彼女(坂本選手)の場合、試合前に研ぐ作業とネジのチェックもしていて、1月26日に(作業を)やって送り出した」
この調整が、坂本選手の銀メダル獲得を支えました。
■ペアで金メダルを獲得した三浦璃来選手の靴も担当
田山さんは坂本選手だけでなく、ペアで金メダルを獲得した三浦璃来選手の靴も担当しています。
【田山裕士さん】「璃来ちゃんの場合は拠点がカナダなので、年に1回、全日本選手権かNHK杯、長期に日本にいる時に新しい靴をセッティングして、それを今回オリンピックで使ってるんじゃないかと思います」
ショートプログラムで5位につけた三浦選手について、「えーっと思いましたけど、(その後フリーで)歴代最高得点で大逆転、すごくかっこいい勝ち方をしてくれたんで。すごく感動しました」と田山さんは振り返ります。
試合後、すぐに「おめでとう」とメッセージを送ると、「ありがとうございます」という返事が来たそうです。
■今回の五輪で4位入賞を果たした千葉百音選手も担当
さらに、田山さんは今回の五輪で4位入賞を果たした千葉百音選手も担当しています。
【田山裕士さん】「メダルには届かなかったですけど、あの子もオリンピック初めてなんで、緊張したやろなと思いつつ、でもミスなく終わってるんで、頑張ったんじゃないですかね」
■選手によって全く異なるスケート靴の仕上げ作業
スケート靴の仕上げは選手によって全く異なるといいます。
【田山裕士さん】「花織も璃来も全然個性違うんで、スケートの研ぎ方も違いますし、足の癖も違うので、マウンティングも違います。すべての選手、個々個々に違うと思います」
調整は選手が滑っているところを見ながらすることも。
【田山裕士さん】「リンクのあるところでフィッティングするときは滑りながらっていうのもやりますし、大体陸上で合わせて、どうしても合わない場合は、スケートリンクまで行って合わせる時もあります」
今回、三浦選手の靴は、スケートリンクでも合わせたということです。
■「僕が見るとろくなことない」坂本選手の試合もテレビを消して応援
田山さんが担当する選手の試合は、リアルタイムで見ないのだそうです。
【田山裕士さん】「僕は大体ライブでは試合見ないんですよ。僕が見るとろくなことないんで。なぜか今日はアリサ・リウ選手のキス・アンド・クライぐらいのときに目が覚めて、テレビをつけたんですけど、『あ、今から花織や』と思ってすぐ消しました」
5分後に再びテレビをつけて結果を知ったということです。
現在66歳の田山さん。次のオリンピックでは70歳になります。
【田山裕士さん】「頑張って続けられていたら、サポートさせていただきますけど、まあそればっかりは…どうかなとは思います」
坂本選手へのメッセージを求められると、「おめでとうって言ってあげたい。花織おめでとう!」と笑顔で話しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!2026年2月20日放送)