新潟市にプロスポーツやコンサートが開催できるアリーナを…経済界が要望してきた構想が前に進み出した。新潟市がアリーナの新設を核としたスポーツ施設の再編を本格的に始めることを明らかに。これまでに新潟になかった施設をつくることで、市民・県民に“新たな楽しみ”を提供でき、街づくりとさらなるにぎわいの創出につなげたい考えだ。

『球技専用スタジアム』か『アリーナ』か…新たな施設を検討

新潟市中央区の市役所近くに位置する白山エリアは、新潟市体育館や新潟市陸上競技場など、スポーツ施設が集積するエリアだ。

新潟市中央区・白山エリア
新潟市中央区・白山エリア
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ただ、どちらも1964年の新潟国体を機に整備されたもので、老朽化への対応が課題となっていた。

そこで市は、「20年後を見据えた、県都・政令市にふさわしいスポーツ施設のあり方」を検討するため、有識者会議を開催。

2024年3月には、白山エリアに“観るスポーツ”の臨場感を味わうことができる『球技専用スタジアム』や『アリーナ』といった、プロスポーツの公式戦やコンサートなどを開催できる機能を有するとともに、公共施設や商業施設・賃貸オフィスなど複合的な機能を併せ持つ施設を新設。

街なかに人が行き交い、にぎわいを創出するなど、「スポーツによるまちづくりと地域活性化」を図ることが提言されていた。

『球技専用スタジアム』か『アリーナ』か。2025年度には、市は取り組みの方向性を探ろうと、事業者に対する市場調査を実施。

その結果、最多となる13者が「アリーナ整備の方針が望ましい」と回答したほか、収容人数に関しては「5000人以上~8000人未満」が10者で最多だった。

また、市議や経済界、競技団体などからはアリーナを建設する要望が相次いで市に寄せられている。

8000人規模の“新アリーナ”建設へ「市民・県民の期待大きい」

こうした中、2026年度当初予算案の発表で、中原八一市長が示したのが、「アリーナの実現を核とした白山エリアのスポーツ施設の再編」だった。

新潟市 中原八一 市長
新潟市 中原八一 市長

新潟市は3つの基本的な考え方を示した。

①ニーズが多様化する中、市民に新たな楽しみをつくること
②街づくりとにぎわい創出につながること
③二重行政とならないよう、県の保有する施設と機能が重複しないこと

その結果、プロスポーツやコンサート、展示会、各種大会などが開催でき、若者からお年寄りまで幅広い世代が“見る臨場感”を味わえる多目的施設であり、冬場に雪の降る新潟にとって季節や天候に左右されないアリーナがふさわしいと市は判断したという。

拠点性を向上させて交流人口を拡大させることで、新潟の経済を活性化させたい考えだ。

中原市長も「今後、新潟市としては大変大きなプロジェクトになるかと思う。市民の皆様はもとより、県民の皆さんからも要望されてきた内容であり、期待も大きいかと思う」と話す。

イメージ図((実際の施設の規模や配置、デザイン等については、民間事業者等との協議により決定する))
イメージ図((実際の施設の規模や配置、デザイン等については、民間事業者等との協議により決定する))

新潟市の構想では、新潟市体育館と新潟市陸上競技場のサブトラックを廃止、アリーナ建設の用地を確保する考えだ。

また、完成時期については「検討前なので申し上げられない」としながらも「他都市の事例では8年程度だと聞いている」とし、規模については8000人前後になるとの見通しを示した。

また、メインだけでなくサブアリーナも併設し、練習やイベントでのグッズ販売で活用する考えだ。

アリーナ建設の検討の中では、2023年に開業した佐賀県のSAGAアリーナを視察したことも明かした。

大規模イベントを開催してきた“朱鷺メッセ”との違いは?

一方で大規模なイベントが開催できる施設としては、県の『朱鷺メッセ』も新潟市中央区にあるが、中原市長は「利用が多くなってきて、会場の不足感があると聞いている」と説明。

朱鷺メッセ
朱鷺メッセ

また、「アリーナの場合は、興行を四方の観客席から見ることができるというところに朱鷺メッセとの大きな違いがある」として、アリーナに積極的にイベントやプロスポーツの興行を誘致していきたい考えを示した。

また、新潟市陸上競技場については、今と同じエリアで改修または建て替え、アリーナと一体となって整備・運営する考えだ。

新潟市陸上競技場
新潟市陸上競技場

この方針に市民からは、「有名人を呼んでコンサートとか、世界的規模じゃなくても全日本とかスポーツ大会とかがあればいい」「(古町も)日常的に人でにぎわうような場所になると楽しくて良いのかなと」と期待の声が聞かれた。

SAGAアリーナは約257億円…費用懸念する声も“民間の力”活用

一方で「大きな場所をつくるから経費の部分ではどういうふうにやりくりしていくのか」「車で来る人は大変。駐車場が少ないから」と懸念の声も上がる。

イメージ図
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市が参考にしたSAGAアリーナの総工費は約257億円。

さらに、2024年度の新潟市の財源の余裕を示す“財政力指数”は全国の政令指定都市で最下位の0.64となる中で、市の財政負担が不安視される。

そこで今回、市が採用するのが“PFI手法”。公共施設等の設計、建設、維持管理および運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るというものだ。

民間の力を最大限生かすことで、市の財政負担の平準化や低減が期待される。

また、アリーナのデザインや外観、規模などについても事業者と相談しながら最終的には決めていくとしていている。

そして、アリーナを新設するエリアについて中原市長は「新潟市の活用できる土地はいくつもないし、その中で文化・スポーツの集積している土地なので、ここでにぎわいや楽しみをつくっていくことは意義がある」と話し、駐車場の不足が心配される中、鉄道やバスなどの公共交通機関の活用を呼びかける考えを示した。

新潟市長「アリーナ建設は新たな挑戦」

新潟市はこのスポーツ施設再編の検討の本格的な着手の費用として26年度予算案に2000万円を計上。

中原市長は「アリーナ施設の実現を図っていく上では、かなり今後、課題があると考えているので、新たな挑戦というような気持ちで取り組んでいきたい」と意気込む。

果たして、新潟初となる施設はどのような形で実現するのか。今後の展開が待たれる。

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NST新潟総合テレビ
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