高知県立大学に展示されていた工芸作家・吉田左源二さんの作品が多目的トイレの設置によって10年近く見えない状態になっていることが発覚し、13日、関係者が謝罪しました。
吉田左源二さんは安芸市出身の工芸作家で、漆工芸やアラビア書道など多彩に活躍し、皇族が身の回りの品に付ける御印などをデザインした高知を代表する作家の1人です。
その吉田さんが県立大学の前身である高知女子大学に依頼されて制作したとされているのが、縦横2メートルの漆工芸作品です。1988年の図書館増築の記念とされ、現在の学生会館のロビーに展示されていましたが9年前、永国寺キャンパス整備工事でこの作品の前に多目的トイレを設置。その結果、トイレの壁で作品を隠してしまっていました。
高知県立大学・甲田茂樹 学長:
「芸術作品への敬意に著しく欠ける行為。ご遺族ほか皆さまに深くお詫びもうしあげます。申し訳ございませんでした」
当時の関係者への聞き取りによると工事業者の「作品を壁から取り外せないがどうすればよいか」との問い合せに対し、大学と県の担当者はそのまま進めてよいと回答。上司への報告はなかったとみられています。
なぜ、作品を覆う形でトイレを設置したのか。原因のひとつとして作品を取得した際に必要な備品台帳への登録がなく、ほとんどの人が作品の価値を認識していなかったということです。
県立大学は吉田さんの作品を一般の人にも見てもらえるようにするため、2025年度中にトイレの撤去方法などを検討することにしています。