東京電力・柏崎刈羽原発6号機が再稼働し、大きく動き出したエネルギー政策。今回の選挙戦では原発を含むエネルギー政策や再稼働プロセスについて争点化されることはなく、主張する候補者も少なかった。その理由を探った。
県民の賛否分かれる中…柏崎刈羽原発が14年ぶりに再稼働
1月21日、14年ぶりに再稼働した柏崎刈羽原発6号機。
福島第一原発事故後初めてとなる東京電力の原発の再稼働は、県民の賛否が分かれる中で行われたが、再稼働後に機器の不具合が発生。東京電力は再稼働からわずか29時間ほどで再び原子炉を停止することに。
調査で原因を特定し、問題がないことを確認した上で東京電力は2月9日、原子炉を起動した。
“原発立地地域”抱える新潟4区でもエネルギー政策は争点化されず
福島第一原発後、原発の依存度を減らす方針を打ち出していた政府が原発回帰を宣言したのが2023年。
その国の掲げるエネルギー政策が大きく動き出すタイミングで迎えた今回の衆院選だが、選挙区内に原発立地地域を抱える新潟4区では…
自民 鷲尾英一郎 氏:
原子力発電も安全性が確認されているのであれば、それを活用していくというのはこれは当たり前だと思います。安全でなければ私は大反対です。
中道 米山隆一 氏:
原発再稼働これは残念です。でもね、先ほど言った通りに20年30年後にはリプレイスの時を迎える。だからその時のためにちゃんと法制度を作っておく。
自民党と中道改革連合の候補者が第一声で原発問題に触れたものの、大きな争点にはならなかった。
原発ゼロ目指す立憲・再稼働容認の公明…“新党結成”が影響
争点化しなかった背景には、すでに再稼働に対する判断が下されていたこと。
さらに、原発ゼロの実現を目指すとしてきた立憲民主党が再稼働容認の立場をとる公明党と新党を結成したことが要因に挙げられる。

米山氏は「そこは大体ご理解をいただいていると思うが、これからゼロを目指していくんだということは変わっていないということはお伝えしている」と、訴えは立憲民主党時代と変わらないとした上で「たった今ある柏崎刈羽をどうするかという話ではないので、そういう意味では争点にはなっていない。はっきりした争点にはなっていない。ただ、将来的なビジョンとしての争点ではある」と語った。
しかし、知事選などで度々、原発問題を争点化し、原発推進の立場を取る自民党と対立してきただけに、この変化に自民党側は納得がいかない様子。
鷲尾氏の選対本部長を務めた柄沢正三県議は「立憲民主党がいま原発容認。こんなおかしなこと簡単にできるなと。非常に私は不思議でしょうがない。これが何を意味するか、原発を選挙の道具としてしか使ってない」と語気を強めた。
ただ、候補者本人の鷲尾氏中道改革連合の批判や原発問題の争点化は避け、安全性を訴えるのみだった。
県内で唯一原発問題への訴え強めた共産
こうした中、「私は原発ゼロの日本を実現したい」と県内で唯一、原発問題についての訴えを強めたのが、1区から出馬した日本共産党の中村岳夫氏だった。
応援に入った小池書記局長も「立憲民主党が公明党と合流してしまった。安保法制の廃止とか原発ゼロも言わなくなった。これではやっぱり自民党と対決できなくなってしまうと思う」と訴えた。
原発の再稼働という政府のエネルギー政策の根幹をなす出来事は、新党結成など政界再編に向けた動きの中で埋没してしまったといえそうだ。
