「スターナイト」というイチゴの品種をご存じだろうか。甘みと酸味のバランスに優れ、張りのある食感で、根元までしっかり赤くなっても柔らかくならないという特徴がある。宮崎県で開発された。この「スターナイト」の中から、見た目の完成度が高いものを選りすぐった「ジェムベリー(gem berry)」が誕生した。生産者は「今までにないイチゴ」に戸惑いつつも、温度管理の難しさなどと向き合い、高い品質を維持するための挑戦を続けている。
宮崎発のブランドイチゴ「ジェムベリー」
2021年に宮崎県で開発されたイチゴ品種「スターナイト」。甘みと酸味のバランスに優れ、張りのある食感が特徴だ。

そのスターナイトの中から選ばれた、色や形など見た目の完成度が高いイチゴ「ジェムベリー」。

宮崎市鏡洲にあるイチゴ農園では、多くのイチゴが実るビニールハウスの中でも、ジェムベリーとして出荷できるのは約1割ほどという。

「ジェムベリー」を考案したのは、宮崎中央青果でイチゴの卸売を担当する浜砂昭弘さんだ。浜砂さんは、「スターナイト」にさらなる価値を付与したいと考えたと話す。
宮崎中央青果 浜砂昭弘さん:
「スターナイト」という品種の、1つ上のランクを目指したイチゴ。「イチゴ戦国時代」と言われるほど品種が多くなっていく中で、宮崎県は代表とするイチゴの品種がない。この約2年間で「スターナイト」という品種が出たことによって、消費者の皆さんの反応が良かったので、これを機にアクションをかけて販売をしたいと思った。
厳しい選別基準と生産者の苦悩
「ジェムベリー」は現在、県内5つの農家で生産されており、そのうち3農家が12月から出荷を始めている。宮崎中央青果で出荷している生産者の中で、「スターナイト」を生産する生産者を募ったという。

挑戦者の1人、生産者の谷口豊さんは、最初に「ジェムベリー」ができた時の気持ちを「ちょっと怖かった」と話す。
谷口いちご園 谷口豊さん:
初めて食べるイチゴで、今までのイチゴとは違う味がするからちょっと怖かったかな。どういう風に受けるのかなって。

「ジェムベリー」の選別基準は、形、艶、色、サイズバランス、傷とストレスの有無の5つ。この基準を一つでも満たさなければ、「ジェムベリー」を名乗ることはできない。

本来、イチゴは根元まで色をつけると実が柔らかくなり、商品価値が下がってしまう。しかし、「スターナイト」は根元まで熟しても実の張りを保てる品種であり、この特性が「ジェムベリー」の美味しさと美しさの両立を実現させている。
谷口さんは「根元までしっかり赤くなる既存のイチゴはないので、温度管理が難しい」と話す。
また、今までにないこのイチゴを、市場や仲卸と話し合い、「ジェムベリー」として世の中に出す機会を得たことは、これからのイチゴの可能性を感じるきっかけになったという。
宝石の名を冠するイチゴ
「ジェムベリー」の選別は、収穫した全ての「スターナイト」の中から生産者の手で行われる。

谷口いちご園 谷口豊さん:
大きくてしっかり身が張ていて、「ジェムベリー」にふさわしいものだけを入れている。途中から「スターナイト」に変更することもあるから、かごひとつに1パックぐらいかな、できるのは。

たくさんのイチゴから厳選された「ジェムベリー」をいただくと、甘いだけでなく、ほんのり優しい酸味もありながら、ヘタのところまでしっかり甘くておいしい。

佐々木アナウンサーは選別作業も体験させてもらった。佐々木アナウンサーが選ぶイチゴを、谷口さんは「アウト!」と排除していく。とても厳しい選別だ。

谷口いちご園 谷口さん:
宝石という名前を冠するため、わずかな曇りも許されない。厳しい選別基準を設けている。

宮崎中央青果の浜砂さんは「宮崎を代表するイチゴとして「スターナイト」の地位を確立し、その中で「ジェムベリー」が宮崎のブランドイチゴとして認知されることを目指している」と話す。

宮崎市の洋康青果によると、「ジェムベリー」の価格は一般的なイチゴと比べ、1パック約100円から200円ほど高いという。贈答用や、自分へのご褒美にもぴったりのイチゴだ。
「ジェムベリー」は、以下の店舗などで販売している。
洋康青果(山形屋内)、青果店Liien Farm、杉尾青果、La Dish大橋店、イオンマックスバリュ各店舗
(テレビ宮崎)