低い給料から脱却し、働く喜びを得る。新しい障がい者支援のカタチ

<SDGsのランナー>中尾文香さん

  • 障がい者の仕事は単調で低賃金なケースが多い
  • 中尾さんは「障がい者の働き方改革」に取り組んでいる
  • 「ノウハウを提供する」という新しい支援の形は広がるか?

「ノウハウを提供する」

『月給1万5295円』。

これは、地域の事業所内で雇用契約を結ばずに働く障がい者がもらっている工賃の全国平均だ(2016年度、就労継続支援B型)。最低賃金は適用されないため、かなり低い賃金水準となっている。国も2006年から「工賃倍増計画」を打ち出しているが、計画の対象となっている施設でも、なかなか改善していないのが現状だ。

また、障がい者の仕事は閉ざされた空間で単調な作業の繰り返しになりがちで、働き甲斐についても問題視されている。

そんな環境を変えたい。NPO法人ディーセント・ラボの中尾文香代表理事は、「障がい者も働き甲斐のある仕事で、喜びを感じられるように」と、障がい者の「働き方改革」に取り組んでいる。

中尾文香 代表理事

それは「ノウハウを提供する」という、障がい者支援の新しい形だ。

活動の中身は「プロの仕事として認められ、ビジネスとして成立する雇用システム」を全国の企業や障がい者施設に提供するというもの。企業と障がい者の橋渡しをしているのだ。

例えば、福祉施設で作っているクッキー。通常、バザーなどで売られる場合は100円ほどになってしまう。

しかし、中尾さんはパティシエに監修を依頼。付加価値をつけることによって、市場価格で売れる物へと変身させる。また、雑貨づくりでは、デザイナーにも協力してもらい、かわいい商品を次々と誕生させる。目指しているのは、障がいのある人が「一つ一つ丁寧に手作りする」という価値を最大限に高められるような「ものづくり」だ。

販売ルートも拡大し、働く人にお金を還元できるよう取り組んでいる。

視覚障がいを持つ齋藤英代さんは、お菓子作りの担当。感想を聞いてみると、「今まで助けて頂くことが多くてお礼を言う立場でしたが、美味しいお菓子を作って、喜んで食べて下さる方がいて、ありがとうと言われるお仕事が出来ていることが、まず幸せです」と明るく語った。

弟が事故に遭い…

中尾さんが活動を始めたきっかけは、弟が事故にあったことだという。

私の弟は、事故で障がいになって、それ以来、母は可愛そうだってずっと言ってたんですけど、弟が仕事をしてお給料を貰い始めて、活き活き働いていく過程を見て、本人にとっても家族にとっても働くって凄く大事だなと思ったのが、きっかけになってます

働くことは、賃金を得て生活するだけでなく、人からありがとうと言われたり、人の役に立っていると感じたりするような「働くよろこび」を得られることだと考えている中尾さん。

これからの目標について、次のように語った。

特定の人のためにだけあるのではなく、全ての人が働きやすい環境を作るのが、私達のこれからの目標であって、夢でもあります

夢に向かって、中尾さんは走り続ける。

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。2030年を年限とした17の国際目標がある。

SDGsをテーマとした日本初のレギュラー番組「フューチャーランナーズ~17の未来~ 」は毎週日曜17:25~17:30にフジテレビで放送中。それぞれのゴールとその先の未来に向かって、情熱を持って走り続けている人を取り上げている。

中尾さんの取り組みなど、過去のオンエア動画はこちら
http://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive.html


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