そこの二人、何がそんなに嬉しいのか

 
 
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二度目の南北首脳会談を見て、また腹が立った。

金正恩・北朝鮮委員長と文在寅・韓国大統領が、満面の笑みでベターッと抱き合っていた。
二人とも何がそんなに嬉しいのだろうか。
我々は「ミサイルを撃つな」「誘拐した日本人を返せ」と切実に言っているのに、笑ってる場合じゃないだろ?

でも、その会談で金正恩は「米国の体制保証について心配している」と文在寅に言ったらしい。
やはり正恩はトランプに殺されるのではないかと相当に恐れている。
 

トランプと金正恩に我々の運命を委ねたくない

 
 

トランプ米大統領の米朝会談中止宣言は世界を驚かせた、と、ある新聞は書いていたが、そんなことはない。
やっぱり、とか、ほらみろ、という反応の方が多かったのではないか。

僕は、トランプと金正恩の二人に、我々の運命を委ねるというのはあまり気持ちいいものではないなと思っていたので、正直ほっとした。
同時にトランプって、言われているほど馬鹿じゃないんだなとも思った。

安倍首相は「残念だ」と言っていたが、あまり残念そうには見えなかった。安倍さんもホッとしたのではないか。

日本政府首脳は早い段階で「米朝会談はいずれ行われる」と明言していたが、その後の米朝双方の動きを見ると、どうやら会談は行われそうだ。

強気と弱気が交錯する金正恩

 
 

金正恩の発言を見ると強気と弱気が交錯している。
核ミサイルをほぼ完成させたという強気と、米国にやられる、石油もなくなる、という弱気。

金正恩が核を手放すわけがない、という説をよく聞くが、僕は、金正恩は、完成間近の核ミサイルを高く売りつけたい、
のではないかと思う。
トランプの会談中止宣言は「言い値では買わない」ということであり、結構なことだ。
 

トランプの「買値」を見定めてから動け

 
 

では日本はどうするべきなのか。
朝鮮半島に詳しい元毎日新聞の重村智計さんに聞くと「高みの見物が一番」ということだった。
歴史を見れば「介入せず自立を尊重」すべきだと。

トランプの「買値」がいくらなのか、見てから動く方がいいと思う。

【動画】はこちら「そこの二人、何がそんなに嬉しいの?」

(執筆:フジテレビ 平井文夫 上席解説委員)

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。