イクメン5年の後ついに落語を解禁した夜に進次郎も現れた

カテゴリ:国内

  • 娘の許可が出て落語に復帰した夜
  • 落語オタクの進次郎が登場
  • 親子三代で「寿限無」できます

育児をしない父親は不幸だ

イクメンは楽しいが自分の時間は当然減る。
娘が生まれた5年前から、友達との飲み会、ゴルフ(腰痛でその3年前からやめている)、映画、読書(電子書籍の登場で復活)、そして落語に行く時間はかなり減った。

子供が生まれても夜は飲み会、週末はゴルフというお父さんが時々いるが、奥さんや子供がかわいそうなだけでなく、実はお父さんが一番不幸だ。
家族から孤立し、ただ疲弊する。
どうかお父さん方、ゴルフや飲み会をやめて子供のもとに帰りなさい。

話を戻して、育児のために自分の時間が減ったことには何の不満もないわけだが、娘も5歳になると少し手がかからなくなる。
さらに母と娘の2人が楽しいらしく、「パパは出かけていいよ」と言われることもある。
少し悲しいが。

落語オタクの進次郎が登場

撮影:田頭真理子

落語は落語議連設立の時に上野の鈴本で柳家権太楼師匠の「芝浜」を聴いたくらいですっかりご無沙汰だ。
そろそろ行きたいなと思っていたら、うまい具合に松井孝治慶大教授から「柳家さん喬師匠の落語聴きませんか」と誘われた。

3年ぶりに開かれた日本文化研究会という落語会でのさん喬さんの「笠碁」「中村仲蔵」は素晴らしかったが、驚いたのはNYから帰国したばかりの小泉進次郎環境相がその足で駆け付けて来たことだ。
進次郎さんと一緒に落語を聴くのはこれが2度目だが、彼は落語議連の幹事長を務めるだけあって落語をよく聴いている。

撮影:田頭真理子

今回メインの「中村仲蔵」は地味なゆえに、演じるのが難しい通好みの噺らしいのだが進次郎さんはこの噺が好きで、いろんな人の「中村仲蔵」を聴きまくっているという。
これは好きを超えてほぼオタクの領域に入っている。

終わった後の挨拶で「メディアにはステーキでいじられ、セクシーでいじられ、今度は落語に行ったといじられるんでしょうか」と言って笑いを取っていた。

親子3代で「寿限無」できます

話は変わるが、亡父は落語好きで、高校生で東京に住んでいた頃、志ん生の生の高座を末広亭で聴いたというのが自慢だった。
おかげで僕も子供の頃から落語を聴かされ、「寿限無」は父に教えられ覚えた。

先日僕が「寿限無寿限無、五劫の擦り切れ」とつぶやいていたら娘が「じゅげむってなあに?」と反応したので、名前のところを一通り教えてやった。
後日娘が綺麗に覚えていたので、どうした?と聞いたら保育園に落語の本があってそれで覚えたという。
おかげで日本の素晴らしい伝統芸能は親から子へ、子から孫へ伝承された。

短歌、俳句、能、歌舞伎、浄瑠璃など伝統芸能はさまざまあってどれも素晴らしいが、個人的には落語だけは絶対に後世に残さねばならないと思う。

落語家と政治家の共通点

撮影:田頭真理子

おしゃべりで客を笑わせたり泣かせたりする落語家と、演説で自分の政策について他の議員や有権者を説得する政治家というのは共通点がある。
言葉で相手を納得させるという意味では我々テレビコメンテーターにも通じるものがある。
進次郎さんもぼくも落語に惹かれるのはそこかもしれない。
それにしても38歳の若い政治家が落語のあんな地味な演目にハマっている、というのは嬉しいではないか。

取ってつけたように落語が仕事と関係あるかのごとく書いたが、実は落語の最大の楽しみは大きな声では言えないが、平日の昼間、仕事をサボって寄席に行くことだ。
畳敷きで寝っ転がれる末広か、ビールが飲める鈴本か浅草演芸ホールか。
どこでもいいが、時々うとうとしたりしながら落語を聴いたり、紙切りを見たり。
これはまさに極楽なので一度是非お試しください。

撮影:田頭真理子

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【写真撮影:田頭真理子】

【特集:「平井文夫の還暦人生デザイン」すべての記事を読む】

平井文夫の還暦人生デザインの他の記事