雌だけで繁殖するトゲナナフシの雄を発見

小学6年生の少年が専門家も驚愕する超レアな昆虫を発見した。体中にトゲがあるトゲナナフシは、雌単体で卵を産む「単為生殖」で繁殖するため、雄の発見例は国内でわずか2例しかないという。
こうした中、愛知県田原市に住む小学6年生の森下泰成君が飼育していた約100匹のトゲナナフシの中から、なんと雄のトゲナナフシを見つけたのだ。

※雄のトゲナナフシ(画像提供:森下泰成)
※雄のトゲナナフシ(画像提供:森下泰成)
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森下泰成君と雄のトゲナナフシ(画像提供:森下泰成)
森下泰成君と雄のトゲナナフシ(画像提供:森下泰成)

そもそも泰成君のトゲナナフシの飼育は小学1年生の時に始まった。昆虫キャンプに参加した際に、そこで捕まえたカミキリムシとスタッフが持っていたトゲナナフシを交換。そして、トゲナナフシが雌単体で繁殖することを知り、1匹から子孫を増やしていこうと飼育を始めた。

飼育の様子(画像提供:森下泰成)
飼育の様子(画像提供:森下泰成)

今年の1月には、トゲナナフシを100匹以上ふ化させ、7月6日に他の個体と比べ小さいトゲナナフシを見つけた。雄じゃないか?と思った泰成君は、雌と一緒にプラスチックのケージに移し、観察を続けた。
この時、雄だと思われるトゲナナフシに、体が細いことから「ポッキー」と名付けた。そして7月上旬には、雌と交尾している様子も見られたため、泰成君は雄であることを確信したという。

その後、ポッキーの元気がなくなったため、岐阜市の名和昆虫博物館に連絡し、7月21日に寄贈した。同館では翌日から公開しており、名和哲夫館長自身も、雄のトゲナナフシを見るのは生まれて初めてだったという。