なお投資に関するトラブルは増加傾向にある。特に「暗号資産」は、話題になることが多いのではないだろうか。実際、国民生活センターによると、2021年度に全国の消費生活センター等に寄せられた「暗号資産に関する相談」の件数は6350件。2017年度の2910件から倍増している。

・2017年度:2910件
・2018年度:3454件
・2019年度:2801件
・2020年度:3347件
・2021年度:6350件
・2022年度(6月30日まで):927件

登録業者を金融庁のHPで確認できる

暗号資産に関するトラブル、どのようなケースが多く報告されているのか? また、被害に遭わないためには、どのようなことに気をつければよいのか? 国民生活センターの担当者に話を聞いた。


――暗号資産のトラブル、どのようなケースが多い?

SNSやマッチングアプリで知り合った人から勧誘されて、トラブルになるケースが多く、こちらが全体の半数ぐらいを占めるイメージです。もう1つ、目立つのは、友人・知人から誘われて、トラブルになるケースです。


――暗号資産のトラブルに遭わないためには、どのようなことに気をつければよい?

暗号資産の投資をすすめられても、鵜呑みにしない。SNSやマッチングアプリで知り合った人だと、素性が分からない人なので、詐欺的な投資話を疑っていただきたいです。

友人・知人から誘われる場合も、人間関係と投資の話を切り離して、冷静に判断していただければと思います。暗号資産の交換業は登録が必要なので、無登録業者とは取引をしないでください。

登録があるかどうかは、金融庁のHPで確認することができます。「暗号資産 登録業者 登録一覧」で検索すれば、出てきます。登録されている業者であっても、リスクを十分に理解できない場合は契約しないでください。



岸田首相は、5月にロンドンの金融街で講演し、日本の経済成長戦略の1つとして「貯蓄から投資へのシフト」を挙げている。だが、投資を検討する際に、トラブルが増えている現状は把握しておいた方がいいだろう。まずは、国民生活センターが示してくれた、被害に遭わないためのポイントを守ることが大事だ。

もし、被害に遭ってしまった場合、現行の法律では被害金は返ってこない可能性が高いという。投資は自己責任というものの、被害金が返ってくるようになるための法整備へ向けた動きは進めてもらいたい。

プライムオンライン編集部
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