最新研究から見える「ステルスオミクロン」2つの特徴

ステルスオミクロンはPCR検査で判別しづらいとされ、「BA.2」とも呼ばれる変異株。
最新の研究で、2つの特性が見えてきました。

東京大学医科学研究所 佐藤佳准教授:
今のBA.1という従来型のオミクロンよりも、流行しやすいということが1つですね。
2つ目が、ステルスオミクロンの方が病原性が高い可能性があり、重症化しやすいということです。

(Q.BA.1に比べて、オミクロンはデルタ株より重症化しにくいって言われているが、重症化しやすいってことになってくる?)
そうですね、従来型のオミクロンよりは重症化しやすいということです

“ステルスオミクロン”をめぐっては先週、東京都で初めて、市中感染が確認されたばかりです。

(Q.BA.2が市中に広がってる可能性は?)
東京大学医科学研究所 佐藤佳准教授:
それに関してはあり得ると思います。
都内だけではなくて、全国的に広がっているというところに関してはもう十分あり得る、想定できることだと思います

(Q.長期的に見れば、オミクロン株からBA.2へ置き換わっていく?)
そこに関しては、もう他の国の状況を見ても、BA.2に置き換わりが進んでいるって国がもう大半なので、日本国内でもすでに市中感染始まってることを考えると、遅かれ早かれBA.2の置き換わりというのは進んでいくだろうと思います
ウイルスそのものの広がり方を考えたときに、流行対策・感染対策を何もしてないとこは広がりやすいです。
なので、ウイルスが好き勝手増えるってことをすれば、どんどんBA2も増えるので、置き換わりも早くなると思います。
置き換わりを遅らせるって言う意味でも、感染対策をするという意味でも、とにかくもう感染者数を減らすということをもう考えないと、このままだといつか減るだろうって見込みだけではちょっと不十分じゃないかなと思います

佐藤准教授は、今後、オミクロン株からステルスオミクロンへの置き換わりが進む可能性が高いと指摘しています。
私たちは、さらなる変異株にどう備えればいいのでしょうか。

今後第7波の可能性も…

この記事の画像(3枚)

今回の研究は、現時点では査読前で正式な「論文」ではないということですが、ステルスオミクロンの特徴について新たな可能性が見えてきました。

研究に携わった東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授によると…
ステルスオミクロンの特徴は、感染力がオミクロン株の約1.4倍。
元々、オミクロン株は感染力が強いと言われていましたが、ステルスオミクロンはそれを上回る可能性があるといいます。

さらに、重症化に関しても、オミクロン株より重症化しやすい可能性があるといいます。

(Q.オミクロン株とステルスオミクロンは、かなり異なるウイルス?)
東京大学医科学研究所 佐藤佳准教授:

そうですね、実験をしている立場からしても全然違うので、ウイルスとしての性質も違いますし、一番わかりやすいところとしては、ウイルスの遺伝子の配列比較した時に、BA.1とBA.2の配列の違いっていうのは、中国で生まれた新型コロナウイルスの一番最初の配列とデルタ株の配列の違いの2倍ぐらいですね。
なので、BA.1とBA.2を同じ名前で呼んでいるっていうこと自体が、そもそもウイルス配列として、冒頭一番最初の新型コロナウイルスとデルタ株の二倍も違うものを同じ名前で呼んでいるということなので、ちょっと不自然じゃないかなって気がします。

(Q.BA.1とBA.2でワクチンの効果に違いは?)
そこは、ほとんど変わらないです

佐藤佳准教授によると、ワクチン効果に大きな違いはないとみられ、オミクロン株に効果があると言われている3回目の接種を行った方がよいと話します。

「陽性率4割は検査として成立してない」右肩上がりが振り切れて…

現在の感染状況について、佐藤准教授はこう話しています。

東京大学医科学研究所 佐藤佳准教授:
(東京都は)感染者数だけじゃなくて、検査数も減ってるんですよね。なので、むしろ検査数の方が減り幅は大きいので、むしろ陽性者数が、新規陽性者数が減るのはむしろ当たり前で、検査自体が減っているので。
なんで、むしろそれよりも一番今気をつけなきゃいけないところは、陽性率は東京都はもう4割超えてるんですよね、40%。ちょっとこれはもう検査としては全く成立してないといっても過言ではないレベルの陽性率なので、そう考えるとピークを今現状新規陽性者数として減ってきているという傾向に関しては、単純に右肩上がりの山がもう振り切れてしまって、富士山型になってるんですかね。いわゆるこう頭打ちになって、これ以上分かりませんって状態になっているって状態だと考えた方が良いと思うんですよ

ステルスオミクロンの今後については、オミクロン株からの置き換わりが進んでいけば、重症化などによる医療現場への負担もさらに大きくなる可能性があると指摘しています。
第7波も視野に入れながら、感染拡大防止策をとっていく必要がありそうです。

(「めざまし8」 2月21日放送)