情勢調査などでは自民党をはじめとする保守政党への支持が増えています。背景に、何があるのか。

そして、保守に対抗する政党はこの状況をどう見ているのでしょうか。

■自民党が単独過半数を確保する勢い 背景には「保守層の支持」

4日、京都府宇治市には、自民党の高市総裁を目当てに、およそ6000人の有権者が詰めかけました。

【自民・高市早苗総裁】「皆さんでもう1回、日本列島強く豊かにしましょう。その底力が日本と日本人にはあるんですよ」

選挙期間中に実施したFNNの世論調査では、自民党が単独で過半数を確保するとみられ、300議席台も視野に入っています。

なぜ、ここまで支持が伸びているのか。有権者からは、こんな声が聞こえてきました。

【自民党支持者】「自民党っていう、きちんとした保守の党の候補者を国会に送り出したい」

【自民党支持者】「秩序を基本としながら社会を進歩させる、本来の保守にあるべき姿。それを高市総理には期待している」

自民党は、去年の参院選での大敗について、「石破政権で保守層が流出した」などと分析。

今回は、「インテリジェンス機能の強化」や「外国人政策」といった政策を打ち出す高市総裁によって、保守層の支持が戻ってきているようです。

【自民党支持者】「根底にあるもの、琴線に触れるんじゃないですか。高市さんになって回帰してきたんかな」

■自民以外の「保守政党」の支持者は「日本のことを考えたら必要なことを言ってる」

【維新・吉村洋文代表】「日本維新の会は、絶対に逃げずに高市さんを支えていく。アクセル役となって日本の政治を前に進めていきます」

日本維新の会も、与党として自民党と歩調を合わせています。

【保守・百田尚樹代表】「最も大きな問題と考えているのは、移民問題。いったんストップしようじゃないか」

こちらも外国人政策を打ち出す、日本保守党。

【参政・神谷宗幣代表】「1・2・参政党!」

「日本人ファースト」を掲げる参政党。関西テレビとJX通信社の合同調査では、回答した人のおよそ6割がこのスローガンに「共感できる」と答えています。

しかし、聞こえてくるのは、自民党の支持者とは異なる反応です。

【参政党支持者】「保守とは違う。左とか右とかというより、日本人として日本のことを考えたときに、必要なことを言ってる」

インタビューした人のほとんどが、「もともと保守の思想はなく、政治への関心もなかった」と話します。

■「難しくない言葉」で演説 参政党の話を聞いて「危機感持たなあかん」

演説を見に来ていたこちらの家族は…。

【大阪府在住 30代男性】「そんなに政治に興味なかった。日本がなかなか良くならないと、生活レベルで感じていて、勢いやインパクトがある」

支持のきっかけは妻がSNSでみた参政党の演説。

【大阪府在住 妻(30代)】「難しくない言葉で、今までの政治家の方と違う印象を受けました。保守とか、左とか、どっちかとかは全然なくて、シンプルに日本のために、日本をよくしたいって思ってるところを応援したい」

特に共感したのが外国人政策。「子供が安心して暮らせる日本になってほしい」と支持を強めました。

【大阪府在住 30代男性】「中国人に乗っ取られたりする可能性もゼロじゃないと、参政党の話聞いて、そこは危機感持たなあかんな」

■共産・志位議長「安保法制。政治のモラルハザードを起こしてしまった」と指摘

保守的な政党や政策に支持が集まる現状。立ち位置の異なる政党はどう見ているのでしょうか。

今回の解散を機に、国会議員としての第一線を退いた日本共産党の志位和夫議長。30年以上に及ぶ保守との対峙には変化があると話します。

【日本共産党 志位和夫議長】「保守としての一定の節度なり良識が働いていたのは、1990年代までの自民党。『河野談話』は93年、『村山談話』は95年、小渕さんの時に『日韓共同宣言』この3つの文書を作ったのは自民党政権の時代。

論戦やるんでも、私が正面からただすと、官僚任せにしないで、必ず橋本元総理が正面から受けて立ってくる。だから論戦やった後も、爽やかな感じが残ったんです。そういうのが段々なくなってきた。

大きな転機になったのは、2015年の『安保法制』。政治のモラルハザードを起こしてしまった」

2015年に採決された平和安全法制。

憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認めることから、野党が反対。デモも行われる中、参院特別委員会で、質疑なしの採決が行われました。

【日本共産党 志位和夫議長】「政界の多くの政党が、右へ右へとなびく流れが起こっている。強権政治は許さない。暮らし、平和、人権をしっかり守っていく、左派が伸びていく選挙にしていく必要がある。野党はとっても大事な役割を果たすべき時なんです」

■政党間の対立軸は「保守」対「革新」から、「急進」対「穏健」へ

政党政治に詳しい同志社大学の吉田教授は、政党間の対立軸が、従来の「保守」対「革新」から、「急進」対「穏健」へと移りつつあると分析しています。

【同志社大学政策学部 吉田徹教授】「『革新』、『リベラル』は、どう良くしていくのか、未来志向の政治的対応。『保守』は文字通り今あるものを大事にしていく、守ろう。

最近になって、もう1つ『急進』か『穏健』か。これは現状をどれぐらい動かすか。『穏健』は急激に物事を変えないでおこうという考え方、『急進』というのは現状変革志向」

注目すべきは、改革志向の「急進」に、伝統を重んじる「保守」と言われてきた自民も入っていることです。

【同志社大学政策学部 吉田徹教授】「小泉郵政解散であるとか、2012年以降の安倍自民党であるとか、『急進』の方にすり寄ってくときがあり、そうすると自民党の支持率が上がる傾向。高市政権も現状変革志向が人気の背景にあるのかもしれません」

■「変化」を求める有権者

そうした中で、有権者が求めているものは…

【20代・学生】「もし悪いことが起きたとしても、そこからまた変えていけばいいかと思いますので、少しずつでも変化をしようとする政党に投票したい」

【40代・自営業】「貧富の差は確実に激しくなってると思う。均衡になればいい。何かが変わるならばというところはあります」

【70代・無職】「実行力のある政党を望んでます。暮らしがちょっとでも楽になよう変化しないと駄目だなと思ってます」

聞こえてくるのは、「変化」を求める声。

【同志社大学政策学部 吉田徹教授】「“失われた30年”と言われますけど、日本はどんどん貧しくなっている。閉塞感があって、『どうにか変えてほしい』という意識が、有権者の中に薄く広く広がってる。『今のままじゃ駄目なんだ』という形で、現状変革志向の政治勢力や政治家が支持される」

■多党化の影響で分類が分かりにくいが「健全な議会制民主主義には不可欠」

また従来、保守と対峙する革新側にいた野党の一部が、急激な変化を望まない「穏健」に属し、多党化の影響もあって、政党の分類が分かりにくくなっていると見ています。

一方で、「穏健」派を含めた様々な政党が存在することは、健全な議会制民主主義の実現に「必要だ」と指摘します。

【同志社大学政策学部 吉田徹教授】「権力は暴走することもあるし、腐敗をすることもあるので、待ったをかけることができるか、世論に注意喚起することができるか、野党がバラバラのままでは、なかなか政権交代は難しいけれども、一方で多様な野党が議会で存在をしているということは、健全な議会制民主主義のためには、不可欠なこと」

■選択肢の多い多党化の時代

【中道・野田佳彦共同代表】「政治とカネの問題があったから、公明党の皆さんは、連立を解消したんじゃないですか。生活者ファーストの理念のもとに政策を訴える。我々、中道にご支援をいただけるか、これが問われていると私は思います」

【国民・玉木雄一郎代表】「右翼でも左翼でもない、対立やけんかや批判ではなく、みんなで知恵・政策を持ち寄り、解決策を1つでも2つでも実現する。そんな政治を前に前にと進めてまいりたい」

【れいわ・大石晃子共同代表】「生活者から税金を吸い上げるようになり、一部の大金持ち、経済的に上の人たちは減税優遇をしてきた。それを何十年も積み重ねた結果、国民生活はぶっ壊れました。戦う野党の再生が必要なんです」

【減ゆ・原口一博共同代表】「正義が通らなければ、秩序は乱れるんです。1人でもそれに違うという人間が必要じゃないかと思って、政党を作りました」

【社民・福島瑞穂党首】「戦争なのか、平和なのか。差別排外主義なのか、共に生きられる人権のある社会なのか、それが問われる選挙です」

【みらい・安野貴博代表】「超党派で他の政党・政治家と一緒にAIと民主主義について、協議するような枠組みもつくることができております。未来のために今できることを、今すぐにやろう」

選択肢の多い多党化の時代。どんな声を国会に届けたいですか。

(関西テレビ「newsランナー」2026年2月6日放送)

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