投開票を2月8日に控えた衆議院選挙。福岡市の中心部、天神を含む九州有数の都市型選挙区『福岡2区』。届け出順に、共産、自民、中道、参政から4人が立候補している。
自民と中道、因縁の2人が争う、福岡県内屈指の激戦区、福岡2区の情勢を追った
「日本を元気に成長させる」
公示前の1月22日、報道陣からインタビューを受けた自由民主党前職の鬼木誠さん(53)。「足し算、引き算だけで考えると、絶望的に厳しい状況だと思うんですよ」と今回の選挙戦を“絶望的”と称していた。

“絶望的”なわけは、立憲民主党と公明党による新党『中道改革連合』の結成。連立与党として、これまで自身に投じられていた1万を超える公明票を失うことが想定され、当初は劣勢との見方が多くあった。

しかし、いざ選挙戦が始まると…。
1月30日、福岡市で行われた集会に駆け付けた高市早苗首相。「鬼木さんは、防衛の専門家です。いや、防衛省で副大臣4期務めた人、他にいたっけ?いないよね。本当に国防政策に明るい」と応援演説。鬼木さんは、高市人気を追い風に支持を伸ばしている。

さらに2月2日には、高市内閣のキーマン、片山さつき財務相が応援に駆け付けた。地方銀行出身の鬼木さんとは、長らく金融政策を共にした間柄だという。

「前の内閣が取った議席じゃなくて、自分のその方針で、議席を問うてみようというのが今のこの選挙です。鬼木さんは、防衛副大臣4期ですからね、信頼されています。実力者です」と片山財務相は熱弁を振るった。

前回、5度目の挑戦にして初めて小選挙区で落選し、辛くも比例復活となった鬼木さん。高市内閣の大物たちからの支援も強みに、FNNによる中盤の情勢調査では、選挙戦で一歩リードしている。

「(今回の選挙で訴えたいことは)明るく前向きで意思の強い女性総理が現れましたので、その訴えですね。日本を元気に成長させるという訴えを、私も一緒になって届けたいと思います」。

「国民は高市内閣に大きな期待を寄せています。経済を成長させてくれるんじゃないか、自分たちの暮らしを変えてくれるんじゃないか、そうした期待の気持ちにしっかり応える選挙。そして、それから先の歩みとさせて頂きたいと思います」。
「とにかく物価高。その対策を」
その鬼木さんを懸命に追いかけるのが、中道改革連合の前職、稲富修二さん(55)だ。

「高市総理は、今回の選挙の目標、最低獲得目標が233って言ったんですよ。でも皆さん!今も与党は233議席あるんですよ。じゃあ何のために選挙やるんですかって」と厳しい口調で第一声のマイクを握った。

稲富さんは前回選挙で、それまで4回連続で敗れていた因縁の相手、自民党の鬼木さんに初めて勝利し、念願の小選挙区での当選を果たした。

1月21日には公明党の福岡県本部を訪れた稲富さん。選挙直前の電撃的な新党結成で、当時、立憲民主党の県連代表を務めていた稲富さんは、県内の公明党組織との関係構築にも奔走した。

「(自公政権で)やっぱり公明党の力は大きかったと思いますよ」と話す稲富さん。「この前の天神の決起集会も凄かったですね」と記者が話しを向けると「たまげましたね、私もあんなの初めて見ました」と驚きを隠さない表情で応えた。

稲富さんが「たまげた」と語るのは2月1日に公明側が主催した中道の決起集会。会場の警固公園(福岡市中央区)を埋め尽くすほどの支持者が集まった。

マイクを握った稲富さんは「どうにかして皆さん、大変、情勢いろいろあるけど、何としても勝たせて下さい。皆さまの力があれば、皆さんと一緒に携えていければ、必ず勝利が見えてきます」と訴えた。

会場を訪れた公明党支持の男性は「偏ってはいけないという意味で、解党して、中道というところに集合したんだ、と理解をしている」と話し、今まで自民党候補者を応援してきたという公明党支持の女性は「今回はもちろん、中道」と話していた。

公明側の組織的な票の積み上げにも期待し、逆転勝利を狙う稲富さん。「まあ今ですね、とにかく物価が上がって、また今日も円安が進んで物価が上がるんで、その対策をとにかく力いっぱい皆さんに訴えたいと思います」。
厳しい戦いが続く参政・共産
伸び悩んでいるのが参政党の木下敏之さん(65)。神谷宗幣代表も応援に入ったが、2025年7月の参院選で巻き起こった“参政ブーム”ほどの勢いはなく、地道に支持を訴えている。

「消費税減税と積極財政で景気を良くして、そして外国人労働者に頼ることをやめましょうと。景気が悪かったら、企業は安い賃金で働く人を使わざるを得ないですね。だからこの二つはセットで変えるしかないなと思っています」
また共産党の貫洞基裕さん(45)は、平和外交を掲げ、高市政権への批判票の獲得を狙うが、厳しい戦いとなっている。

「今の高市政権が、もうアメリカのいいなり。日本の軍事化というものをどんどん突き進めていっている。軍事では絶対に平和を守れない。そこを大いに訴えていきたい」
住民の入れ替わりが激しく、無党派層の動向もカギを握るとされる福岡2区。6度目の対決となる、自民・鬼木さんと中道・稲富さんによる事実上の一騎打ちの構図で終盤戦を迎えている。
(テレビ西日本)
