「経営は孤独ではない」——多様な視点と仲間が紡ぐ、マルラニの組織哲学
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代表高橋と看板メニュー「ポークスペアリブの薬膳カレー」
株式会社マルラニは2016年2月に設立し、神保町で飲食店「Cafe&Dining jimbocho」と、オーガニック&エシカルなセレクトショップ「LAULE’A(ラウレア)」を運営しています。
シングルマザー家庭で育ち、高卒で証券会社での勤務経験がある代表の高橋が掲げるのは、「経営は孤独ではなくチームを作ること」。経営者は判断や責任を一人で抱えがちですが、実際の事業は多くの仲間たちの力が集まって前進します。
本ストーリーでは、コロナ禍からの転換で神田カレーグランプリ優勝をつかむまでの裏側、親子向けワークショップやこども食堂への食事提供等の地域貢献、そして次のビジョンまでをお届けします。
また、起業を志す若者が実践を通して成長できる“プロジェクト制”の運営にも触れていきます。
シングルマザー家庭、高卒事務職からの自立。現場で培った“当事者意識で考える力”
代表の高橋は、両親の離婚を経験し、シングルマザー家庭で育ちました。
早く社会に出て自立するため高校卒業後すぐに証券会社で一般事務として働き始めます。一方で「ただ漠然と働くだけでは将来が明るくならない」という焦りも抱えていました。
社会人になって2〜3年が過ぎた頃、知り合った経営者から「会社員のうちに次のステップの準備をするんだ」と背中を押され、定時後や土日に営業代行の仕事へ挑戦。
最初は売上が立たない日々でしたが、少しずつ成果が出るにつれ、同じように起業を志す仲間が集まっていきました。
また、20代前半から続いていた肌荒れ・頭皮の悩みも、彼女の価値観を形づくります。
成分表を見て商品を選ぶうちに、体にやさしいものほど小規模な生産者が多く、広告費の壁で知られにくい現実を痛感。
大量生産では出来ないことを中小企業のメーカーは実現させている。このことをもっと多くの人に知って欲しい。だからこそ実店舗で“試して選べる”場が必要だ」——この課題意識が、小売事業を立ち上げる原動力になりました。
仲間が増えるほど「夜遅くまで志ある人が集まり、語り合える場所がほしい」と思うようになり、まずは“場”づくりに着手。
飲食店勤務経験の仲間の存在も後押しとなり、飲食店としての開業を決断しました。
両事業で大事にしてきたことは、スタッフにも「将来起業する前提でオーナー意識を持つ」こと。ここで培った“当事者意識で考える力”が、その後の店舗運営と挑戦の土台になっていきます。
"最初に形になったのは、志を共にする仲間が集える飲食店でした。『Cafe&Dining jimbocho』は、昼はハワイアン料理を中心に提供するカフェ、夜は貸切スペースとして“語り合える場”をつくるという、目的ありきのスタートでした。
紹介で仲間が増え、凄腕の店長も友人の紹介で出会うなど、信頼を軸にしたチームづくりが特徴です。
コロナ禍での致命的な打撃。ミシュラン修業の店長と挑んだ、未経験からの「薬膳カレー」開発
しかし順調に進んでいた矢先、2020年のコロナ禍で外食と夜の集まりが激減。
夜間営業ができない状況は、「場」を軸にしていた店舗にとって致命的でした。
すぐに関係者を集めて作戦会議を実施。
飲食コンサルタントの友人からの「カレーをメインにしてはどうか?」という提案に戸惑いながらも、実績ある知見を借りる決断をします。
ここからは、ミシュラン星付きレストランで修業した店長・茂山と二人三脚の試行錯誤。
カレー未経験で辛いものが苦手な茂山が、数多くの店のカレーを食べ歩き、味を研究。
フレンチとイタリアンの技法を活かしつつ、“素人だからこそ先入観がない”発想で、食べることで「癒し・慈愛」を届けるコンセプトを磨き込みました。
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「映え」な見た目でも味でも、食べる人の心を掴む薬膳カレー
神田カレーグランプリ優勝の鍵。フレンチ・イタリアンの技法と、徹底した「勝つための戦略」
半年におよぶ開発期間を経て、2022年5月には薬膳茶と薬膳カレーのコンセプトでディナー営業をスタート。
すでに3度出場経験をしていた神田カレーグランプリでは、2023年に優勝を獲得します。
その裏側にあったのは、味はもちろんのこと戦略と発信の徹底でした。
グランプリの前年では手応えを感じながらも入賞はできず。悔しさを抱えながらも、多くのお客様の声が「もう一度挑戦しよう」という原動力になりました。次の年に狙いを定めて、メニュー改良と導線づくり、告知の設計まで“勝つための準備”を積み上げ、結果に結びつけます。徹底的に認知度を上げファンを獲得していったことが連鎖し来店数も、売上も前年度対比で1.5倍に増えました。まさに応援したい、という声が集客のエンジンになった瞬間です。
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神田カレーグランプリ2023の表彰式に登壇する高橋とスタッフ一同
代表不在の危機を救った「プロジェクト制」。メンバー全員がオーナー意識を持つ“自走する組織”の形
LAULE'A=幸せの七角形のシンボルが目を引く店頭外観
コロナ禍がまだ収束していない2021年、高橋は小売事業として『LAULE’A』も立ち上げます。
肌や頭皮に悩んだ自身の経験から、消費者目線で作られたオーガニック・エシカル商品を厳選し、店頭でテスター体験ができる環境を整備。
大手ではない小規模メーカーの想いと品質を、リアルな接点で届けることで、消費者にも生産者にも“納得の循環”を生み出そうとしてきました。
LAULE'Aオープン直前に高橋が体調を崩し寝込んでしまいました。
本来指示を出す立場の者が不在になるため準備がストップしてもおかしくない状況。
そんな中プロジェクト制で主体性を持っていたメンバーたちは自発的に動き、什器の搬入から陳列、SNSの発信準備までを進行。
代表不在のなかでも全員が自分ごととして店舗立ち上げを支えました。
この出来事は、マルラニの組織文化の強さと信頼の証とも言える瞬間でした。
定期的に開催しているクリーン活動も、メンバーの意見により企画が始まった
こうしたプロセスで高橋が大切にしてきたのは、メンバーの一人ひとりが当事者として考えること。
「自分がお金を出すつもりで取り組む」というオーナー意識を持つ視点を共有し、プロジェクト制で任せることで、現場が“育つ場”にもなるよう設計してきました。
経営は一人の力だけで進めるものではなく、理念に共感し、同じ方向を向いて支え合う仲間の存在によって形づくられます。経営者は判断や責任を一人で抱えがちですが、実際には、現場で動くスタッフ、企画を練るメンバー、意見をくれる仲間たちの力が集まって初めて事業は前へ進む。孤独な戦いではなく、多様な視点と協力が集まってこそ、強くしなやかな組織になるのです。
Cafe&Dining jimbochomの薬膳カレー、そしてLAULE’Aは、いずれも「お客様の声が事業の方向性を磨いてくれる」という実感を与えてくれました。
薬膳カレーは、当初こそ“未知のジャンル”という印象を持たれがちでしたが、身体へのやさしさや素材感を大切にした味わいが口コミで広がり、「身体が暖かくなって食べるとホッとする」
「ちゃんと美味しくて健康的なカレーは珍しい」といった評価をいただくようになりました。
特に、フレンチとイタリアンの技法を掛け合わせた独自性は、驚きと感動を与え多くのリピーターを生む強みとなりました。
LAULE’Aも同様に、「試してから買える」「小規模ブランドの想いが伝わる」という点が支持され、リピート率の高さや顧客単価の向上につながっていきました。
生産者と消費者をつなぐ循環型の購買体験は、コロナ禍で価値観が変化した時代背景とも相性が良く、多くの方に「ここで買う理由」を感じていただけたと実感しています。
事業の成果としても、神田カレーグランプリの優勝をきっかけに、イベント出店依頼、企業とのコラボレーションなど新たな機会が増えました。SB食品から販売されたレトルトカレーは昨年からの累計で35万食を超えています。
LAULE’Aも地域のお客様はもちろん、紹介で来店される方が多く、ブランドの“ファン”という存在の大きさを再認識することができたと思います。
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Cafe&Dining jimbocho店内
神保町から社会を変える。食・暮らし・学びを繋ぎ、次世代の起業家が育つプラットフォームへ
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2024年より夏休みの自由研究に生かせるワークショップを開催
今後は神保町を拠点に、食・暮らし・学びがつながる拠点へ。
飲食店ではカレーを軸に新メニューやコラボを強化し、LAULE’Aではオーガニック&エシカル商品の出会いと“試して選べる”体験を磨きます。広告費に頼らず品質で勝負する小規模メーカーの魅力を、店舗・イベント・発信を連動させて届けること、親子向けワークショップや、こども食堂への食事提供、キャリアデザイン講演も継続。
勝てるチームづくりをしながら、その仲間と共に志を同じくする生産者・企業・地域の皆さまと協働の輪を広げていきます。
起業を実現できるような実力をつけた仲間たちとは様々な挑戦が可能になるのでとても楽しみです。
日本の若者が自立して働き続けられる社会になるよう、挑戦する人が育つ“場”をつくることに使命を持って挑戦していきます。
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