北朝鮮で近く開催されるとみられる「党大会」を前に、自身の政策の成果をアピールする金正恩(キム・ジョンウン)総書記。
一方で脱北者らは、厳しい統制が続く北朝鮮の現状を「北朝鮮の全ての人が自由を望んでいます」と明かします。
店内に整然と陳列された生活用品を見て回る北朝鮮の最高指導者・金正恩総書記。
2025年12月、地方に建てられた商業施設を視察しました。
金総書記は、2025年の後半から連日、自らが打ち出した地方創生政策によって建てられた農場やホテルなどを視察し、市民の生活水準向上をアピールしています。
その背景にあるのが、近く開催されるとみられる朝鮮労働党の党大会です。
党大会は5年に一度開かれ、党の政策の成果を総括するとともに、新たな目標や方針を打ち出す最重要イベント。
金総書記はその開催に向け、様々なアピールを続けているとみられています。
都市の発展や生活水準の向上を内外に訴える北朝鮮。
しかし、2年3カ月ほど前に脱北した女性は、それらの政策を「市民の意思を無視したものだと指摘します。
脱北者のカン・ギュリさん:
住民のお金を吸い込んで好き勝手に建物を建てているので、肯定的に考えている住民は多分いないと思います。(北朝鮮にいた当時)格好良いマンションを建てるのもいいなと思ったが、結局、北朝鮮の住民がそこに入って住むことはできません。
その北朝鮮で、当局の厳しい監視・統制により難しくなっているというのが脱北です。
これまでに約3000人を脱北させてきたという韓国在住の脱北ブローカー、ファン・ジソン氏は脱北を巡る現状を「(韓国にいる脱北者から)『子どもを置いてきた』『両親を連れてこなければならない』と依頼が来る。最近は2億ウォン(約2200万円)の依頼も受けた。『娘を連れてきてくれれば2億ウォン』でも今はできない」と証言します。
ファン氏によると、北朝鮮では2020年ごろから新型コロナ対策として外国との往来を禁止して以降、境界付近では厳重な警備が続いているといいます。
加えて、中国・東南アジアルートの取り締まりも厳しくなり、既存の脱北ルートは使えない状況にあるということです。
脱北者のカン・ギュリさん:
以前は(脱北者を)ただ捕まえて監獄に入れたりしていましたが、今はすぐに銃殺してしまう。(境界には)壁を高く築いて地雷畑も拡大したことで、多くの人が(脱北を)全く考えられないようになった。
そうした中で韓国統一省は20日、2025年に韓国入りした脱北者が224人だったと発表。
これは、コロナ禍前の約5分の1の人数だということです。
話を聞いた脱北女性は「市民が一番に求めていることは自由に生きる権利」だと訴えています。
脱北者のカン・ギュリさん:
北朝鮮の全ての人が自由を望んでいます。(脱北が)難しくなった状況ですが、若者たち、自由を渇望する人は危険を冒してでも脱北すると思う。