遺体を店に隠し通常営業 “異様な事件”の背景に何が――
北海道日高町で女性看護師の遺体を遺棄した疑いで、1月10日にバーの経営者が逮捕されてから1週間。
遺体を自らが経営するバーに隠したまま、通常の営業を続けていた“異様な事件”はなぜ起きたのか――
犯罪心理学に詳しい専門家は「濃密な人間関係の中で蓄積されたストレスが一気に爆発した突発的な犯行」と指摘する。
犯罪心理学者が指摘「突発的に起きた事件か」
この事件は2025年12月31日ごろ、日高町に住むバー経営者の松倉俊彦容疑者(49)が同じく日高町に住む知人の看護師、工藤日菜野さん(28)の遺体を店内の物置スペースに遺棄した疑いが持たれているものだ。
工藤さんの死因は、ロープのようなもので首を絞められたことによる窒息死だった。
犯罪心理学者で東京未来大学の出口保行教授は、今回の事件には計画性が感じられない特徴があるという。
「凶器がロープのようなものだったこと、遺体を外に持ち出さず店内に隠したことから、突発的に起きた事件とみています」(出口教授)
「誰かに見られる恐怖…常に監視を」
遺体は客が行き交うダーツ台の裏手付近、縦横40センチの穴の奥、畳1畳分ほどの空間で見つかった。
そして、その穴はベニヤ板のようなものでふさがれていた。
「外に持ち出せば誰かに見られる恐怖があった。店内に置いておけば常に監視できる。計画性のない犯行では、こうした行動がみられる」と出口教授は分析する。
さらに松倉容疑者は1月2日、遺体が店内にある状態で営業を続けていたとみられている。
なぜ、発見されるリスクを冒してまで店を営業したのか――
猟奇的で無謀と思われるような行動の背景は?
猟奇的で無謀と思われるような行動の背景について出口教授は…
「平静を装うことが本人にとって重要だったのでしょう。いきなり店を休めば『何かあったのでは』と思われる。非日常を感じさせないための行動です」「他の人には分からなくても、本人は気配を感じたくない。バレないため、そして自分自身がその事実を知りたくないという心理が働いています」(出口教授)
2人は「狩猟」で意気投合か
出口教授は、工藤さんと松倉容疑者の関係性について「濃密な人間関係であればあるほど、不満や憤懣が蓄積される。それがある日突然、スイッチが入って爆発することがある」と説明する。
工藤さんは狩猟に興味を持ち、猟銃の免許を持つ松倉容疑者と意気投合したみられている。
いったい2人の間に何があったのか――
「関係性が濃密であればあるほど、一気にストレスを解消しようとする衝動が強まります」(出口教授)
警察は松倉容疑者が工藤さんを殺害した疑いもあるとみて、2人の関係性や事件に至った経緯を詳しく調べています。