通常国会冒頭で衆院解散し、早ければ2月8日にも投開票が行われる見込みとなるなか、立憲民主党と公明党が新党結成で電撃合意した。福岡の関係者にも衝撃が走っている。
来たる総選挙に向け波乱の展開
1月15日午後3時から開かれた立憲民主党と公明党の党首会談。

▼立憲民主党 野田佳彦・代表「中道のなかに進んで入って行こうという思いを持つ人たちが結集する決断をした。新党を立ち上げて戦っていく」

▼公明党 斉藤鉄夫・代表「立憲の野田代表の方から『中道勢力を作って行こう』という申し出があった。いろんな意見が支援者から上がっていることは確か」

2月8日の投開票が軸とされている衆議院選挙に向けて、両党が合流し新党を結成することを明らかにした。公明党は、広島3区の斉藤代表など4人の現職議員が小選挙区から撤退し、立憲民主党の候補者を支援する一方で、新党の比例名簿では公明党出身候補が上位に優遇される。

野党第一党の立憲民主党と、3カ月前までは与党だった公明党の"電撃合流”に福岡の人たちも驚きを隠せない様子だった。
「自民党さんのやり方に翻弄されて、ちょっと立憲さんも慌てているのかな」(60代・男性 アルバイト)。「公明党はだいたい与党だったじゃないですか。立憲と合流するというのは他の政党なら…というのはあったが、そこがちょっと驚いた」(70代・女性 パート)。

一方、立憲民主党を支持する人たちは「今まで支持母体も違ったし思想的にも…。ただ残念ではあるけど、野党が少しでも勢力増した方がいい」(立憲支持 60代・男性 自営業)。「急に公明党も野党になって、中道で結集してもらえばいいかなと。本当に理念が一緒になるかどうかはちょっとよく分からない」(立憲支持 70代・男性 行政書士)と話す。

また公明党の支援母体、創価学会の福岡の幹部は、テレビ西日本の取材に対し「党の存続に危機感を抱いていた斉藤代表が一線を越えた決断をした。現状では、選挙目当てだと捉えられかねず、長年与党として活動してきた上の世代が納得してくれるかどうか…」と不安を漏らした。

動いたのは立憲の安住幹事長…
“電撃合意”の背景にどんな動きがあったのか、永田町取材では定評あるジャーナリストの鈴木哲夫さんがその舞台裏を明かした。1月14日から15日にかけて、どういう流れがあったのか。

「きのう(14日)大きく動きましたよね。辿って行くと実は、公明党が自民党との連立から離れましたよね。この時からもう立憲はアプローチしているんですよ。はっきり言いますけど、幹事長の安住淳さん。この人はリアリストで『勝つためには何でもあり』という人だから、いろいろやるだろうと思ったら、やはり動いて。それから代表代行の馬淵澄夫さん、この辺りが連携ということで動いていました」
「ただ、新党というよりも第1段階は選挙での統一名簿で、きのう僕のところに連絡があって『明日(15日)党首会談をやって、いわゆる連携みたいなことで話があります』と聞きました。統一名簿のことだなと。統一名簿というのもけっこう大変な作業なんですが、そしたら夕方になって『いや、統一名簿どころか新党です』と。これは立憲の議員からも連絡があったんですよ。首相の高市さんの冒頭解散にも驚いたけど、それに続いてまた驚きだったし、新党までは予測してませんでした」

「だけど、いろいろ取材をしてみると、公明党はきのう(14日)最大の支持母体の創価学会が、かなり長い会議をやっていて『連携、そして新党はOKだ』という結論を出した。そこで動き出した。お互いにそれぞれの党で戦ってももう限界が来ているわけです。支持者も比例票もね。ここはひとつになって理念についても保守中道だから、これは政界再編の第一幕ですよね」

「(特に公明党は党の存続を含めてかなり追い込まれていた?)そうですね。比例票がかつては700万~800万と言っていたのが、もう今度500万切るかもしれないと。そしたら、もう自分の党だけで再生して行くにも限界があるわけですよね。党の存続という意味でも連携を模索した。ある種、利害が一致したということでしょうけど、 僕は、政界再編はしないといけなかったと思います。バラバラよりもひとつの核になるという意味ではありかなと」
公明票が立憲へ?自民20議席失う見方も
公明党は、これまで福岡の11の小選挙区では候補を擁立していないが、福岡では今後、どういうことが起きるか。
毎回、超激戦となる都心部の福岡2区。前回、2024年は、それまで4連勝していた自民の鬼木誠さんが敗れたが(その後、比例復活)、その鬼木さんには、過去の地方選の結果などを踏まえると公明票が2万票ほど乗っていたと考えられる。これが新党結成によって立憲の稲富修二さんの方にそのまま流れるとすれば、鬼木さんとしてはさらに厳しい戦いを強いられることになるが―。

「立憲も公明も一般の無党派層を取っているわけじゃないんですね。今、出ている票が恐らく組織票も含めて、割とカチッとした票だと思いますので、それが上積みだけしていきますから、自民党の候補たちはけっこうハラハラしてると思いますよ」
「公明の票というのは選挙区で1万から3万くらい、平均で2万くらいあるんですが、単純に公明の票が全部乗ったら70ぐらいは自民党が負けちゃうんですよ。もちろん立憲の人気もちょっと落ち目とか、今回の合流への批判もあるので、そこまではないにしても、これは公明党の幹部が言ってたんだけど、それでも20ぐらいは自民党が落ちると。高市さんが狙っている単独過半数どころじゃなくなるわけですね。これ非常に大きな動きになると僕は思いますね」
単独過半数を狙うための早期解散が逆に
「僕に言わせると高市さんが解散という無茶をやったから、逆にこの動きが加速したこともあると思う。でも、対決型の選挙にならないと、いっぱい政党があってやっているよりも、こういう意味で僕はまとまっていくというのは、最終的には有権者が判断することだけど、悪いことではないと思う」

かつて盟友だった自民党に一矢報いるという思いが公明党にはあるのか?
「そうですね。 新党になったら自民に票を回すことはもうないので、これは相当、自民党は痛いと思いますね」(2026年1月16日放送『報道ワイド 記者のチカラ』より)
(テレビ西日本)
