岩手県大船渡市にある中学軟式野球の合同チームが3月に開催される、全国大会に出場します。
山林火災により活動が制限された苦難の時期を乗り越え、ふるさとへの思いを胸に大舞台に挑みます。

大船渡市の軟式野球チーム「東朋・大船渡連合」は、東朋中学校と大船渡中学校の野球部で2024年7月に結成し、2026年1月時点で合わせて21人の1.2年生が所属しています。

チームは2025年8月、新人戦の県大会に出場すると、5試合全てで5得点以上を挙げたほか、決勝を含め4試合でコールド勝ちを収める圧倒的な攻撃力で優勝しました。
2026年3月に岡山県で開かれる全国大会への切符を見事勝ち取りました。

その戦いぶりが示す通り、東朋・大船渡連合の強みは打撃力です。
多いときには1日に1000本の素振りを行う圧倒的な練習量が、チームを全国レベルに押し上げました。

東朋・大船渡連合 磯谷幸喜監督
「凡打してもいいから、どんどん力強く振ること」

チームの指揮を執る磯谷幸喜監督は、ミスを恐れず積極的にフルスイングしていくよう指導しています。

東朋・大船渡連合 磯谷幸喜監督
「(ボールを)遠くに飛ばせと、好きなように打たせている。力強く振れと指導している」

この東朋・大船渡連合をけん引しているのが、2人の2年生。
3番バッターの志田栄駿主将と、1番バッターの河原凪選手です。

共に東朋中学校に在籍する2人は、有力選手で構成される県選抜チームのメンバーでもあります。

志田主将は、ボールを正確に捉える技術と選球眼に優れ、新人戦では出塁率が6割を超えたチームの得点源。
守備では主にショートを任され、俊足を活かした広い守備範囲と正確なスローイングでチームの守りを支えています。

東朋・大船渡連合 志田栄駿主将(東朋中2年)
「キャプテンがみんなを引っぱっていけるように、ピンチでもフォアボールなどで塁に出てチャンスをつくっていきたい」

そして河原選手は2025年の新人戦初戦でホームランを打つなど、長打力が光る強打者。
守備ではキャッチャーを務め、遠投は100mをマークするという強肩を生かし、ランナーの進塁を阻みます。

東朋・大船渡連合 河原凪選手(東朋中2年)
「(塁に)自分が出るという強い気持ちで打席に向かっている。自分の打撃でチームを勝たせられるように頑張りたい」

結成からわずか1年ほどで全国大会出場を決めた東朋・大船渡連合。
順風満帆に見えるチームですが、2025年2月、予想もしなかった出来事があり、活動が大きく制限されました。

平成以降では国内で最大規模・約3370haが焼失した大船渡市の山林火災です。
避難指示の対象は最大で4500人余りに上り、大船渡中学校には避難所が開設されたほか東朋中学校は立ち入り禁止のエリアになりました。

選手たちに被害はありませんでしたが、避難指示が解除され学校生活が通常通りになるまでの約1カ月、野球ができない日々を過ごしました。

大船渡中学校に在籍する2年生の村上煌成選手は、日々の合同練習でチームが着実に力をつけていく中、その歩みが止められてしまった当時の状況を、こう振り返ります。

東朋・大船渡連合 村上煌成選手(大船渡中2年)
「みんなとの野球が楽しかった時期だったので、(野球が)なくなってしまったらどうしようかと不安でした」

それでも村上選手や志田主将は、山林火災の後、仲間と再びグラウンドに立てたことでチームの絆が一層強まり、それが全国大会出場の原動力になったと感じています。

東朋・大船渡連合 村上煌成選手(大船渡中2年)
「またみんなと高め合って全国1位を目指せるようになれて良かった」

東朋・大船渡連合 志田栄駿主将(東朋中2年)
「山林火災が鎮圧してもう一回練習しようとなったときも、みんな仲が良く団結できたので、そこが良かったので(試合で)勝てた」

山林火災という逆境に負けず、仲間と歩みを進めてきた東朋・大船渡連合。
その力強さを全国の舞台で示し、地元・大船渡に大きな力を届けます。

東朋・大船渡連合 志田栄駿主将(東朋中2年)
「自分たちが勝つことだけではなく、地域の人たちには支援金なども結構もらっているので、大船渡と岩手県に恩返しができるようにチームでやっていきたい」

岩手めんこいテレビ
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