2025年は物価高に翻弄された1年だった。

値上げされた食料品は2万品目以上。

2025年に注目を集めたコメの価格について伝える。

令和の米騒動

「めちゃめちゃ、うれしいです。大変でした、高くて。帰って、コメをといで食べてみます」(備蓄米を購入した人)

2025年6月、札幌市でも随意契約による政府備蓄米の販売が始まった。

2022年産のコメの価格は5キロ2150円。

大勢の人が詰めかけた。

「最後の1個です、うれしいです。待っていました。入院していたから、退院したら『4000円になっているよ』と言われた」(備蓄米を購入した人)

備蓄米を購入した人
備蓄米を購入した人
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物価高に振り回された2025年。

民間の調査会社「帝国データバンク」によると、値上げされた食料品は2万609品目で2024年の1.6倍以上。

主食のコメも例外ではない。

2024年から続いた、いわゆる「令和の米騒動」。

秋に新米が流通すると落ち着くと言われていたが、5キロ2000円台だったスーパーでの平均価格はじわじわと高騰。

3月には史上初の4000円台となり、その後も高騰した。

コメの高騰が続き「令和の米騒動」に
コメの高騰が続き「令和の米騒動」に

そんな中、消費者の心理を逆なでしたのが―。

「私もコメを買ったことがない」(江藤拓元農水相)

この発言で事実上の更迭となった江藤拓元農水大臣。

後任には。

「とにかくコメだと、コメ担当大臣だと」(小泉進次郎前農水相)

こうして行われたのが、政府備蓄米の随意契約による放出だった。

政府備蓄米が随意契約で放出に。行列ができた。
政府備蓄米が随意契約で放出に。行列ができた。

小売業者と直接契約することで5キロ2000円前後のコメが流通し、平均価格は3500円台にまで下がった。

長く価格が上がらず苦しんでいたコメ農家は、持続可能な環境を期待している。

平均価格は3500円台にまで下がった
平均価格は3500円台にまで下がった

2025年は農協が農家に前払いする「概算金」が2024年の1.7倍以上に引き上げられた。

「これまでは普通に作っているだけで、どんどん利益が減っていくだけだった。機械の購入などもあるので、概算金引き上げで余裕をもって次に進める」(旭川市のコメ農家 川添宏明さん)

「概算金(玄米60キロ)」が2025年に3万円にまで引き上がった
「概算金(玄米60キロ)」が2025年に3万円にまで引き上がった

現在のコメ価格は?

人々を翻弄したコメの価格。

現在はどうなっているのだろうか。

「こちらが玄米を一時保管している倉庫です。すぐ白米にして商品にするためのコメを置いている場所」(糧とく 杉山広大さん)

北海道江別市のコメ卸売業者「糧とく」。

農家から直接仕入れたコメを精米し、スーパーやディスカウントストアなどに販売している。

2025年は流通に異変が起きていたという。

「通常コメを扱っていない会社や大手商社が農家に『最終的な取引価格の2割ぐらい高い価格で買う』と提示してきた例も。客に納める量を守らねばならず、若干高くても買わざるを得ない。そのようなことが重なり、値段がどんどん高騰していった」(杉山さん)

倉庫では玄米が大量に保管
倉庫では玄米が大量に保管

コメ農家に対し高値での買い取りを持ちかける「青田買い」の動きがあり、価格が高騰したという。

仕入れ値はどれくらい上昇したのだろうか。

「2024年比でいうと正確な数字ではないが、仕入れ価格は3~4割ぐらい高い値段になっている」(杉山さん)

「青田買い」で仕入れ値が上昇
「青田買い」で仕入れ値が上昇

コメの争奪戦に拍車がかかり、JAなどの集荷業者と卸売業者との取引価格は2024年の1.5倍以上になった。

11月下旬のスーパーでの平均販売価格は4335円と過去最高値を更新。

それ以降、高止まりが続いている。

現在の販売価格は高止まり傾向
現在の販売価格は高止まり傾向

消費者の声は?

「炊きあがりは変わらないでしょう? 色も白いよ。うちは千葉のコメしかない」(高田 桂子さん)

札幌市厚別区の高田勉さんと桂子さん。

半年前には早朝から並んで安い随意契約の備蓄米を購入していた。

コメ価格が再び高騰している今、年金生活の2人にとっては大きな痛手だ。

「スーパーで買うコメが5000円近くなると、ちょっと異常だ」(高田勉さん)

高田勉さん
高田勉さん

スーパーのコメには、なかなか手が出せない。

2024年まで住んでいた千葉県の農家から、送料込みで5キロ3800円ほどのコメを取り寄せている。

「3000円台になったら北海道のコメも食べてもいいと思う。北海道に住んでいるので、北海道のものを消費するのが本当は一番いいのだろうけど」(高田桂子さん)

高田 桂子さん
高田 桂子さん

札幌市北区のスーパー「クーリッチ拓北店」。

現在、コメの売れ行きは鈍いという。

「コメの買い控えがあり、麺やパンに置き換えるなど、それぞれの家庭で工夫している感じがする。週1回でも値引きをして提供することが必要かなと思う」(クーリッチ拓北店 高西邦明さん)

こちらでは2025年10月から毎週金曜日、コメを1割引きで販売している。

どうにか消費を拡大し、食卓に行き渡らせようと模索しているのだ。

クーリッチ拓北店 高西 邦明さん
クーリッチ拓北店 高西 邦明さん

消費者のコメに対する価値観は変わったのだろうか。

「貴重に、大事に食べるようになった」(来店客)

コメを「大事に食べる」という来店客
コメを「大事に食べる」という来店客

「子どもに最初は少なめにして、残さないようにおかわりさせて食べさせている。高いので捨てることはできない」(来店客)

「納豆ご飯が好き」(来店客の子ども)

どんなところが好きか聞いてみると。

「全部!」(来店客の子ども)

2026年のコメの価格は、どうなるのだろうか。

「来年、価格は下がるのでは」と高西さん
「来年、価格は下がるのでは」と高西さん
北海道文化放送
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