2025年の岩手県大船渡市での大規模山林火災を受け、2026年1月から「林野火災注意報」と「警報」の運用が始まった。乾燥しやすい1月から5月にかけて発令される新制度で、岩手県内の多くの消防本部ですでに運用が開始されている。特に警報が発令された場合は屋外での火の使用が禁止され、違反すると最大30万円の罰金が科される可能性もある。空気が乾燥する冬から春にかけて、山林火災のリスクが高まる時期に備えた新たな防災対策について詳しく解説する。

新制度誕生の背景

2026年1月1日から運用が開始された「林野火災注意報」と「警報」は、2025年に岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災を受けて新設されたものである。
空気が乾燥しやすい1月から5月の期間が発令の対象となっている。

2025年2月発生、平成以降最大規模の山林火災(岩手・大船渡市)
2025年2月発生、平成以降最大規模の山林火災(岩手・大船渡市)
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1月8日現在、県内では盛岡消防本部を除く11の消防本部で運用が始まっている。盛岡消防本部については、地域での周知を徹底した上で3月から運用を開始する予定となっている。

注意報と警報の発令基準

林野火災注意報と警報は、文字通り「林野火災が発生・延焼しやすい状況になった場合」に発令される。

具体的な発令基準は以下の通り。

林野火災注意報と警報 発令の条件
林野火災注意報と警報 発令の条件

「林野火災注意報」は、前日までの3日間の合計降水量が1mm以下で、かつ「乾燥注意報」が気象庁から発表された場合などに発令される。

一方、「林野火災警報」はより厳しい基準で、火災が大規模化しやすい状況下で発令される。
具体的には、注意報の発令条件に加えて「強風注意報」が発表された場合に発令される。

注意報と警報で異なる規制内容と罰則

注意報と警報では、市民に求められる行動と違反した場合の扱いに大きな違いがある。

「林野火災注意報」が発令されている場合、屋外での火の使用(火遊びやたき火)、山林や原野での草木の焼却などの行為を控えることが求められる。
ただし、これはあくまで「努力義務」という位置づけで、罰則は設けられていない。

規制内容と罰則、注意報と警報で異なる
規制内容と罰則、注意報と警報で異なる

これに対して「林野火災警報」が発令された場合は、これらの火の使用行為が「禁止」となる。
違反した場合には30万円以下の罰金が課される可能性があり、法的拘束力が伴う点が大きな違いである。

初めての警報、沿岸北部で発令

その運用初日の1月1日午前9時、宮古地区消防本部は、宮古市と山田町に林野火災注意報を発令した。

また1月4日から5日にかけて沿岸北部の8つの市町村に「林野火災警報」が運用開始後、県内で初めての発令された。

大船渡の大規模火災では住宅など226棟が被災、1人の犠牲者を出した
大船渡の大規模火災では住宅など226棟が被災、1人の犠牲者を出した

その後、1月6日の夕方にはすべての警報・注意報が解除されたが、空気が乾燥する時期はこれからも続くため、引き続き火の取り扱いには十分な注意が必要である。

岩手めんこいテレビ
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