日本維新の会が、いわゆる「国保逃れ疑惑」について実態調査の中間報告を行い、4人の地方議員が、脱法的と捉えられる行為をしていたと発表しました。

会見では、新たな疑惑も浮上しています。

【日本維新の会・中司宏幹事長】「自分たちだけがこうして保険料を下げるための悪質と言わざるを得ないところに手を染めていた議員がいたということにつきましては党内でも大きな問題となっておりまして。

明らかに現行制度の趣旨を逸脱する国保逃れのような脱法的行為については受け入れられないものでありまして、関与した者には処分を対象として検討いたします」

■処分対象は維新所属の兵庫県議や神戸市議会議員など4人

処分の対象は兵庫県議会の長崎寛親議員、赤石理生議員、尼崎市議会の長崎久美議員、神戸市議会の南野裕子議員。

4人に浮上した「国保逃れ」の疑惑とは...

■維新議員が行った脱法的な手口とは...

一般的にフリーランスや議員が加入する「国民健康保険」は、保険料を全額自己負担で払う必要があります。

一方、会社員などが加入する「社会保険」の場合は、会社が保険料を折半してくれるため”国保”の方が負担する保険料が高くなる傾向があります。

そして今回、浮上したのは、フリーランスや議員でも社会保険に入れると謳う「一般社団法人X」の存在です。

■中司幹事長「結果として、応能負担という現行制度の趣旨を逸脱している」

関西テレビが入手した「法人X」の指南書によると、フリーランスが会費を支払って理事となり、数百円程度の報酬を受け取ることで「社会保険」の枠組みに入り「保険料負担を最低水準に落とす」。国保よりも「80万円程度のコストを削減できる」などと書かれていました。

「法人X」に実体はあるのか?

登記簿を確認すると辞任した人も合わせ、「理事」が700人以上も名を連ね…。

その中に今回発表された4人の名前がありました。

党の調査に対し、4人は、毎月会費として、3万4000円から5万円を法人Xに支払い、月1万円あまりの報酬を得ていたと回答。

理事として、月に2回、金融や年金などについてアンケートに答え、制度に関する知識の向上に努めていたと主張したといいますが…

【日本維新の会・中司宏幹事長】「議員報酬を基準とした国民健康保険料よりも低額な保険料となっていたという外形的な事情からして、結果として、応能負担という現行制度の趣旨を逸脱している」

中司幹事長は、このように述べ、4人を処分するとしました。

【記者】「4人の議員は国保逃れをするという趣旨ではなかったと説明しているが、何を目的にこの団体に参画した?」

【日本維新の会・中司宏幹事長】「それについては、詳しくは把握してないが、外形的事実として、国保逃れと捉えられるような業務内容だったと判断して、それで、処分をしなければならないと考えているので、本人がどう考えていたかについて答える材料がない」

■法人「X」代表理事は日本維新の会の国会議員の元秘書

また、7日の会見で法人Xの代表理事を務めるのは、日本維新の会の国会議員の元秘書であることが判明。

”国保逃れ”の情報は兵庫県内の維新関係者の間で共有されていたとみられます。

このことについて、中司幹事長は「維新が組織的に関与した事実はない」と話しました。

■処分対象の議員は...

処分対象となった議員は、どう説明するのか、赤石兵庫県議は...

【赤石理生・兵庫県議】「僕言えることないんですよ、党からまだ何も…答えられないので。ゴメンナサイ」

その上で赤石県議は、法人Xの指南書については、「見たことはない」と話しました。

【日本維新の会・吉村洋文代表】「法人の実態と特別党員(4議員ら)がどう関与したのか追加調査がもう少し必要ではないか。形式的に法に反していないとしても一生懸命働いて真面目に国保を納めている人が多くいるから脱法的な行為があったとするなら、厳しく処分する。

政治家として公選職で選ばれている身としてどう考えているかということに尽きる。もし当事者に問題意識が無かったとするならばそれ自体が問題だし党としても許されないと厳しく対応していく」

今回の調査では法人「X」の理事になっていた4人以外にも、類似する法人への関与がある党員が4人いたことも判明。

この4人に関して、党としては「現段階で国保逃れを目的としたものではない」という認識ですが、引き続き調査を行うとしています。

■元区議がLINEグループで提案か

また、東京維新の会所属の元区議が去年7月、LINEグループで「議員を続けながら社会保険に加入し支払いを2万4千円程度に下げることが可能」といった提案を発信していたこともわかりました。

中司幹事長は、「これについては調査中でありますのできょうはお答えできませんが追って報告する」とし、内容が判明次第、「厳正に処分を行う」としています。

「社会保険料の削減」を一丁目一番地に掲げる政党内で起きた脱法ともとれる「国保逃れ」問題。有権者が納得のいく説明はなされるのでしょうか?

■「維新は改革の党なのに法律をうまく逃れている。維新らしくない」と指摘

“国保逃れ”の4人の議員は、「法人の理事として業務を行っていたから国保逃れではない」と主張しています。維新は「脱法的な行為で処分も検討している」とのことです。

【ジャーナリスト鈴木哲夫さん】「維新は、基本的に改革の政党であって、改革の先頭に立つ、身を切る改革。社会保障保険の改革をしていく政党。改革の党なのに法律をうまく逃れている。これはもうまずい。

今日の発表は、まだ中間報告的。こういう問題は危機管理上はできるだけ早く(対応すべき)。その辺の中でゆるゆるしているところが維新らしくないと思います」

維新の調査で新たに分かった情報です。

・「法人X」の元代表と現代表は、維新の議員の元秘書
・今回の調査で明らかになった党員とは別の党員4人は類似する法人に関与
・東京維新の元区議が“国保逃れ”を提案

【ジャーナリスト鈴木哲夫さん】「党のトップが指示しているわけじゃない。だけど維新議員の中で(今回の)情報が共有されているとすれば、ある種、組織的なものがあった(と言える)。

底辺の議員から全員が維新の精神は何か。そういうものが必要じゃないか。ガバナンスが欠けているから、こういうところで抜けていくのかなと思う。ガバナンスを全体でとにかく議論していく、そういう維新に立ち返らないといけないと思います」

(関西テレビ「newsランナー」 2026年1月7日放送)

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