2024年に大阪湾に迷い込み、死んだクジラ。標本にするために埋められていたが、8日、約2年ぶりに掘り出された。
堺市西区の海辺で8日、大がかりな作業が。掘り起こされていたのはクジラの骨だ。
今後、クジラは骨格標本として展示される予定だが、展示までにはまだまだ時間がかかりそうだ。その理由は、クジラの骨は脂肪が多く、脂肪を完全に除去することが難しいからだ。骨格標本にするまでの長い道のりを取材した。
■2024年に目撃されたマッコウクジラ
2024年1月、大阪湾の各地で全長15メートルのオスのマッコウクジラが目撃された。
地元の漁師:見たのはみんな初めてだからびっくりしてて、潮を吹いた時は喜んでいましたね。
クジラはおよそ1カ月後、堺泉北港沖で死んでいるのが見つかった。

■2023年に迷い込んだ「淀ちゃん」は海に沈められたが、費用が高額となり問題に
大阪湾のクジラと言えば、2023年に淀川河口近くに迷い込んだマッコウクジラ、愛称「淀ちゃん」も。
その後死んだ淀ちゃんは、船に引かれて海に沈められた。その費用は、なんと約8000万円。
大阪市が試算の倍以上となる金額で業者と契約したことが問題となった。

■埋設されていたクジラを「骨格標本」に
こうした中、2024年に大阪湾に迷い込み、その後堺泉北港沖で死んだクジラについて、大阪府はより安い費用で済む埋設処分にすることに決定。
「骨格標本」として、大阪市立自然史博物館で展示することにし、土に埋められてからおよそ2年が経った。
記者リポート:手前では頭部の骨が掘り出されています。かなり大きな骨です。
すでに、7日のうちに重機で大まかに土は除去され、掘り出されたクジラの骨が並べられていた。

■吉村知事は「珍しいクジラを大阪府民・市民のみなさんに博物館で知ってもらうきっかけになれば」
むき出しになったいた頭部の骨は、上あごと下あご、2回に分けて、クレーンで釣り上げられた。
作業を視察していた吉村知事は…
大阪府・吉村洋文知事:非常に大きいなと思います。全長15メートルで国内的にも非常に珍しい。この珍しいクジラを大阪府民・市民のみなさんに博物館で知ってもらうきっかけになればと。

■クジラには骨の中にも脂肪が多く含まれ、標本にする作業は時間がかかる
引き取られた後のクジラの骨を標本にするには、どのような作業が必要なのか。
大阪市立自然史博物館では、過去に漂着したクジラの骨格標本を貴重な資料として展示している。ただ、すぐに標本にできるわけではないそうだ。
大阪市立自然史博物館学芸課長 佐久間大輔:腐らないものを長期間安定して保存できる状態にしたものが標本ですので。
土から掘り出しますが、もう少し砂場などに埋めて処理を進めないと展示できないと思います。
博物館によると、実はクジラには骨の中にも脂肪が多く含まれていて、標本にするには、博物館にある砂場でさらに埋めるなど、骨の中の脂肪を完全に除去する作業が必要なのだ。

■標本にするのに少なくともあと1~2年はかかるという
現場を訪れた、大阪市立自然史博物館でクジラを研究する和田主任学芸員は、標本にするのに「少なくともあと1~2年はかかる」と話す。
大阪市立自然史博物館 和田岳主任学芸員:第一義的には学術用の標本として保存を試みてます。
学校団体とか来て『クジラの話をしてほしい』って言われたら、骨の1個持って行って『でかいやろ~』って見せるような(ことも)。
やっぱり実物のパワーは全然違いますし、あんな大きなクジラがやってくるということは世界の海に繋がっているということ。
クジラが今後も大阪湾に迷い込む可能性はあるのか。
生態に詳しい専門家は、「これまで原因と考えられてきた黒潮大蛇行は終息したものの、けがなどが原因でうまく泳げずに迷い込むことは今後もあると思う」と話している。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年1月8日放送)

