2025年に発表された、北海道日本ハムファイターズの2軍本拠地の札幌圏への移転構想。
決定まで半年―自治体が躍起になる中、ファイターズ幹部に求める条件を聞いた。
2軍本拠地の移転構想が昨年7月に発表
「本当の意味で育成できる拠点を北海道に作らせてもらいたい。すべてに対してどこにもない世界一の施設を作りたい」(栗山英樹CBO)
2025年7月に発表されたファイターズの2軍本拠地の札幌圏への移転構想。
誘致を示した自治体が―「ファームの鼓動は苫小牧へ!」
ファイターズのファンが―「ファイターズ来てね!」

ボールパーク構想で新たな街づくりを
少子高齢化、人口減少…多くの自治体が抱える共通の課題。
球場だけではない住宅や商業地を新たに整備する街づくりに、多くの人がボールパーク構想の時のような夢を重ねている。
これまで札幌圏の6市が情報交換を進めていたが、12月23日北広島市が誘致撤退を表明。5つの市に絞られた。

移転先のキーマンに聞く『移転先に求める条件』
UHBは2軍本拠地、移転構想のキーマンファイターズ・小林兼副本部長に移転先に求める条件を聞いた。
1.アクセス
「新千歳空港とエスコンフィールド北海道からの距離を重視するっていうことは、それがチームの強化、チームのやりやすさにもつながるという意味では一番重要」

2.本拠地の広さ
「最低でも10ヘクタール以上を。広ければ、当然広いほどやれることが広がっていきますので、広い土地っていうのは非常に重要」
3.自治体の熱意
「お互いにやりたいって思うことを、そのまま率直にぶつけ合えるような関係性っていうのは重要だと思いますし、ノーから入らないで、まずお互いに検討してみるっていうような関係性ができればいい」(いずれもファイターズスポーツ&エンターテイメント 小林兼 開発本部副本部長)
ファイターズは2026年6月までに移転先の自治体を決める方針だ。
2軍本拠地はいったいどこの自治体に決まるのだろうか。

候補地:江別市
12月20日、江別市内で行われた矢澤宏太選手のトークショー。
約300人のファンが詰めかけた。
「いろんなところまわりましたけれど(江別市が)一番元気ありますね!」(ファイターズ矢澤宏太選手)
江別市は2025年5月にいち早く誘致期成会を設立するなどファンの熱が高い地域だ。
江別市出身のこの人も期待を寄せている。
「それはもう(江別に)なんとか作ってもらえればと思いますよ。(江別市は)江別地区と大麻地区をどう変えていくかが課題」(江別市まちづくりアドバイザー ヒロ福地さん)

JR江別駅周辺で再開発を検討
JR江別駅周辺では街の再開発が検討されている。市民からはこんな期待の声が―
「飛鳥山公園の向かいで工事をしているので、あのあたりが(候補地)じゃないかって話は聞いたことあります」
「蔦屋書店とか飛鳥山公園があるところ」
「(公園には)球場もあるんで、ぜひ来てほしい」(いずれも江別市民)
市立病院や大型書店などJR江別駅から直線で1キロほどの江別地区・若草町。
王子製紙の社宅跡地と隣の飛鳥山公園を活用し、江別地区の更なるにぎわい創出の期待が高まっている。

市民から市長へ“300人分の激励メッセージ”
「とんでもない数の市民が市長の背中を押しておりますので、どうぞ頑張ってやっていただきたい」(江別ファイターズ誘致期成会 龍田昌樹副会長)
12月22日、期成会のメンバーから約300人の市民の激励のメッセージを受け取った江別市の後藤好人市長。
「署名よりこっちの方が思いが伝わってくる。行政だけがやってるわけではないんだ。本当に多くの方々が期待してるんだっていうのはありがたいです」(江別市 後藤好人市長)

候補地:恵庭市
「北海道日本ハムファイタ―ズ2軍、恵庭に来てカニ~!!」
SNSで恵庭誘致をアピール。
恵庭市の誘致期成会は、市内の店や団体からファイターズ2軍移転への想いを募り、SNSに積極的に投稿している。
「日本ハムが2軍本拠地を作るって気持ちで誘致やってるんで、いま盛り上がってますよ」(福屋物産 山口臣則社長)

市民活動も活発
また恵庭市はガーデニングを通して自発的に街づくりに参加する市民性も特徴。
市民活動の活発さも2軍本拠地誘致につながっている。
こちらのラーメン店は2軍誘致を呼びかけるポスターや画像を手作りし、来店客に呼びかけている。
また、日本ハム名物のシャウエッセンと恵庭の工場で生産したキムチを使った味噌カレーラーメンも販売中。

市民活動の積極性とアクセスの良さ。
JR恵み野駅にも近い西島松地区が候補地とみられている。

候補:苫小牧市
12月開かれた苫小牧市議会。
党派を超え、全議員がファイターズのユニフォームを着用し議会に臨んだ。
「胆振、東胆振1市4町、日高管内も誘致に賛同して協力を頂いている。この熱意を球団側にも見てもらいたい」(苫小牧市議会 松井雅宏議長)

そして現在、JR苫小牧駅前はブルーのイルミネーション仕様に。
人も街も苫小牧はファイターズ一色となっている。
「野球とか苫小牧、スポーツやってる人は多いと思います」
「苫小牧は野球どころで、駒大苫小牧とかファイターズが来てくれたら起爆剤になるんじゃないかなと思います」(いずれも苫小牧市民)

苫小牧は雪が少ない冷涼な土地で、高校野球やJリーグの合宿誘致など、スポーツの街としての土壌が強い。
「(市民の)心意気に私も感動して、お手伝いしたいと思いますし。街全体も一緒に向かっていきたいですね」(苫小牧市 金沢俊市長)

スポーツの街・苫小牧。
JR苫小牧駅前や苫小牧東インター周辺などを候補の一つに協議を進めている。

2193億円の経済効果があると試算
各地で高まる誘致の機運。
自治体にとって興味深い、大きな数字も発表された。
民間の調査会社の試算では、2軍本拠地を道内に移転した場合、建設期間中と開業後10年間を合わせた自治体への経済効果が2193億円に上ることが明らかになった。
「2軍が来るかもしれないっていう時点で、街の今の立ち位置を見直して、課題・将来性とか、すごく見直す良いきっかけになっている」(八木隆太郎キャスター)
「結果としてそういったことが起こってるんであれば、それは地域にとっては非常に前向きな話なんじゃないかなと」
「地域の未来を担う子どもたちが日常的にきてくれる場所にもしたいですし、シニアの方々が楽しめる場所っていうのも当然理想だと思います」(ファイターズスポーツ&エンターテイメント 小林兼 開発本部副本部長)
UHBの取材ではファイターズが求める条件を満たす候補地の選定は進んでいて、ボールパーク建設時のように有力な2つの自治体に絞り込む見込むだ。
移転先が決まる2026年の6月まで目が離せない。
