アメリカのトランプ政権による軍事作戦で身柄を拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領は5日、ニューヨーク市の裁判所に初めて出廷し、麻薬密輸に関与した罪などについて無罪を主張した。マドゥロ大統領は冒頭、自分は大統領で誘拐されたと述べ、裁判官に発言を制止される場面もあった。

麻薬の密輸など4つの罪で起訴されたマドゥロ大統領は、厳重な警備の中、ニューヨークの拘置所からヘリで移送され、初出廷に臨んだ。

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裁判官に名前を確認されると、「私はニコラス・マドゥロ・モロスだ。ベネズエラの大統領だ。カラカスの自宅で誘拐された」とスペイン語で話し続け、裁判官に制止された。

罪状認否では「私は無実で無罪だ。私はまともな人間だ」と述べ、起訴内容を全面否認した。法廷でマドゥロ大統領はさかんにメモを取り、持ち帰ることも認められた。

裁判所の周辺ではマドゥロ氏の拘束を歓迎する人たちと、トランプ氏の手法に抗議する人たちが対立する場面もみられた。

次回の審理は3月17日に行われる。

また、国連の安全保障理事会は5日、アメリカによるベネズエラ攻撃を協議する緊急会合を開き、アメリカとベネズエラによる非難の応酬となった。

安全保障理事会はベネズエラの要請に基づいて開催され、アメリカのウォルツ国連大使がマドゥロ大統領について「彼は非合法な大統領で、正統な国家元首ではなかった。だからこそ、この残虐な政権から逃れてきた何百万ものベネズエラ人が世界中で歓声を上げている」と述べて、攻撃を正当化。これに対し、ベネズエラのモンカダ国連大使は、攻撃が「国連憲章の明白な違反だ」としてマドゥロ氏と夫人を直ちに帰国させるよう求めた。

その上で「危機に瀕しているのはベネズエラの主権だけではない。国際法の信頼性や国連の権威もだ」と訴えた。中国やロシアは、アメリカの攻撃を強く非難した。

イギリスは、国際法の原則遵守を強調しながらも、マドゥロ政権の正統性の欠如を指摘し、アメリカへの批判は避けた。

トランプ大統領は4日に、コロンビアの麻薬対策が不十分だとしてコロンビアへの攻撃の可能性を示唆している。

これに対し、コロンビアのペトロ大統領は5日、SNSに「祖国のためなら再び武器を取るだろう」と投稿し、反発した。

コロンビア国民からは、「全く関係ない私たちが代償を払わされる」「アメリカが来るなら、マドゥロと一緒にうちの大統領も連れていって」などの声が聞かれた。

こうした中、コロンビアの内務相は5日、麻薬取引対策でアメリカ政府と連携すると発表し、協力する姿勢を強調した。

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