無数に空けられた穴からこぼれ出す色鮮やかな光。幻想的な輝きを放つ「瓢箪(ひょうたん)アート」を手がけるのは、福島県三春町の田村吉徳さん(72)。好きなことに没頭する田村さんから、第二の人生を楽しむヒントを探した。
ひょうたんに魅せられて
「瓢箪は穴を空ける時に、ひびが入ったり割れたりすることもあります。何事も手加減、その辺を工夫しながら色々と、毎日やっております」と話す田村さん。
10年前、友人からもらった瓢箪の苗を育てたことが創作のきっかけとなった。品種ごとに異なる独特の形状に惹かれ、創作意欲に火がついたという。

「10年前には興味も何もなかったが、それらの瓢箪を使っていろいろなデザインとか彫刻を始めてみて、自分なりにこういうこともできるのかと。老後の楽しみ」と田村さんは笑顔で語る。
「何をやるにしても勉強」
第2の人生は瓢箪一筋。そのキャリアは約10年になり、これまでに4000点に迫る作品を生み出してきた。デザインはすべて田村さんのオリジナルで、三春町を代表する「滝桜」や「三春駒」をモチーフにした作品も手がける。

「何をやるにしても勉強というか、いろいろなことを考えることが私としては好き。何でもやればできる。やったら出来たってこともある」と創作への姿勢を語る。
穴の位置や大きさを計算し、美しく光が漏れるように緻密に設計された模様は、見る人を幻想的な世界へと誘う。なかには、スプレーで色付けした作品もあり、その表現の幅広さが窺える。
“好き”を重ねて…第二の人生
「家族からは、こんなにいっぱい作り過ぎてどうするんだとも言われますけど、自分の作品作りに癒しを感じております」と田村さん。
とことんのめり込む性格という彼は、瓢箪アートだけでなく、自宅には地域の人たちと歌で交流するため、音響にとことんこだわったカラオケルームまで整えた。あらゆる分野に好奇心を持ち、常に新しいことに挑戦し続けている。

「何事もやってみたら楽しくなるように。体が健康であれば何でもできるということで、続けられることが私の楽しみでもあります」と田村さんは語る。

瓢箪が好きで歌うことも好き。好きなことを重ねながら、歩む第二の人生。新しいことに挑戦する喜びが、田村さんの生活をやさしく照らしている。
