アイドル公演などで贈られる「スタンド花」をめぐり、生花店への未払い被害が相次いでいる。法人名義で注文後、数十万円の代金を踏み倒し音信不通になるケースが複数発覚し、警察が捜査を進める一方で、乃木坂46など一部のアイドルグループの運営側も注意喚起している。いま、推し活文化に影響が広がっている。

アイドルに贈る「スタンド花」トラブルが多発

開店祝いやアイドルのコンサートなどで見かける、専用のスタンドに華やかな花を生ける「スタンド花」をめぐり、トラブルが多発している。

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都内でスタンド花を販売しているA社の男性は、「もらった方も非常に悲しむだろうし。私ども、贈る人の気持ちをお花と一緒にお届けしたいが、そういうのを全て踏みにじられているような気持ち」と怒りをあらわにした。

A社は同じ男性から2025年の4月から6月にかけて、法人名義で合わせて11件、総額50万円ほどのスタンド花を複数のアイドルのコンサート会場に配達した。

しかし、「最後の方まとめて注文があったりして、支払い金額がグッと大きくなったので、『そろそろ支払いをしてくれないと持って行けません』と最後何度かメールでやりとりしたが。途絶えてしまった」と話す。

個人で注文する場合もあるが、1基につき平均2万円から3万円ほどかかるため、複数人でお金を出し合い、連名で贈ることが一般的だ。

生花店では、個人が注文する際、クレジットカードでの支払いが多い一方、法人は請求書払いも可能とする店もある。

男性はSNSでスタンド花の購入者を募集していたとみられ、法人として生花店に発注していた。
しかし、男性が話していた法人は実際には無関係の会社だった。

被害に遭った生花店A社:
私どものところに来た注文の会社は実在しているが、取締役を名乗っていた方の名前を出したところ、「そのような方は知りません」「いません」という返事が。

また、法人があるはずの住所を訪れたところ、更地だったという。

スタンド花をめぐるトラブルは他にも…。

都内にある別の生花店B社には、A社に頼んだ人物の知り合いを名乗る男性から合わせて3回注文があったが、スタンド花の料金約27万円が支払われていないという。

一方で、注文者の男性は料金を支払うと主張。
両者はやり取りを12月20日まで行っていたが、その後、男性は音信不通になったという。

さらに、別の生花店C社もトラブルを抱えていた。

被害に遭った生花店C社:
(被害に遭ったのは)金額的に大体40万~50万ぐらい。個人で注文をもらって5~6件注文いただくんですが、そこから大きい注文お願いできますか?と、皆さんでお金を集めて、(注文者が)「支払金が大きくなるので後でいいですか」って形で、「じゃあどうやってお支払いするんですか」って言ったら「法人請求でお願いします」みたいな形。

被害を訴えている3つの生花店で注文をした人物が同一人物かどうかは分かっていない。

しかし、注文者がファンから集めた資金でスタンド花を発注。
その後、生花店への支払いが行われず数カ月後には連絡が取れなくなるという手口が繰り返されている。

こうした事態に被害届を提出した生花店もあり、警察は捜査しているということだ。

そんな中、推しへスタンド花を出すことに賛同したファンは「代表者に料金を支払った」とSNSで訴えている。

一部のアイドルグループ運営も注意喚起

こうしたスタンド花をめぐるトラブルの多発に、一部のアイドルグループの運営は注意喚起を行いました。

乃木坂46公式HPより:
お客様間でのトラブル、業者様とのトラブルなどが増えてきている状況となっております。

推し活として定着してきた「スタンド花」でのトラブル。
一刻も早い解決が求められている。
(「イット!」12月26日放送より)

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