NHKが放送した戦後80年番組で、登場人物のモデルとされた軍人の孫が故人の名誉を毀損されたとしてNHKなどを相手取り、東京地裁に賠償を求める訴えを起こしました。
NHKは今年8月、戦後80年に合わせてNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」を2日間にわたり放送しました。
この放送では日米開戦前に設立された研究機関「総力戦研究所」が舞台となっていて、初代所長の飯村穣中将の孫で、元外交官の飯村豊さんは「開戦を肯定し、反対意見を述べた人を戦争の最前線に送り出すなどした卑劣な人物として描かれた」としてNHKや番組監督らを相手取り、550万円の賠償を求める訴えを24日、東京地裁に起こしました。
飯村さんは「真実と真逆の誹謗を加えることは、故人を敬愛してきた遺族の感情を著しく害する」などと訴えています。
NHKは「誠心誠意対応させていただいたが、結果としてこのような事態になったことは残念。
今後は訴状の内容を確認したうえで、裁判の中でNHKとしての考えを主張していく」とコメントしています。