栗原の畑で見つかった不思議な大根と遊び心
正面から見ると、まるで4本足が生えているかのよう。
さらに裏返すと、小さな“おまけ”の一本がちょこんとついている…。
そんな不思議な形をした大根の写真が、FNNビデオポストに投稿された。
主役は、宮城県栗原市の畑で育った一本の大根だ。
投稿したのは、仙台市内に住む女性。
「白菜と大根が取れたから取りにおいで」と声をかけてくれた、栗原市志波姫のいとこの畑で、この大根と出会ったという。
投稿者:
「面白いでしょって見せてくれて。
ぜひこれを食べさせてって言って、ありがたく頂いてきた大根なんです」
「5本…ちょちょちょっとある!」見た瞬間、驚きと同時に「かわいい」が勝った
初めて見たときの印象を聞くと、女性はこう振り返る。
「驚きました。今まで2本足の大根は見たことがあったんですけど、
これは5本…ちょちょちょっとあって。でも、かわいいですよね」
正面からは4本足。
そして裏側には「お尻というか、ぽちゃっとした」一本。
投稿者は冗談交じりに「おまけの一本」と呼ぶ。

麦わら帽子と手作りの顔 名前は「大根の大ちゃん」
投稿された写真では、大根に目と口がつき、さらに小さな麦わら帽子までかぶっている。
「大根くん、大ちゃんを作りました(笑)」
目は手仕事用の小物。
口はピンク色のマスキングテープを口の形に切って貼ったという。
帽子ももちろん手作りだ。
「よく洗ってから、目をつけて、麦わら帽子をかぶせました。
テレビに採用されるように、ちょっとずつ努力してるんです(笑)」
細部まで作り込まれた“装い”には、
「結構、芸が細かいと思います」と自画自賛も忘れない。

規格外でも畑では当たり前「スーパーでは出会えない野菜たち」
なぜ、こんな形の大根が生まれたのか。
投稿者は、畑と市場の違いをこう語る。
「スーパーだと、立派な一本じゃないと売れないですよね。
規格に合わないと市場にも出せない。
でも畑に行くと、2本だったり3本だったり、
ニンジン君も面白い形をしているものが結構あるんです」
畑で育つ野菜たちは、実は個性派ぞろいなのだ。

食べてこそ主役 上はおでん、下は切り干し大根へ
見た目はユニークだが、最後はきちんと「いただく」。
「上の方は普通におでんにしました。
甘くて、とってもおいしかったです」
4本足の部分は、皮をむいて切り干し大根に。
現在はベランダで、青いネットに守られながら干されているという。
「今、干してます。食材ゲットでございます(笑)」
大きさはおよそ30センチ。
味は、見た目に反して(?)極めて正統派だ。

なぜ足が生えたのか…「旅に行きたかったんだと思う」
なぜこんな形になったのか…。
投稿者の答えは、どこまでも自由だ。
「たぶんね、大根、旅に行きたかったんだと思うんです。
土の中ばかりじゃなくて、いろんなところに行って、
いろんな景色を見たかったんじゃないかなって」
足が生え、手を持ち、
「きょうはどこに行こうかな」と畑を抜け出した大根。
「私と同じかもしれません。
一つのところにじっとしていられないっていうか(笑)」

「どうでもいいこと」を全力で楽しむ 畑から生まれた小さな物語
最後に「どうでもいいことで、本当に申し訳ない」と笑う投稿者。
だが、その“どうでもよさ”こそが、この大根の魅力だ。
規格外で、名前がついて、帽子をかぶって、最後はおでんと切り干し大根になる。
畑で生まれた一本の大根が、
人の遊び心によって、物語の主役になった。
今日もどこかの畑で、
次の「大ちゃん」が、旅立つ準備をしているのかもしれない。

