愛知県あま市で59年続く「昭和の焼肉 山ちゃん」。初代から継ぎ足されてきた味噌ダレは常連を虜にしています。地元で名物店として親しまれる一方、激戦区で生き残るために、3代目は新たな挑戦にも取り組んでいます。
■一族で守る伝統の味と圧倒的人気のホルモン
「昭和の焼肉 山ちゃん」は、3代目の山崎俊哉さんを中心に、父で2代目の隆範さん、母の陽子さん、兄の浩平さん、叔父の勝美さんら一族で店を切り盛りしています。

客:
「焼き肉っていったらここですよ」
別の客:
「基本週5で来ています」
なんと週5で通う猛者も。そんな常連に支持される看板メニューが、注文率90%を誇る「牛ホルモン(特製味噌)」(500円)。一度食べたらクセになる味噌ホルモンの決め手は、ホルモンにしっかり絡む特製の味噌ダレです。

3代目・俊哉さん:
「59年引き継いだ味噌を、継ぎ足しでやっています」
この秘伝の味噌ダレは、創業者であり3代目の祖父・高保さんが開発したもの。

俊哉さん:
「味噌は2種類。それ以外は言えない。家族でも限られた人しか知らない」
レシピは門外不出。醤油を隠し味に加えた甘みとコクが唯一無二の味を作り出し、ホルモンの脂と合わさって極上の旨みに仕上がります。

俊哉さん:
「味噌ダレは命です。これが無くなっちゃったらどうなることやら…」
味噌ダレは山ちゃんの代名詞として、ホルモンだけでなく「カルビ(特製味噌)」(900円)や「ハラミ(特製味噌)」(730円)、「鶏肉(特製味噌)」(320円)、「レバー(特製味噌)」(520円)にも使われています。伝統の味に魅了され、リピーターが後を絶ちません。味付けは味噌だけでなく醤油味もあります。

俊哉さん:
「醤油ダレも先代からやり始めてから59年間、継ぎ足し」
2種類の醤油をブレンドし、ごま油の香りを加えた醤油ダレも初代から続く大切な味です。
■焼肉激戦区で挑む3代目の新戦略
俊哉さん:
「あま市は焼肉屋多いですから。激戦区ですね」
山ちゃんがある愛知県あま市は、新店が続々とオープンしている焼肉激戦区。そんな激戦区で生き残れるよう、3代目が新たに考えた秘策が、タンをケーキのように盛りつけた「タンケーキ(要予約)」(4500円)です。

焼肉店ではあまり見かけないお祝いメニューですが、俊哉さんが「焼肉で誕生日を祝えるように」と3年前に開発。SNSで話題を呼び、今では大人気のメニューとなりました。
さらに、まとめ買いがお得な“ビールチケット”の導入や、地元の祭りへの出店など、広報にも積極的。山ちゃん人気に甘えることなく、次々と新しい挑戦を続けています。

俊哉さん:
「もう1店舗くらいやりたいなと思っている。新たなタレを作ってみなさんにご提供できたら」
伝統の味を守りながら新たな挑戦を続ける3代目の“情熱”が、山ちゃんの未来を切り拓いていきます。
