「お年寄りがターゲット」。その思い込みから被害に。若者も狙われる特殊詐欺の実態です。
■ニセの逮捕状がLINEで…狙われた20代男性
名古屋市に住む20代の男性会社員のもとに2025年6月、愛知県警の警察官を騙る人物から電話がかかってきました。
<警察官を騙る人物からの電話>
「愛知県警なんだけれども、あなたが詐欺事件に関与したという容疑がかかっている」
男性は、相手が名前と住所を詳しく知っていたため、本物だと思ってしまったといいます。
その後、やり取りはLINEへ。そこで送られてきたのは「ニセの逮捕状」です。裁判官の名前や、「逮捕することを許可する」という文言もありました。

さらに、ビデオ通話で「あなたの口座の資金が犯罪に使われた可能性がある」などと説明され、その調査を口実に現金を要求してきました。
ニセ警察官詐欺の被害者:
「自分は悪いことをしようとは全く思わない人間で。まじめに頑張って稼いだお金をとられてしまったと思うと、すごく悔しい」
男性は身の潔白を示すために80万円振り込みましたが、相手と連絡が取れなくなり、ようやく詐欺だったと気づきました。
■2024年に比べて40億円増…ニセ警察官騙る詐欺被害
こうしたニセ警察官を騙る詐欺被害は、2025年に急増。2025年1月から先月末までの愛知県内の被害額は、2024年の同じ時期と比べて40億円多いおよそ52億円に。被害件数も545件増え724件となっています。

このうち20代と30代の被害も4割と、増加傾向にあります。
ニセ警察官詐欺の被害者:
「詐欺の被害に関しては、お年寄りがターゲットになっていると思っていたんですけど。明日は我が身と思って、若い方にも生活してほしいですね」
