警察官を騙る人物による特殊詐欺の被害が、全国で相次いでいます。80万円をだまし取られた男性が不審な男を信じてしまったのは、自身の個人情報が完全に一致していた「偽の逮捕状」でした。
■大阪府警を名乗る男からの電話 不審に思うも信じてしまった「偽の逮捕状」
三重県鈴鹿市に住む37歳の男性は、警察官を騙る人物による特殊詐欺の被害者です。

事件があったのは2月23日、キッカケは1本の非通知の電話でした。大阪府警の警察官を名乗る男からの電話です。
被害に遭った男性:
大阪府警を名乗る人から非通知で電話がかかってきて「マネーロンダリングに口座が使われています。それに対して、私に逮捕状が出ています」と。
男性に心当たりはありませんでしたが、男は「捜査にあたり、お互いに顔を知らないのは不安だろう」などと言い、LINEのビデオ通話で会話することを求めました。

そこで見せられたのが「逮捕状」です。検事の印鑑も押されていますが、これは偽の逮捕状です。
被害に遭った男性:
「これは違うだろう」というのが第一印象だったんですけど、話を聞いているうちに「本当なのかな」って。
実は、逮捕状に書かれた被疑者の名前、生年月日、住所が、すべて男性の情報と一致していました。

被害に遭った男性:
読んでいると「これって本物じゃないかな」と。
■被害額は12億円余りにのぼる警察名乗る手口 男性「高い勉強代と思うしかない」
男性は大阪府警に電話しようと、男に相談しました。
被害に遭った男性:
「被害額が大きすぎるので、上層部のごく一部しか知られていない。電話をかけてもらっても、何のこと?と言われるかもしれない。もし連絡するときは、LINEの方で電話してください」と言われました。
その後もやり取りを信じ込んだ男性は、「捜査協力費」という名目で現金80万円を振り込んでしまいました。
愛知県警によると、警察官を名乗る人物による詐欺は2024年で212件で、被害額は12億円余りに上っています。

被害に遭った男性:
高い勉強代と思うしかないので。もうちょっと疑いの目を向けて、電話に出ればよかったなと正直思いますね。警察からの電話で「お金を振り込んでください」というのは絶対ないので、注意してほしいなと思いますね。
(東海テレビ)