東京電力は、福島第一原子力発電所で行われている処理水の海洋放出について、通算17回目の放出を12月22日午前11時59分に完了したと公表した。
12月4日からの19日間で7,833t(タンク約8基分)を放出。12月8日に発生した青森県東方沖を震源とする地震で、福島県沿岸に津波注意報が発表されたことや「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も踏まえ約15時間ほど放出を計画停止したが、予定通りの期間で放出を終えた。次回の放出は2026年3月を計画している。

“処理水”は、1号機から3号機の原子炉の中に残される事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”に、地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。海洋放出は2023年8月24日に開始された。
処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースをあけることが大きな目的のひとつ。
これまでに累計で約13万3,000t(タンク約133基分)の処理水が薄められて海に放出された。
2025年12月11日の時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約6%減少している。貯蔵されている水の中には、放出の基準を満たせていない“処理途上水”も含まれている。


処理水の海洋放出は、放出前の水をためる水槽と海水面の高低差を利用して海に流れるようになっているため、海面が高くなって水が逆流してしまう恐れがある場合や、設備の安全性を確認すべき場合には放出をとめることが定められている。
震度5以上の地震や津波注意報、竜巻注意情報(発生確度2)、高潮警報などで放出を手動停止することが決まっていて、今回の停止のほか、これまで2024年3月の地震、2025年7月の竜巻注意情報や津波注意報でも手動停止したことがある。

福島テレビ
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