高市首相は20日、東京都内で、日本と中央アジア5カ国(カザフスタン・キルギス・ウズベキスタン・タジキスタン・トルクメニスタン)との初の首脳会合を行った。
高市首相は会談後、記者団の取材に応じ、日本と5カ国の共同宣言採択などの成果を強調し、「互恵的な協力関係を一層引き上げる」と述べた。
中国やロシアと関係の深い5カ国との関係強化を図る狙いがある。
高市首相は、「中央アジアは、地政学上の重要性、経済安全保障上の重要性、互恵的なビジネスチャンスという観点から、大きな戦略的意義と潜在性を有している」と指摘し、「中央アジア5カ国の持つこのような高い潜在性を生かし、産業高度化を後押しし、日本との互恵的な協力関係を一層引き上げるべく、私からCA+JAD東京イニシアティブの立ち上げを宣言した」と述べた。
さらに、「5カ国首脳との共同宣言である『東京宣言』を採択した。グリーン・強靱(きょうじん)化、コネクティビティー、人づくりの3分野を中心に互恵的なプロジェクト推進していく。特に今回、カスピ海ルートを含むグローバルサプライチェーンの円滑化支援や、日本・中央アジアAI協力パートナーシップを通じたAI分野での連携を表明した」と語った。
高市首相はそのうえで、「中央アジアはエネルギー鉱物資源を有する地域でもある。特に重要鉱物関連では、供給源の多角化を通じ、グローバルなサプライチェーンの強靭化に向けた連携を強化していく。さらに今後、経済関係への高い期待をふまえ、これから5年間で総額3兆円規模の民間プロジェクト実施の目標を設定した」と述べ、「各国との首脳会談を機に、中央アジアとの関係を更に強化していく考えだ」と強調した。