物価高、そして値上げという言葉があふれた今年も、残すところあと10日あまりです。

新たな年にいただく正月食材の価格はどうなりそうなのか?

福岡で取材しました。

まもなくやってくるお正月。

年末にかけて、食材を買い求める人も多いのではないでしょうか。

博多の台所、福岡市中央区の「柳橋連合市場」を訪ねました。

さまざまな魚が並ぶ鮮魚店。

博多の雑煮に欠かせないブリの値段を聞いてみると…

◆船津商店 舩津健一さん
「養殖のハマチ・ブリは去年の1.5倍ぐらいを予想している」

養殖用の稚魚が少なかったためで、入荷量も減り、去年の1.5倍ほどの高値になる見込みです。

そして天然物は、今後の漁獲状況で変わりますが、平年通りであれば100グラム500円前後で販売されるということです。

一方、子孫繁栄を意味する「魚卵」。

カズノコは例年とほぼ変わらない価格となる見込みですが、異常な高値になっているのが…

◆船津商店 舩津健一さん
「イクラはすごく高い。去年と比べて2倍まではいっていないが、1.7~1.8倍ぐらいの値段。こんな値段見たことない」

サケの不漁で、去年も高騰していた「イクラ」は一段と高値に。

今年の春ごろ3000円ほどだった冷凍の「イクラの醤油漬」は、1パック7560円で販売されています。

◆船津商店 舩津健一さん
「正直去年よりも高くなったものは増えているが、特別な年末年始に良いものをぜひ食べてもらいたい」

一方、野菜はどうなのか?

青果店では博多の雑煮に欠かせない「カツオ菜」が並び始めています。

今年は出来が良く、しっかりと葉の縮れがあるため、カツオ菜独特の深い風味を楽しめるとのことです。

気になるのは値段の見通しですが…

◆八百谷 谷岡哲雄 店主
「今のところは落ち着いている。大体240~250円で販売している。平均的な値段ではないか。これが来週の後半から年始にかけてちょっと上がるのは上がると思う」

このまま安定した天候であれば、年末でも300円から330円ほどと例年並みになるのではないかということです。

一方、食卓を豪華にしてくれる「カニ」。

福岡市早良区の直売所では、12月30日まで年末恒例のセールが開かれていて、ズワイガニやタラバガニをお値打ち価格で手に入れることができます。

今年の値段を聞いてみると…

◆TMフーズ 永友浩史 工場長
「去年に比べて2~3割は上がってきている。世界情勢が一番大きい原因。カニ自体の漁獲量というよりは、入ってくる量や出ていく量が年々変わってきているので」

仕入れ価格は高騰していますが、手に取りやすいように去年とほぼ変わらない値段で販売するということです。

そんな店の今年のオススメは、ボイルしていない生のタラバガニです。

◆TMフーズ 永友浩史 工場長
「同じ1キロサイズのものが、ボイルは1万1000円で販売しているが、生は9000円で販売しているので、値段的にもお得かなと思う」

旬の時期に大量に仕入れたことで安く販売できるということです。

さらに…

◆TMフーズ 永友浩史 工場長
「北海道産のオオズワイガニです」

ここ数年、北海道で大量に水揚げされ、お手頃感のある「オオズワイガニ」。

甘味のある身と濃厚なカニミソが味わえます。

◆TMフーズ 永友浩史 工場長
「(仕入れ値は)なかなか厳しくはなっているが、おいしいもので食べて笑顔になってもらって、新しい年を迎えてもらいたい」

止まらない物価高の中で迎える2026年。

出費を抑えながら明るい新年のスタートにしたいものです。

テレビ西日本
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