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少子化、紙媒体の縮小、そしてデジタルデバイスの台頭――。


子どもたちを取り巻くエンタメ環境が大きく変化する中、小学館はあえて「紙の雑誌」というフィールドで新たな挑戦に踏み出しました。


それが、男子小学生のバイブル『月刊コロコロコミック』と、女子小学生のバイブル『ちゃお』という、同社の二大看板を合体させた新雑誌『コロちゃお』の創刊です。

なぜ今、あえて「紙」なのか。なぜ、男女の垣根を越えるのか。


社内でさえ当初は懐疑的だったというこのプロジェクトを牽引したのは、『ブラックチャンネル』や『運命の巻戻士』などのヒット作を担当し、YouTubeチャンネルの立ち上げやニンテンドースイッチでのマンガ配信など、媒体の枠を超えた挑戦を続けてきた、コロコロコミック編集部の脇 立樹(わき たつき)。


ヒカキンさんやポケモンカードゲーム、さらには『シャーマンキング』の武井宏之先生をはじめとする一流作家陣までも巻き込み、業界の常識を覆そうとする挑戦には、「世界最高のまんがとあそび」を子どもたちに届けたいという強い想いがありました。


本ストーリーでは、反対の声が大きい状況下で、いかにしてこのビッグプロジェクトが成立したのか。その裏側にある葛藤と戦略、そして脇が描く未来図を、本人の赤裸々な言葉とともにお届けします。

「小学館はキッズエンタメに強い」というブランドイメージを未来でも強固にするため――今、組織として挑む理由

プロジェクトは、『コロコロコミック』や『ちゃお』がもつ「本質的価値」への問い直しから始まりました。


Netflixや『週刊少年ジャンプ』のように、今の時代に求められているのは「ここなら面白いものを作ってくれる」というブランドへの信頼感だと脇は話します。「妖怪ウォッチ」や「極上!!めちゃモテ委員長」など社会現象を巻き起こしてきた両誌ですが、そのイメージが少し弱まっているのではないかと危惧していました。


しかし、市場環境は厳しさを増しています。子どもの数は減り、エンタメの主戦場はスマホやYouTubeへ移行。「紙の雑誌」を新しく創刊することは、ビジネスとしては厳しいという前提がありました。実際、最初にこの企画が持ち上がった際、脇自身ですらその成功イメージを持てずにいました。


「『妖怪ウォッチ』のブームを牽引した上司から、『コロコロとちゃおが一緒に紙の雑誌を作ると面白いよね』と言われたときに、僕は正直未熟がゆえに『今、紙の雑誌をやるのはなんの意味があるんだろう?』と思ったんですね。単純に新しく雑誌出すと言っても、その後作品がどうやって成長していくのかみたいなことがイメージができなかったんです」


それでも脇を突き動かしたのは、個人ではなく、組織として動くことでより大きな挑戦ができるという確信でした。


「具体的な事業を雑誌の中で体現することで、世の中的にもビジネス的にも、『小学館はエンタメ、キッズエンタメに強い』というイメージを強化できる。それを『コロコロ』と『ちゃお』という二大ブランドが手を組み、組織として推進することにこそ意味があると考えました」



上司の考えは「小さく始めるのもいいんじゃないか」というものでしたが、脇はそれを良しとしませんでした。


「コストと労力をかけてやるのであれば、大きい絵が見えた方がいいって個人的には思うんです。過去に『ブラックチャンネル』という作品で、漫画連載と同時にYouTubeチャンネルを立ち上げるという、当時としては異例の投資を行いました。結果としてYouTube登録者数100万人を超えるヒット作になりました。様子を見ながらやっていってたらおそらくそうなれなかったと思っています。 『コロちゃお』に関しても、小さくまとまるのではなく、組織として大きな挑戦をできるときにすべきだと考えました」

目指すは「世界最高のまんがとあそび」。常識を覆すグローバル戦略

ただ、何をどうやればよいか、良いアイデアが浮かばずにいた脇に転機が訪れます。それは、意外にも社内にありました。


『GOAT』という文芸誌が、気鋭の人気作家たちの作品を掲載し、利益度外視の価格設定をして、創刊から文芸誌カテゴリで部数トップに躍り出たのを目の当たりにしたのです。作品を連載開始後にWeb連載へとつなげ、かつクールなブランドイメージを確立していました。


「振り切った企画で作家さんたちを1回レバレッジをかけて集めて、その後の連載はWebや既存雑誌につなげているのを見て、『この形であれば成立するかもしれない』と思ったのが大きな影響でした。」


新文芸誌GOAT公式サイト:https://dps.shogakukan.co.jp/goat


紙の雑誌は、単体で利益を出すためではなく、ヒット作品を生み出すための「発射台」である。

そう定義し直した瞬間、やるべきことは明確になりました。目指すのは、男女も年齢も国境も超える「ハイクオリティ」な作品が集まる場所。「世界最高のまんがとあそび」というコンセプトです。

脇がここまでのクオリティにこだわる背景には、綿密な映像化戦略があります。

「ビジネスの規模をグローバルに広げるには、映像化が不可欠です。しかし、実はキッズ向け作品の映像化は非常に難しい環境にあります。配信各社もキッズ向け作品の買い取り価格は低く抑えられがちで、映像ビジネスとして黒字を出すことが困難なのです。 だからこそ、キッズセーフティでありながら、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの作品を作る必要があります。例えば『鬼滅の刃』や『葬送のフリーレン』のように、子どもも大人も夢中になれるものは実際に存在します。それは映像と漫画のクオリティが高まっていることと、配信の体制がインフラとして成立しているという時代背景も影響しています。僕がコロコロ連載で担当している『運命の巻戻士』でSTORY inc.さんやボンズフィルムさんというトップクラスの映像制作・アニメ制作会社さんと、大変ありがたいことに、ご一緒させていただき、そういった状況をより強く実感しました」

逆風を熱狂へ。一流作家陣、ポケモンカードゲーム、ヒカキンが共鳴した 『コロちゃお』の可能性

「世界最高」を実現するため、脇は社内外へ広く協力を仰ぎました。 まずこの新たな熱狂の輪に加わったのは、錚々たる一流作家陣です。背筋さん、TERUさん、武井宏之さん、おくむらみゆきさん、あらゐけいいちさん、鈴木おさむさん、曽山一寿さんといったトップクリエイターたちが名を連ねました。


当初、作家陣に「紙の雑誌を子ども向けにやります」「『コロコロ』と『ちゃお』が一緒に紙を作ります」と伝えた際の反応は、やはり驚きでした。


「『今紙でやるの?』という反応でしたね。時代的にもビジネスとして厳しいことは皆さんご存知ですから。それでも、『コロコロ』と『ちゃお』というブランドを信頼してくださっていたこと、そして何より、先輩方が築いてきたブームのおかげで『子どもの頃読んでました』と言ってくださる方が多く、面白がってくれたのが大きかったです」


デジタル全盛の今だからこそ、あえて「紙」で作る意義。そこにクリエイターたちも共鳴しました。


「子ども向けに本気で何かを作る人が減っている今、『アプリやWebではなく、紙でやる』ということに価値を感じていただけました。Webコンテンツや動画が圧倒的に増えている中で、手にとって残る実在感あるものをクリエイティブすることが、逆にトレンドではないからこそ『いい』と感じてもらえたのだと思います」


そして、この熱量をさらに加速させる強力なパートナーも加わりました。「ポケモンカードゲーム」を販売している株式会社ポケモンと、人気動画クリエイターの「ヒカキン」さんです。


株式会社ポケモンへ「世界最高のあそび」を届けるためのパートナーとしてお声がけしたところ、「より多くの子どもたちにもっとポケモンカードの面白さを届けたい」という想いをお伺いしました。


そこで脇が目指したのは、モノとしての付録だけではなく、体験そのものを届けることです。 雑誌でデッキを手に入れ、全国の都市をまわるリアルイベント「コロツアー」で遊び方を知り、対戦を楽しむ。そうした一連の「体験」を、男子も女子も関係なく届けたいという『コロちゃお』のビジョンに、強く共感いただけたのです。

「より多くの子どもたちにポケモンカードゲームを届けて、プレイまで体験していただく場所を用意できる点と、小学生男女のどちらにもその楽しさを伝えることができる点に大きな価値を感じていただき、実現に至りました」


そして、ヒカキンさんへのオファー。

彼が元々ポケモンカードゲーム好きであること、そして何より『コロコロ』読者アンケートで10年間「好きな有名人1位」であり続けていることが決め手でした。

「子どもたちのために、漫画と動画のコラボレーションをしたい」 と脇が提案したところ、ヒカキンさんは「面白そうですね」と快諾してくれました。 普段からポケモンカードゲームを愛し、子どもたちの人気者であるヒカキンさんだからこそ、「みんなを喜ばせたい」という想いが合致した瞬間でした。

「世界最高の初体験」を届けるために。『コロコロ』50周年を迎える2027年へ続くヒットの未来図

さらに脇は、雑誌の「顔」となるロゴデザインにも妥協しませんでした。依頼したのは、元任天堂のデザイナーであり『勝てるデザイン』の著者でもある前田高志さんです。


「今回の『世界最高の遊び』というイメージを一番体現されているのが任天堂さんだなと思っていたので、その文脈がある方に依頼したかったんです。視認性が高い文字というよりは、記号として印象が残るように作っていただきました」

こうして、かつてないクオリティのコンテンツ、最強のパートナー、そして洗練されたデザインを備えた『コロちゃお』の輪郭が完成しました。 しかし、脇が見据えているのは雑誌の発売そのものではありません。


「読者に与える感動の大きさと、ビジネスとしての強さにおいて、子どもの漫画やエンタメの初体験を抑えることは唯一無二だと思っています。だからそこにこだわります。 僕自身が小学生のとき、初めて見た映画『ドラえもん のび太と雲の王国』という映画にものすごく感動したんです。漫画を読んで、映像を見て、キャラクターの商品も手に取って……全方位でそのコンテンツに触れた記憶が今もある。僕にとってそれが『世界最高なコンテンツ』のイメージです」


子どもの頃に最初に触れるエンタメ体験の記憶は、何十年経っても色褪せない。だからこそ、今の時代の子どもたちにも、その「最初の衝撃」を届けたい。


「『コロちゃお』の目的は単体で利益を出すことではなく、そこに載っている作品たちがその後ヒットすることです。すでに『運命の巻戻士』の映像化も決まっているのですが、この後1、2年で映像化して勝負できる作品が5、6本あるような状態にしていきたい。その中から世の中で圧倒的に目立つコンテンツを生み出し、『コロちゃおってすごい』と思われるブランドにしていきたいです」


『コロちゃお』という新たなブランドが生まれることで、作家さんや協業するメーカーさんはこれまで以上に大胆な挑戦ができるようになる。 『コロコロ』や『ちゃお』単体では届かなかった層にもリーチし、そこから映像化、グッズ化、そして海外展開へとつながっていく。


脇が見据えているのは、そうした関わる全員が勝てる「ヒットの循環」をより強固なものにすることなのです。


「『コロコロ』と『ちゃお』がもつ小学生にとっての初体験を届けられる強みを、『コロちゃお』も含めて、国内はもちろんグローバルでも一番強いブランドであれるように頑張っていきたいです。一緒に何かやりたいと思ってくださってる作家さんだったりメーカーさんがいらっしゃったら是非声をかけてもらえると嬉しいです」



『コロちゃお』という名前には、『コロコロ』と『ちゃお』が築き上げてきた歴史と、これから始まる「世界最高のまんがとあそび」への確かな自信が込められています。





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